貴方達の武器の面倒はもうみません〜名門貴族に雇われているSランクパーティーリーダーを妹に取られて婚約破棄されパーティーからも追放されました〜

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2、ブレーメンズ結成

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「マスターもう一杯!!!」

「……ルフさん、今日はもうその辺にしといた方が良いぜ?」

「うるヒャい!!!、もう一杯!!!」

「これが最後だからな……」

「たく、これが飲まずにやってられかっての………」

あの後、酒場で飲んだくれる私、あんだけ精神的ダメージを負ったのだ、今日くらいは酒に溺れてもいいだろう。

「……はぁ………」

「ん?」

私の横で深いため息をつくのは人狼族の青年。

「どうしたの?、そんなため息なんてついちゃって……」

「え、だ、誰ですか貴方は??!!」

酒の席で溜息なんかつかれたらその場の空気が落ち込む、ここはいっちょ人生の先輩としてアドバイスしてやるかと声をかける私。

「私?、私は『炎光の鷹』所属……じゃなかったな……フリーの『錬魔師』のルフ・ノームよ、よろしく~」

「る、ルフ・ノーム??!!?、そ、それって『炎光の鷹』の武器全てを作った、天才錬魔師のルフ・ノームさんですか??!!」

「私の事知ってるの?」

「と、当然ですよ!!、この町、いや世界で貴方の事を知らない冒険者なんかいません!!」

「そ、そうなの?、知らない間に有名人だったんだ私~……で、なんか悩みあるなら相談に乗るよ?、今なら世界のルフ・ノームさんが無料で相談室開いちゃうよ?、なんちゃってダハハハハハ!!」

「………それじゃあお言葉に甘えて………俺の名前はシン・シーファーム、先ほど冒険者パーティーを追放されたんです………」

「へぇ~………ん?」

なんかすごい持ち上げてくれる狼の獣人、気をよくした私はそのまま彼の悩み事を聞く、すると彼、シンは冒険者パーティーから追放された返答する………なんかすごいデジャヴがある台詞に私の頭は一気に酔いが覚める。

「え……っと…その、追放って………理由は?」

「……獣人だから獣臭い、邪魔だと言われました………」

「……そっか………」

何かしょうがない理由があるのかと思ったが、めちゃくちゃ理不尽な理由だった……おかしい……やはりデジャヴ感がすごい……。

「俺……冒険者やめた方が良いんですかね?」

「やめちゃうの??!!」

「はい、もう一度他のパーティーに入れてもらっても、またこんな理由でクビになったら俺の心は持ちません……潮時かなって………」

震える肩で呟くシン………。

「ねぇ、どうせ辞めるんだったら最後に私とパーティー組まない?」

「へ?、で、でも、ルフさんって『炎光の鷹』のメンバーですよね?」

「ああ、そこクビになった、ついでに言うなら婚約者に婚約破棄された」

「お、俺にとっては願ってもない事ですけど………良いんですか、俺なんかで?」

「今の私が求めてるのは実力のある人よりも、私と同じ、理不尽に追放される苦しみを知ってる人の方がいいかな」

「な、何でですか?」

「理不尽に追放される苦しみを知ってるなら、私を裏切る事はないでしょ?」

「な、なるほど……」

「それより~、さっきの返事は了承と受け取って良いのよね?」

「あ、は、はい……」

「やった~、それじゃあ私と君は今からパーティーだ!!!」

「な、名前何にしますか?」

「名前?」

「パーティー名です、やっぱりこれは最初に決めといたほうが良いと思うので……」

「うーーーん………あ、思いついた、『ブレーメンズ』なんてどう?」

「ブレーメンズ?」

「ほら、なんか住んでるところから追い出された動物達が集まってある都市の音楽隊を目指して奮闘する童話があったじゃん?」

「ああ、ブレーメン音楽隊ですね」

「パーティーから追放されて、這い上がろうとしてる私達にピッタリじゃない?」

「良いですね、短くて名乗りやすいですし……わかりました、今から俺たちは『ブレーメンズ』です!!」

「そうと決まれば宴だーーーー!!!」

「え?、ちょ、まだ飲むんですか、見たところ相当酔ってるみたいですけど………」

「固いこと言うなって、今日は私達『ブレーメンズ』が結成された記念すべき日なんだよ?、今日盛り上がんないでいつ盛り上がるの?今でしょ!!!」

パーティーを組む事が決まったに気分をよくした私は再度、酒を飲み始める。

「ほらほら、シンも飲んで飲んで~」

「ちょーーーく、くっつきすぎですよルフさん\\\\\\」

「なぁ~に照れてんの?、わかったわかった、ちょっとだけなら触っていいよ、今日は無礼講だからかさ」

「じょ、冗談言わないでください\\\\\\」

私はそのまま隣のシンの肩に手を回す、あ、毛並みが気持ちい……毛並みの気持ちよさに浸りながらシンに酒を勧める、彼はというといきなり密着されて顔を真っ赤にしている、初心な反応が可愛かったので少し揶揄う私、湯気を拭きながら顔を背けるシン、夜はまだ始まったばかりだ。

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