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番外編
クラス内魔法大会2
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試合が始まった直後にあやかは動き出した。
唯一の武器である包丁を片手に、あいに向かって攻撃してくる。
お腹が空いているからだろうか、いつもよりも速く、強くなっている気がする。
あいは避けるだけで攻撃をする素振りを見せない。
「あやか選手の速い攻撃があい選手を襲うー! 見事ですね。一方であい選手は防戦一方です! 避けるだけで精一杯なのでしょうか!」
「どうだろうね。あの様子だと何かを考えているみたいだからこの後すごいことでもしてくれるんじゃない?」
(すごいことをしろっていう命令に聞こえるんだけど?!)
実況の2人が話している間、あいはどうやって決着をつけるか迷っていた。
あやかには申し訳ないが負ける気は無い。
攻撃は絶対に貰わないし、仮に攻撃が当たったとしても体全体を包むように防御魔法を張っているため問題ない。
ならば何を悩む必要があるのか。
それは、大親友のあやかに怪我をさせないようどう決着をつけるかということである。
1番いいのはあやかに降参を言わせること。
もちろん自分が降参するという考えはない。
(何か自分のスキルを活かしてできることないかな……)
少し落ち着きたい。
1度大きく後ろに飛んであやかから距離をとった。
「あい選手距離をとりました! 何かしかけてくるのか……」
観戦している誰もが固唾を呑んで見守っている。
しかしあいは深呼吸をして空を眺め始めた。
「おっと、あい選手空を見上げています! どうしたー?」
「避け続けて疲れたのかな?」
「結構長い時間避けてましたからね。しかし疲れているのはあやか選手の方ではないでしょうか! 息が上がってきています」
「もうすぐ決着が着くかな」
そんな実況を聞きながらあいは息を整えていた。
あやかも同じように深呼吸をしてあいのことを見ている。
(どうしようかな……)
すると空を飛ぶ鳥が見えた。
(そうだ! 一か八かだけど仕掛けてみよう)
そしてあやかを視界に捉えた。
「何か思いついた顔だね」
「さぁ、どうだろう」
「……」
「……」
1秒ほどの沈黙の後再びあやかだけが動き出した。
包丁があと1メートルであいに届くという時。
──ボンッ
あいの姿が見えなくなり、代わりに足下に可愛い柴犬がちょこんと座っていた。
あやかの包丁は柴犬の顔の1センチ前で止まる。
「クッ……参りました」
「決まったー! あやか選手降参宣言により、勝者加藤あい!」
「まさか犬に変身するとはね」
「あい選手のスキルを活かした戦いが見れました!」
「卑怯だよ……」
「これも戦い方のひとつだよ」
「まぁいいや、次の試合も頑張ってね」
「もちろん!」
あいの卑怯な一手で試合は幕を閉じた。
~お知らせ~
新作「異世界転生した私は今日も大空を羽ばたきます!~チートスキルで自由気ままな異世界ライフ~」を投稿しました。
こちらもぜひ、よろしくお願いします!
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あやかには申し訳ないが負ける気は無い。
攻撃は絶対に貰わないし、仮に攻撃が当たったとしても体全体を包むように防御魔法を張っているため問題ない。
ならば何を悩む必要があるのか。
それは、大親友のあやかに怪我をさせないようどう決着をつけるかということである。
1番いいのはあやかに降参を言わせること。
もちろん自分が降参するという考えはない。
(何か自分のスキルを活かしてできることないかな……)
少し落ち着きたい。
1度大きく後ろに飛んであやかから距離をとった。
「あい選手距離をとりました! 何かしかけてくるのか……」
観戦している誰もが固唾を呑んで見守っている。
しかしあいは深呼吸をして空を眺め始めた。
「おっと、あい選手空を見上げています! どうしたー?」
「避け続けて疲れたのかな?」
「結構長い時間避けてましたからね。しかし疲れているのはあやか選手の方ではないでしょうか! 息が上がってきています」
「もうすぐ決着が着くかな」
そんな実況を聞きながらあいは息を整えていた。
あやかも同じように深呼吸をしてあいのことを見ている。
(どうしようかな……)
すると空を飛ぶ鳥が見えた。
(そうだ! 一か八かだけど仕掛けてみよう)
そしてあやかを視界に捉えた。
「何か思いついた顔だね」
「さぁ、どうだろう」
「……」
「……」
1秒ほどの沈黙の後再びあやかだけが動き出した。
包丁があと1メートルであいに届くという時。
──ボンッ
あいの姿が見えなくなり、代わりに足下に可愛い柴犬がちょこんと座っていた。
あやかの包丁は柴犬の顔の1センチ前で止まる。
「クッ……参りました」
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「まさか犬に変身するとはね」
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