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セブンセンス法国編
第126話 聖戦・なむなむ・俺また何か~
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法皇がアリスティアと口論みたいな事をしながら、怨嗟の声を叩きつけ始めている。
たいへん耳障りなので、俺はこれをスルーしながら黒幕を探すことにした。
「私は何年も努力してきた! 力を得た! だというのに本当に神の声が聞こえたのがお前という小娘だなんて!」
「力は見返りを求めるためにあるのではありません! 神はいつもそこにおわします。わたくしたちは神の囁きに耳を傾けるだけでいいのです。それを教えてくれたのはあなたではありませんか!」
「うるさいうるさい! お前は私の得られなかったものを全て手に入れた! 力、男、神の寵愛!! 妬ましい……私はお前が妬ましい……! そんな私に力を授けてくださったのが真なる神なのだ……!!」
うわーっ、嫉妬マシマシなこの声が耳障り過ぎるう!!
俺は耳を塞ぎながら、その場をちょろちょろ動き回った。
どこかにそれっぽい、黒幕がいそうな空間は無いかな?
黒幕たる技巧神は、一度コンボの達人に敗れている。
だが多分これは、慈愛神がやったような、半身をそっちに分けておく的な行為の結果ではないか。
つまり、弱っていた技巧神なので負けた。
本物は案外、こっちにいるかもしれない。
第一、光輝神を装って信者たちの信仰を吸い上げていたわけである。
それならば他の神々以上の力を得ていてもおかしくはない。
真面目にやった結果、オクタゴンにイナズマレッグラリアートされてぶっ倒れた戦神が可哀想じゃん。
「ヘルプ機能。神様が隠れてたら見つけられる方法ある?」
『状況によります』
「じゃあこの状況」
『法皇を名乗る女を倒せば出てきます。依代を失うわけには行きませんので』
「なるほど! おーい、ガガン! アリスティア! ナルカ! そいつぶっ倒せ! カオルンは手を出したら法皇が粉々になるからな。俺と一緒に見てようなー」
「なーんでなのだー! カオルンはつまらないのだー!!」
怒ってジタバタするカオルンを後ろから抱きかかえて連れてきた。
「後で技巧神が出てくるから。そいつの攻略は、俺とカオルンじゃないとできないからな」
「そうなのだ? 戦える相手が出てくるならそれでいいのだ! カオルンは待つのだー」
物わかりがいい嫁で助かる。
アカネルみたいに恐ろしい暴走はしないしな……!
ほっそいカオルンを抱っこしつつ、腰掛けて待つのである。
いや、最近飯を食わせているからか、明らかに肉がついてきたな……。
「なあカオルン」
「なんなのだ?」
「昨夜ルミイと大変エッチなことをしまくったのだが、カオルンともしてもいいわけ?」
「お? 結婚したのだ。カオルンは構わないのだ!」
「構わないのはいいが、カオルンはそういうの興味あったりするわけ?」
「んー、よく分からないのだ。だけど、カオルンはマナビは好きだからいいのだー。むっ、マナビのしっぽが当たってるのだ!」
「大変申し訳無い」
賢者モードだと思ったのに、俺の精力は凄いな!!
実はこっち方面に才能があったらしい。
そんなイチャイチャトークをしていたら、怨嗟の声を吐き散らす法皇が鬼女みたいな姿になり、空中に浮かび上がりながら巨大な猿みたいな獣を呼び出す。
『技巧神の聖獣、ブラスモンキーです』
なんだそれは。
金色の体毛の超巨大猿だ。
これは、ガガンとナルカが激しく対抗している。
聖獣とやらとやりあえるのは立派だな。
聖獣は衝撃波みたいなのを纏って突進したり、体毛を毛の針にしてぶっ放したりしてくる。
これをガガンが腕で防御して、後ろからナルカが次々に得物を投擲するわけだ。
死の魔眼を使ったナルカの攻撃は、一撃必殺。
それが大量に襲ってくる。
聖獣はどうやらかなりしぶといらしく、命をたくさん持ってるらしい。
だが、ガンガンにその命を削り取られていく。
おお、ついに最後の命を刈り取られた。
白目を剥いてぶっ倒れる。
彼らの頭上で、なんか不思議なパワーで飛び上がったアリスティアと法皇が、神聖魔法と聖なる武具で戦っている。
超能力合戦みたいに見えるなあ。
よく見ると、法皇の神聖魔法は見えない手を使って相手の武器を奪おうとしたり、見えない拳を振り回したり。
アリスティアは強い光で相手の目を眩ませたり、光の防壁で攻撃を弾いたりする。
「知っている! 神の奇跡は知っているぞ! だからお前に勝ち目などない! 追い詰める! 追い詰めてやる!!」
法皇が叫んでいる。
若い聖女に才能とかでも全然負けちゃって、嫉妬の結果技巧神に魂を売り、技巧神は技巧神でシクスゼクスと裏で繋がってて……と言う感じである。
いやあ、救われない。
「くうっ……! あなたはそんな方では無かったはずです! 元の優しいあなたに戻って下さい!!」
「知ったような口を、小娘がああああああっ!!」
火に油を注いでしまった。
法皇の猛攻がアリスティアを襲う……! というところで、ガガンがジャンプして割り込み、攻撃を防いだ。
「オレの女はやらせねえ! やっちまえ、アリスティア!! とにかく一回ぶっ倒さないと、話は聞かせられないだろ!」
「はいっ! ガガン、あなたの力を貸して! わたくしは今、アクシスから新たな力を借り受けます……!」
アリスティアに集まる、神聖な力……。
『光輝の聖女に蛮神の奇跡が宿りました』
ヘルプ機能、とんでもない情報を教えてくれるな。
「バルガイヤーめ、間違いやがったな」
放たれたアリスティアの神聖魔法は、太陽の輝きを集めて作ったでっかい斧が振り下ろされるやつだった。
大変荒々しい。
「そ、そんな奇跡は知らない! 神殿の天蓋を砕き、触れるものを全て燃やし尽くしながら振り下ろされる斧なんて……そんな野蛮な……ウグワーッ!!」
おっと、法皇がまともに喰らって焼き尽くされたぞ。
死んだ。
で、魂をアリスティアがキャッチした。
聖女の前では、肉体が滅んでも解放されないんだなあ。
「おっ! 終わったのだ? じゃあカオルンたちの出番なのだー。行くのだマナビ!」
「ほいほい」
俺たちはノコノコと、戦いが終わった場所へと向かう。
そこでは今まさに、黒幕が顕現するところだった。
法皇であった燃え殻の上に、金色の輝きが宿る。
そして、燃え殻が舞い上がり、人の姿になった。
イメージ的には、孫悟空とかそんな感じの、武人風に擬人化された猿の怪物。
これが技巧神イサルデ、その真の姿というわけである。
『あーあ。終わっちまった。せっかく俺っちが策を練り、戦神のバカをだまくらかして、知識神を丸め込み、やってのけたアクシスの追放がよ。よく分からねえ奴らの侵入一つで崩れちまった! あーあ、やってらんねえなあ!』
イサルデが俺をギロリと睨む。
「この事態の主犯がお分かりでしたか」
『おめえしかいねえだろー。なんだ? 一体なんなんだ、お前はよ。アクシスとリサルナの半身を追い出して弱体化させ、数百年掛けた俺っちの計略がよう。お前の適当なちょっかいでよう。いい加減にしろよ、おめえ』
「俺の兄弟分の嫁を探すためだ。君はその犠牲になったのだ……なむなむ」
『おめえ!! 神を他の神の聖句で拝みやがったな!? 最大の侮辱だぜ!! ぶっ殺す』
やる気満々になったイサルデ。
カオルンはとても嬉しそうに俺の肩を叩いた。
「マナビやるものなのだ! 一瞬で相手がやる気になったのだ! やっぱり挑発させたらマナビは世界一なのだなー!」
挑発した気は無かったんだが……?
たいへん耳障りなので、俺はこれをスルーしながら黒幕を探すことにした。
「私は何年も努力してきた! 力を得た! だというのに本当に神の声が聞こえたのがお前という小娘だなんて!」
「力は見返りを求めるためにあるのではありません! 神はいつもそこにおわします。わたくしたちは神の囁きに耳を傾けるだけでいいのです。それを教えてくれたのはあなたではありませんか!」
「うるさいうるさい! お前は私の得られなかったものを全て手に入れた! 力、男、神の寵愛!! 妬ましい……私はお前が妬ましい……! そんな私に力を授けてくださったのが真なる神なのだ……!!」
うわーっ、嫉妬マシマシなこの声が耳障り過ぎるう!!
俺は耳を塞ぎながら、その場をちょろちょろ動き回った。
どこかにそれっぽい、黒幕がいそうな空間は無いかな?
黒幕たる技巧神は、一度コンボの達人に敗れている。
だが多分これは、慈愛神がやったような、半身をそっちに分けておく的な行為の結果ではないか。
つまり、弱っていた技巧神なので負けた。
本物は案外、こっちにいるかもしれない。
第一、光輝神を装って信者たちの信仰を吸い上げていたわけである。
それならば他の神々以上の力を得ていてもおかしくはない。
真面目にやった結果、オクタゴンにイナズマレッグラリアートされてぶっ倒れた戦神が可哀想じゃん。
「ヘルプ機能。神様が隠れてたら見つけられる方法ある?」
『状況によります』
「じゃあこの状況」
『法皇を名乗る女を倒せば出てきます。依代を失うわけには行きませんので』
「なるほど! おーい、ガガン! アリスティア! ナルカ! そいつぶっ倒せ! カオルンは手を出したら法皇が粉々になるからな。俺と一緒に見てようなー」
「なーんでなのだー! カオルンはつまらないのだー!!」
怒ってジタバタするカオルンを後ろから抱きかかえて連れてきた。
「後で技巧神が出てくるから。そいつの攻略は、俺とカオルンじゃないとできないからな」
「そうなのだ? 戦える相手が出てくるならそれでいいのだ! カオルンは待つのだー」
物わかりがいい嫁で助かる。
アカネルみたいに恐ろしい暴走はしないしな……!
ほっそいカオルンを抱っこしつつ、腰掛けて待つのである。
いや、最近飯を食わせているからか、明らかに肉がついてきたな……。
「なあカオルン」
「なんなのだ?」
「昨夜ルミイと大変エッチなことをしまくったのだが、カオルンともしてもいいわけ?」
「お? 結婚したのだ。カオルンは構わないのだ!」
「構わないのはいいが、カオルンはそういうの興味あったりするわけ?」
「んー、よく分からないのだ。だけど、カオルンはマナビは好きだからいいのだー。むっ、マナビのしっぽが当たってるのだ!」
「大変申し訳無い」
賢者モードだと思ったのに、俺の精力は凄いな!!
実はこっち方面に才能があったらしい。
そんなイチャイチャトークをしていたら、怨嗟の声を吐き散らす法皇が鬼女みたいな姿になり、空中に浮かび上がりながら巨大な猿みたいな獣を呼び出す。
『技巧神の聖獣、ブラスモンキーです』
なんだそれは。
金色の体毛の超巨大猿だ。
これは、ガガンとナルカが激しく対抗している。
聖獣とやらとやりあえるのは立派だな。
聖獣は衝撃波みたいなのを纏って突進したり、体毛を毛の針にしてぶっ放したりしてくる。
これをガガンが腕で防御して、後ろからナルカが次々に得物を投擲するわけだ。
死の魔眼を使ったナルカの攻撃は、一撃必殺。
それが大量に襲ってくる。
聖獣はどうやらかなりしぶといらしく、命をたくさん持ってるらしい。
だが、ガンガンにその命を削り取られていく。
おお、ついに最後の命を刈り取られた。
白目を剥いてぶっ倒れる。
彼らの頭上で、なんか不思議なパワーで飛び上がったアリスティアと法皇が、神聖魔法と聖なる武具で戦っている。
超能力合戦みたいに見えるなあ。
よく見ると、法皇の神聖魔法は見えない手を使って相手の武器を奪おうとしたり、見えない拳を振り回したり。
アリスティアは強い光で相手の目を眩ませたり、光の防壁で攻撃を弾いたりする。
「知っている! 神の奇跡は知っているぞ! だからお前に勝ち目などない! 追い詰める! 追い詰めてやる!!」
法皇が叫んでいる。
若い聖女に才能とかでも全然負けちゃって、嫉妬の結果技巧神に魂を売り、技巧神は技巧神でシクスゼクスと裏で繋がってて……と言う感じである。
いやあ、救われない。
「くうっ……! あなたはそんな方では無かったはずです! 元の優しいあなたに戻って下さい!!」
「知ったような口を、小娘がああああああっ!!」
火に油を注いでしまった。
法皇の猛攻がアリスティアを襲う……! というところで、ガガンがジャンプして割り込み、攻撃を防いだ。
「オレの女はやらせねえ! やっちまえ、アリスティア!! とにかく一回ぶっ倒さないと、話は聞かせられないだろ!」
「はいっ! ガガン、あなたの力を貸して! わたくしは今、アクシスから新たな力を借り受けます……!」
アリスティアに集まる、神聖な力……。
『光輝の聖女に蛮神の奇跡が宿りました』
ヘルプ機能、とんでもない情報を教えてくれるな。
「バルガイヤーめ、間違いやがったな」
放たれたアリスティアの神聖魔法は、太陽の輝きを集めて作ったでっかい斧が振り下ろされるやつだった。
大変荒々しい。
「そ、そんな奇跡は知らない! 神殿の天蓋を砕き、触れるものを全て燃やし尽くしながら振り下ろされる斧なんて……そんな野蛮な……ウグワーッ!!」
おっと、法皇がまともに喰らって焼き尽くされたぞ。
死んだ。
で、魂をアリスティアがキャッチした。
聖女の前では、肉体が滅んでも解放されないんだなあ。
「おっ! 終わったのだ? じゃあカオルンたちの出番なのだー。行くのだマナビ!」
「ほいほい」
俺たちはノコノコと、戦いが終わった場所へと向かう。
そこでは今まさに、黒幕が顕現するところだった。
法皇であった燃え殻の上に、金色の輝きが宿る。
そして、燃え殻が舞い上がり、人の姿になった。
イメージ的には、孫悟空とかそんな感じの、武人風に擬人化された猿の怪物。
これが技巧神イサルデ、その真の姿というわけである。
『あーあ。終わっちまった。せっかく俺っちが策を練り、戦神のバカをだまくらかして、知識神を丸め込み、やってのけたアクシスの追放がよ。よく分からねえ奴らの侵入一つで崩れちまった! あーあ、やってらんねえなあ!』
イサルデが俺をギロリと睨む。
「この事態の主犯がお分かりでしたか」
『おめえしかいねえだろー。なんだ? 一体なんなんだ、お前はよ。アクシスとリサルナの半身を追い出して弱体化させ、数百年掛けた俺っちの計略がよう。お前の適当なちょっかいでよう。いい加減にしろよ、おめえ』
「俺の兄弟分の嫁を探すためだ。君はその犠牲になったのだ……なむなむ」
『おめえ!! 神を他の神の聖句で拝みやがったな!? 最大の侮辱だぜ!! ぶっ殺す』
やる気満々になったイサルデ。
カオルンはとても嬉しそうに俺の肩を叩いた。
「マナビやるものなのだ! 一瞬で相手がやる気になったのだ! やっぱり挑発させたらマナビは世界一なのだなー!」
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