65 / 111
Chapter 2
60*噂のお店
しおりを挟む
ここ最近、王都ではとあるお店が注目されていた。
なんでも、"客を選ぶ衣装店"と"一見さんお断りのハンドサロン"らしい。
ちなみに、らしいと付けたのは、実際に行ったことがある人が極端に少ないため、噂ばかりが独り歩きしているからだ。
しかし、その噂によると、この2軒は王妃様や王弟アレキサンダー殿下の御用達らしく、ちょっとやそっとでは店の場所を知ることすら不可能なんだとか…
それでも、王族御用達の店ならば是非とも伺いたい!と、各方面に金品をちらつかせ情報を得ようとする貴族が後を経たないそうだ。
下位の貴族や平民たちからすれば、大々的に王族御用達と名乗った方が、箔が付き人気も出るのでは?と思うのだが、何故かこの2軒のオーナー達は頑なに所在を明かそうとはしなかった。
しかし、辛うじてお店の名前だけは風の噂で知ることができた。
オーナー自ら『認めた相手にしか作らない!』と断言している、その衣装店の名前は…
"L'APPAT DU PARIS"
(ラパ・デュ・パリ)
そして、一度施術を受けるだけで、この世のものとは思えないほど輝きを放ち美しさを引き出してくれる、そのハンドサロンの名は…
"New York"
(ニューヨーク)
どちらも、聞きなれない名前だった。
その為、巷では名前まで流行の最先端をいっているのではないか?と話題になっている。
もちろん、見てわかるように名前をつけた本人達にとっては、単純明快な名前にしただけなのだが…
人々による思い込みとは、なんともいえないものだ。
双子の手がけたブランドを、一躍有名にしたあの夜会から前世の四季感覚を頼りに、今日で凡そ二つの季節が過ぎた頃になるだろうか。
母ミリアーナの手元の書類には、右肩上がりで記載されているグラフが見える。
その書類の左上には、大きく【NY】とブランドロゴが表示されている。
そう、これはナタリーが経営するネイルサロン"New York"のロゴだ。
もちろん、前世のアメリカ合衆国最大の都市"City of New York"を、そのまんま活用した名前である。
一応、由希の思い出の都市ということで、この名前をつけており、ロゴを【NY】としたかった為に全て大文字にはしなかった。
そして、前世にちなんで分かりやすくわけている。
【NY ~nail ~】
【NY ~hair make ~】
ちなみに、アシュリーの場合ドレスショップとオーダーメイドジュエリーの窓口を"L'APPAT DU PARIS"とし、
ドレスラインは"Versailles"
ジュエリーラインは"Louvre"
と、名付けた。
一応、由来として、由佳曰く『私、パリにとりつかれてるから!』なんだとか。
まぁ、2人が作ったブランドだから好きにしたらいいだろう。
ちなみに、アシュリーの店の方も大変好評で、現時点で再来年の社交シーズンの分まで予約が入っているというから驚きだ。
そんなこんなで、2人とも事業の方は大変好調だった。
そう、事業だけは…
なんでも、"客を選ぶ衣装店"と"一見さんお断りのハンドサロン"らしい。
ちなみに、らしいと付けたのは、実際に行ったことがある人が極端に少ないため、噂ばかりが独り歩きしているからだ。
しかし、その噂によると、この2軒は王妃様や王弟アレキサンダー殿下の御用達らしく、ちょっとやそっとでは店の場所を知ることすら不可能なんだとか…
それでも、王族御用達の店ならば是非とも伺いたい!と、各方面に金品をちらつかせ情報を得ようとする貴族が後を経たないそうだ。
下位の貴族や平民たちからすれば、大々的に王族御用達と名乗った方が、箔が付き人気も出るのでは?と思うのだが、何故かこの2軒のオーナー達は頑なに所在を明かそうとはしなかった。
しかし、辛うじてお店の名前だけは風の噂で知ることができた。
オーナー自ら『認めた相手にしか作らない!』と断言している、その衣装店の名前は…
"L'APPAT DU PARIS"
(ラパ・デュ・パリ)
そして、一度施術を受けるだけで、この世のものとは思えないほど輝きを放ち美しさを引き出してくれる、そのハンドサロンの名は…
"New York"
(ニューヨーク)
どちらも、聞きなれない名前だった。
その為、巷では名前まで流行の最先端をいっているのではないか?と話題になっている。
もちろん、見てわかるように名前をつけた本人達にとっては、単純明快な名前にしただけなのだが…
人々による思い込みとは、なんともいえないものだ。
双子の手がけたブランドを、一躍有名にしたあの夜会から前世の四季感覚を頼りに、今日で凡そ二つの季節が過ぎた頃になるだろうか。
母ミリアーナの手元の書類には、右肩上がりで記載されているグラフが見える。
その書類の左上には、大きく【NY】とブランドロゴが表示されている。
そう、これはナタリーが経営するネイルサロン"New York"のロゴだ。
もちろん、前世のアメリカ合衆国最大の都市"City of New York"を、そのまんま活用した名前である。
一応、由希の思い出の都市ということで、この名前をつけており、ロゴを【NY】としたかった為に全て大文字にはしなかった。
そして、前世にちなんで分かりやすくわけている。
【NY ~nail ~】
【NY ~hair make ~】
ちなみに、アシュリーの場合ドレスショップとオーダーメイドジュエリーの窓口を"L'APPAT DU PARIS"とし、
ドレスラインは"Versailles"
ジュエリーラインは"Louvre"
と、名付けた。
一応、由来として、由佳曰く『私、パリにとりつかれてるから!』なんだとか。
まぁ、2人が作ったブランドだから好きにしたらいいだろう。
ちなみに、アシュリーの店の方も大変好評で、現時点で再来年の社交シーズンの分まで予約が入っているというから驚きだ。
そんなこんなで、2人とも事業の方は大変好調だった。
そう、事業だけは…
15
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

双子の片割れと母に酷いことを言われて傷つきましたが、理解してくれる人と婚約できたはずが、利用価値があったから優しくしてくれたようです
珠宮さくら
恋愛
ベルティーユ・バランドは、よく転ぶことで双子の片割れや母にドジな子供だと思われていた。
でも、それが病気のせいだとわかってから、両親が離婚して片割れとの縁も切れたことで、理解してくれる人と婚約して幸せになるはずだったのだが、そうはならなかった。
理解していると思っていたのにそうではなかったのだ。双子の片割れや母より、わかってくれていると思っていたのも、勘違いしていただけのようだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる