溺愛三公爵と氷の騎士 異世界で目覚めたらマッパでした

あこや(亜胡夜カイ)

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7.-27

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 「------あと一人、ってなった、とき、に」

 途切れ途切れに、私は言った。

 浴槽にもう一度入って、オルギールの腰に跨り、肩に手をかけて、力の入らなくなったからだ全てを彼に預けている。
 指はもう抜かれていて、全身に纏わりついたぬるぬるを落としながら、ゆっくりゆっくり肌の感触を確かめるように、大きな手のひらが私のからだを巡っている。

 キアーラの声に騙されて一人で敵地に飛び込んでしまったこと。屈強な傭兵達が何人もいたが、それでも、戦って勝てる、勝つ寸前であったこと。けれど、ちょうど、剣を取り落としてしまったときに、報酬のとりっぱぐれを恐れた兵士達が、総督達を連れ戻しに、壁の隠し穴から現れたこと。

 「------刀子だけでは、斃せる人数では、なかったから、捕まることにしたの」

 なかなか、普通に話すことができない。
 オルギールは、今は普通に私のからだを撫でているだけなのかもしれないが、それも私にとっては愛撫に等しい。息が上がってしまって、私ばかり興奮しているみたいで恥ずかしくて仕方がない。
そんな私を知ってか知らずか、オルギールは銀色の睫毛を伏せたまま、飽かず私を撫でまわしている。

 「担ぎ上げられて、はじめは、甲冑を、着たまま、だったのだけれど」

 とられて、しまったの。

 ここまで話すと、オルギールはゆっくりと目を開けた。

 「!?・・・ちょ、っと、」

 私は激しく動揺した。
 恐ろしい眼。こんな眼を、このひとは私に向けたことはない。

 ひとは、恐怖に直面すると本能的に逃げようとする。今の私もまさにそんな感じで、思わず身を捩ってオルギールと距離を取ろうとしたけれど、当然いきなり強くなった腕の力に、諦めるほかなかった。

 「オルギール。顔、怖い・・・」
 「何と言われました?どんなふうに?」

 いつも、最高級の紫水晶みたいだ、と感じる瞳は、今はそんなお綺麗なものではない。
 魔眼、とでも言おうか。その力強さ、禍々しさ。まさしく魔力のようなそれを向けられて、身動きができない。

 「眼、怖い、オルギール・・・」
 「怖い目にあわせましたね、リヴェア様」

 声だけはものすごく甘く、優しい。顔との落差が、かえってもっと恐ろしくなるほどに。
 お湯の中で、思わず身震いした私を囲い込む腕の力は、強いけれど苦しくはない。絶妙な力加減だ。

 「・・・もっと詳しく話して下さい。・・・奴らは、なんと?」
 「強いから、武装解除を、させておけ、って」

 別に、隠すことではない。話すことでフラッシュバックに悩むほど、やわな私ではない。
 けれど、それを聞いたオルギールの反応のほうが、ずっと恐ろしい。

 「それで、鎧も革帯もとられた、と」
 「そう・・・」
 「なんと言って?黙ってとられたのでは、ないでしょう?」
 「うん。・・・オルギール、その、手・・・」

 また、彼の両手が蠢き始めた。
 今度はわかる。・・・明確に、「その」目的をもって動いている。
 背筋が震える。からだの中が熱くて、疼いて仕方がない。撫でるだけでは足りない。もっと欲しい。
 もっと強い刺激が、欲しくてたまらない。 
 腰を、揺らしそうになる。それを堪えるために、私はぎゅう、と、オルギールの肩に縋る手に力を込めた。

 「・・・裸に、剥いておけば、恥ずかしくて、逃げられないだろうって・・・」
 「他には?」
 「歩きながら、脱がそう、って」
 「・・・他には?」

 オルギールの声が低くなってゆく。反比例するように、私の中の熱が高まる。

 「オルギール・・・」
 「リヴェア様、思い出して」

 執拗に、オルギールは私を追い詰めた。
 肩を撫で、胸の丸みをなぞるように撫で、時々かすめるように先端に触れる。背筋を上下に往復し、お尻まで撫で下ろすと、ほんのちょっとだけ、尻肉の割れ目に指を這わせる。びくん!とからだが跳ねると、すぐにまた柔らかく延々と肌を撫で続ける。

 「・・・あとは、てんでに。・・・イヤらしいことを」
 「何と?」
 「ああぁ!」

 掠めるだけだった指が、きゅ、と胸の尖りをつまんで、捩じった。
 のけぞる私の喉元に、オルギールの舌が這わされる。

 「リヴェア様。・・・言って下さい」
 「ヤらせろ、とか、おがみたい、とか。・・・ああ、・・・」
 「他には?」
 「いいおっぱいとか、揉ませろとか、・・・オルギール・・・」
 
 ずっと、喉元に紅い舌が這っている。美しくて妖しくて、淫魔か吸血鬼のよう。

 「入れたい、と言われたり?」
 「ああん!!」

 ちゅぷん、と長い指が一本だけ、蜜口から侵入した。
 浅いところだけを抜き差しされ、もどかしくてたまらない。
 どうしていいかわからず、馬鹿のように頭を左右に振って、与えられる快感から逃れようとする。

 「・・・オルギール、今日は、もう・・・」
 「肌は、触れられませんでしたか?」

 オルギールは全くやめるつもりはないらしい。
 喉元を舐めていた舌は、今は私の唇をひたすらなぞっている。
 話すことはできる程度に、けれど、ひたすら私の唇を舐めている。

 「リヴェア様。・・・こう、されたのでは?」
 「オルギール!!」

 あくまでも優しく、官能的に触れていた手が、突如として荒々しいものになった。
 ざぶん、と派手なお湯の音ををたてて立ち上がると、私を抱えたまま大股に寝室へ移動し、びしょ濡れのまま広い寝台に横たえられる。

 「オルギール、だめ」
 「・・・肌着は、破れてはいませんでしたが」

 豪華で居心地よく整えられた室内も、天蓋から吊るされた繊細なレースも、すぐに目に入らなくなった。オルギールが私に覆いかぶさり、唇や頬を舐めながら私のからだをまさぐる。至近距離過ぎて、彼の表情を読むことができない。

 「男共があなたを前にして放っておくはずがない。どこまで、されたのです?どこを、どうされた?」
 「胸とか、お尻とか、揉まれて」

 同じように、彼の手が私の言葉通りに動く。甘い刺激に、からだをばたつかせようとしてしまう。でも、快感と羞恥に動揺しているだけで、本気で止めてほしいわけではない。

 「からだを、触られて」
 「・・・ここは?」
 「はあああん!!」

 今夜、何度目だろう。・・・彼はまた私の中に指を突き立てた。
 ずっと、待っていた刺激。軽く、イってしまう。
 全身を震わせていると、予想に反して、すぐに指は抜かれてしまった。そしてまた、その指はからだじゅうを這いまわる。

 気が狂いそうだ。もっと欲しい。もっと、もっと------

 「そこも、さわられた。肌着の、上から」
 「・・・・・・」
 
 私の意に反して、堰を切ったようにぼろぼろと言葉があふれ出る。こんなに、詳しく言うつもりはなかったのに。 言えば、欲しいものが与えられると思ったのか。言葉が止まらない。
 
 「担がれて、足、拡げられて。・・・足の、つけね、触られたの」
 「何人くらいに?」
 「わからない。たくさん。・・・何人にも」
 「・・・・・・」
 「匂いとか、嗅がれて。・・・気持ち、悪かった」

 涙が、流れてきた。
 思い出して泣いているのではない。ただひたすら、もっと決定的な刺激が欲しくて、強い快感を味わいたくて、もどかしくて泣けてしまう。

 溢れる涙を全て舐めとったオルギールは、私の左右に手をつくと、ようやく身を起こした。
 もう、魔眼、ではないけれど、眼が据わっている。

 「他には?」
 「何も。・・・抜け道の足場、とても悪かったから私どころではなくなって」

 私は無意識にからだを捩りながらオルギールを見上げた。
 たぶん、彼には私の考えていることなど掌ををさすようにわかることだろう。
 だから何も言わずに彼の反応を待っていると。

 おもむろに、オルギールは再び、私の上に身を伏せた。
 正確には、私の、からだの中心に。

 「ひう!」
 「もう、大丈夫ですよ、リヴェア様」

 足の付け根に、オルギールは唇を押し当てながら言った。続けざまに、何度も、柔らかく湿った唇を鼠径部に受け続ける。
 大きな声を出してしまう。からだが熱くて、狂いそう。
 
 「よく、話して下さいました。・・・辛かったですね、リヴェア様・・・これから私が、奴らの触れたところを綺麗にして、治して差し上げます」

 何の心配もありませんよ。

 言うや否や、私はくるん!と寝台の上で裏返しにされた。
 すごい早業だ。どんな体術だ。

 一瞬の半分くらい、わずかに正気に戻りかけたけれど、すぐに、予想もしない感覚に頭が真っ白になった。

 「オルギールっ・・・!!」
 「こんなに、蜜でいっぱいにして。零してはもったいない」

 ずず、と啜り上げる音がした。そして、ごくりと嚥下する喉の音も。
 オルギールは、四つん這いにさせた私の下に仰向けで潜り込んだらしい。
 がっちりと開いたままの両足を抱き込まれ、腰を高く上げさせられ、私はオルギールの顔の上に自分の秘所を押し付けるようにさせられていた。  

 神とも見紛うオルギールの美貌の上で顔面騎乗なんて・・・ありえない。

 「オルギール、それ、だめ、だめ」

 ひとはあり得ない光景に直面すると、気絶するかかえって正気に戻るかどちらかだと思う。
 今は完全に後者のほうだ。さっきまでの、刺激が欲しくて頭の中が桃色に霞んで、という状況のままだったらどんなに楽だったかわからないが、残念なことにほぼ完全に正気を取り戻してしまった。
 
 羞恥で脳が茹る。でも、意識ははっきりしている。オルギールの息遣い、唇、舌の感触。高い鼻梁が、割れ目に当たるのまでまざまざと感じてしまう。考えないようにしようと思っても、それは脳内で映像化されてしまい、更なる羞恥が私を縛る。
 下から私の大腿を抱え込んだ手は、尻肉を左右に拡げて、溢れる蜜を後孔にも塗り込めている。溢れて止まらないそれを、オルギールは貪るように飲み干す。

 「美しくて、可愛らしいリヴェア様。・・・最高の、眺めです」
 「や、やあ、オルギール・・・!」
 「真っ赤になって、震えて。・・・蜜が止まらない」
 「やだ、お願い、恥ずかしいから、もう」
 「恥ずかしくて、感じるでしょう?・・・それで、いいんですよ」

 くすり、と笑う気配がした。濡れそぼった蜜口に吐息があたり、その刺激だけでまた感じてしまう。

 「奴らにされたこと、もし忘れられなくても。・・・奴らを思い出したら、このことも思い出せばいい」
 「オルギール!!!」

 いうが早いか、彼はあらためて私のそこにむしゃぶりついた。そして、蜜まみれの指を、拡げた後孔に埋め込む。

 ピンと張られた寝台の敷布は、掴むこともできない。私は拳を握りしめ、自分の声にさえ煽られながら、絶え間なく襲う絶頂に身を任せ、喘ぎ続けた。 
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