溺愛三公爵と氷の騎士 異世界で目覚めたらマッパでした

あこや(亜胡夜カイ)

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7.-26

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 中性的にすら見えるオルギールの美貌だけれど、一糸纏わぬ姿で身を寄せ、首に擦り寄るなどということは当然初めてで、間近に見て、肌の感触を体感してみれば、女性らしさなど欠片もない、男神のようなからだだとわかる。

 私を膝に乗せて浴槽の縁に腰かけたオルギールの白い肌の上を、玉のようにお湯が弾き、流れ落ちてゆく様は、神々しいまでの美しさで、私はこれから始まるであろうことも、自分のあられもない恰好のことも、しばし忘れて見惚れてしまった。

 「・・・どうなさいました?」

 低い、なめらかな声がかけられた。
 ほんのちょっと、今さらながら、彼の美貌と色気に当てられて陶然としていたようだ。
 だから、私は、

 「きれいだな、と思ったの」

 と、ぽろっと間の抜けたことを言った。
 オルギールは軽く首を傾げて受け流し、綺麗なのはあなたですよ、といいながら、身を捩って、壁際に置いてあった美しい陶器の蓋物を引き寄せた。細口の注ぎ口がついていて、凝った花飾りのついた蓋がなんとも優美なものだ。

 花飾りの蓋!
 数日前、私の中に塗り込まれた油薬は、こんな感じの蓋が付いた瓶に入っていた。

 思わず身構えると、私の頭の上で、苦笑する気配があって、唇が髪に押し当てられる。

 「あれは油薬。身分ある女性の寝室には必需品なのですよ。薬でもあるし、潤滑剤でもある」

 ・・・オルギールは恐ろしい。私の頭の中を透視してでもいるのか。
 それもそうだし、きっと自分の暴挙を覚えているのだな。
 花飾りの蓋物も怖いけれど、やっぱりオルギールはもっと怖い。
 で、潤滑油?
 ・・・なんて淫蕩な油薬なのでしょう。

 「これは液状の石鹸です。最高級の香草と精油が配合されていて、きっとお好きですよ」

 彼は蓋物を傾けて、トロリとしたそれを大きな手のひらにとると、そっと私の鼻先に近づけた。

 「・・・うわぁ」

 なんて、いい香り。
 思わず、顔がほころぶ。
 こちらの世界の植物や花々の名前はまだまだよく知らないけれど、元の世界のそれらと似たような系統のものなのだろう。「いい香り」と感じる、私自身の嗅覚が変わらないのだから。ネロリ、ラベンダー、パルマローザ?ほんの少し、すっきり感を出すためミントっぽい香りも混じっている?

 レオン様なら、配合の内容全ておわかりよね。
 
 と、せっかくいい香りなのに、うっかりレオン様のことを思い出してしまって、またも硬直してしまった。他の男の膝の上でレオン様を思い出すなど、不届きものの極みだ。最低だ。
 いい気になっていてはいけない。「大女」「めんどくさい」「重い」、そう言われ続けて枯れた青春時代を思い出すんだ。

 「・・・忙しい方ですね、あなたも」

 ため息交じりの声がした。
 石鹸を掬った大きな手のひらが、遠ざかる。
 
 まずい。・・・レオン様にもオルギールにも、失礼だ。

 「あの!オルギール、」

 私はオルギールの膝の上で横座りになっていたが、首を捩じってオルギールを見上げ、銀色の濡れ髪を引っ張った。
 オルギールは返事をすることなく、私の瞼に口付けを落とし、次の言葉を待っていてくれるらしい。
 
 「はやく、からだを。・・・洗って下さい」

 勢い込んで言ったはいいが、最後の一言が急に恥ずかしくなって顔を背けてしまう。
 背ける直前、オルギールが紫の眼を見開いたのがわかる。
 リヴェア様、と呟いたのも聞こえた。

 恥ずかし過ぎる!!と照れ隠しに大声でも上げようかと思っていたら、

 「!?うひゃっ」

 くすぐったくて変な声が出た。
 オルギールが手に石鹸を纏わせて、ぬるん!と腰からわきの下まで一気に撫で上げたのだ。

 「オルギー、ル!!ひゃ!」

 続いて、二回、三回。続けざまに。撫で上げ、撫でさすり、私のからだに石鹸が塗り広げられていく。

 ひゃあ、にゃあ、ふわあ、と、初めの頃こそ、くすぐったいばかりで妙な声を上げていたけれど、気が付けばそれはすっかり喘ぎ声と化していた。
 自分の口から洩れているとは思われないほどの蕩けた声。



 ──ああん、とまた、知らず知らずのうちに、大きな声が出た。

 彼の手が、私の全身を撫でまわしていた。馥郁たる香りの石鹸を、まず、腰から脇の下、肩からひじ、手、うなじから背中に。そして、
 
 「オルギール、もう・・・」

 私は息を弾ませて喘ぐことしかできない。オルギールの首元に顔を埋め、快感を逃がすように彼の肌に唇を押し当て、齧りつく。

 両胸、その先端、お腹、お臍。すっかり潤った割れ目、お尻。
 もう、石鹸のまぶされていないところなんて、からだじゅうのどこにもない。なのに、果てしなく、手のひらが、指が、より反応のよいところを探すかのように這いまわる。ぬるぬるとした触手のように、私の敏感なところばかりを見つけ出し、徹底的に責められる。

 「ああん、うああん、ああん!!」
 「奴らは、肌には触れませんでしたか?」

 かけ流しのお湯の音、私のあられもない喘ぎ。その中で、オルギールの声だけが鋭く、冷たい。
 私は、彼の鎖骨を舐めながら必死で頭を振ったけれど、ちゃんと言って下さらないとわかりません、と言われ、

 「あう!」
 
ずぶぅ、と前触れなく、指を中まで埋め込まれた。
そのまま、激しく抜き差しされ、胸の先端はぬめる指で捏ね回される。

 「はあん、ああん!!オルギール、いきなり、そんな・・・!」
 「リヴェア様、奴らに何をされたか言って下さい」

 今はお湯の中ではない。だから、蜜が泡立つほど激しくそこを責められると、猥褻な水音が高く響き渡る。耳を覆ったところで、自らのからだから奏でられる音からは逃れようもない。
 
 「リヴェア様、答えて」

 オルギールの声は、ドライアイスみたいだ。熱くて、冷たい。
 
 「私が、洗って差し上げますから。・・・リヴェア様」
 「んんん!!!」

 胸が、解放されたかと思えば。
 ぬるぬるの指が、私の後孔に差し込まれた。
 直腸にじかに伝わる強烈な刺激に、全身が震える。

 「やああああ!!」
 「言って下さらないと、もっとお辛いことになりますよ。・・・まあ、気持ちよく、とも言えますが」

 後孔と前を左右の手が同時に責め立てる。オルギールは、指を入れたまま私を抱え上げ、ゆすり、ついには立ち上がった。
 自分の体重が、前後に突き立てられた指に集中する。彼の首にしがみついて刺激を逃がそうとしても、容赦のないオルギールの指が体内で暴れ、上下に、前後に、左右に私のからだを自在にゆらして、壮絶なまでの快感がどこまでも私を追ってくる。

 「やあ!ああああ!!!あああああああ!」
 「・・・後ろは、あまり解れていないのですね」

 オルギールは冷静に言って、後孔へ入れる指をさらに一本、増やした。

 「あああああ!!」
 「こちらも慣らしておきませんとね。今のうちに」

 お尻側から回り込んだ手指は、後孔を思うさま翻弄し、ゆっくりと押しひろげてゆく。

 「やあ、もう、言う、から、もう、オルギール・・・!」

 オルギールの首に齧りつきながら、私は狂ったようにお尻を振って、もうやめてほしいと懇願した。
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