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ワンザブロー帝国編
第29話 異世界温泉とは極楽か
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見渡す限りのお湯であった。
魔法都市は崩壊し、今、温泉都市として生まれ変わった!
溜め込まれた魔力はどんどん新しいお湯を召喚し、たっぷりとした温かいお湯が保たれている。
これが瓦礫の隙間からチョロチョロ流れ出していくが、補充されるお湯の量が半端ではないので問題ない。
「な、なんだこれはー!! ううっ、魔力が吸い上げられていく……!」
魔法使いたちが弱っていく。
あいつらが付けている、感情を魔力に転換する装置が暴走しているっぽいな。
魔法使いの感情も魔力も全部、お湯を生み出すためのエネルギーとして玉座が吸い上げているのだ。
実質無力化である。
それを自由民たちが囲んで棒で叩く。
「おいおい! お湯の中でやるな! お湯が汚れる! 瓦礫の上でやって外に放り出せ!!」
「はいっ!!」
俺が叫ぶと、自由民たちがみんな言うことを聞くではないか。
「俺に対して素直じゃない?」
「あの人たちからしたら、マナビさんって英雄ですから」
「そうなの!?」
ルミイに言われて驚愕する俺である。
なぜに!
「奴隷だったみんなを解放し、絶対に逆らえないはずだった魔法使いたちをけちょんけちょんにやっつけたじゃないですか」
「そう言えばそんなことをした気がする……。俺は衝動だけで動いているからな。今回はカッとなった後、ルミイが温泉に入って喜ぶ姿だけを想像して頑張った」
「えっ!! わたしのためだったんですか!?」
今度はルミイが驚愕した。
「君のためだったのです!!」
「うれしいー!」
「ウグワー! 突然の熱烈なハグ! 俺でなければ昇天してたね」
頑張った甲斐があったというものだ。
瓦礫の上でボコボコにされている魔法使いを眺めながら、服を脱ぎ捨てるのだ。
おお、隣でルミイもローブをぽいぽいっと脱いでいる。
いやあ……本当にこう……。
世界の至宝だなあ……。
ぼんっと出るところは出て、きゅっと引っ込むところは引っ込んで、その後ぼんっと素晴らしい曲線が……。
差し込んできた日差しの中、ルミイの白い肌が輝いて見えるぞ。
北国生まれだから白いのだ。
現実世界の白い人って、割りと白というか赤いんで赤人なんだが、ルミイはほんとに白い。
これがエルフのパワーか。
すごい。
「うおわー! どこまでもお風呂ですよー! 気持ちいいー!!」
ざぶざぶとお湯の中を突っ込んでいき、大の字になってお湯にプカアッと浮かぶルミイ。
うわーっ!
お湯から二つの山が!!
俺がナムナムとこれを拝んでいると、瓦礫の向こうから「ヒャッハー!!」という叫び声が聞こえた。
いけね、愚連隊を忘れてた。
対抗していた魔法使いが全滅したので、奴らがフリーになったんだろう。
押し寄せてくるのが分かる。
そして。
「ウグワーッ!!」
悲鳴が聞こえた。
「どうしたんだ?」
瓦礫の上にいる自由民に聞くと、彼は「お湯でスリップして転んだみたいです」
そうか。
温泉のお湯が大量に外に流れていっているもんな。
魔導カーが想定してない地形効果を生んでいる可能性がある。
しばらく、外で愚連隊がわあわあ言っていた気がする。
そしてようやく状況を理解したらしい。
魔導カーを降りて、愚連隊が瓦礫を登ってきた。
彼らは都市を埋め尽くすお湯を見て、絶句した。
「な……なんだこりゃあ……!! グユーンはこんなもんを作ってやがったのか……!!」
作ってないと思うぞ。
まあ、愚連隊は無視だ。
俺はルミイとお風呂を楽しむとしよう。
いやあ、無防備なエルフっ娘たまりませんなあ……。
「マナビ様! ルミイ様ー!」
「おおっ、モジャリ! お前も裸でザブザブやって来たな。激しく動くな。嬉しくないものが揺れている」
「わっはっは、これは手厳しい。しかしマナビ様のお陰で、我々は解放されただけではなく、こうして風呂なるものを楽しむことができております! 温かい湯に全身を浸す行為。なんと贅沢で心地よいのか……!!」
「そうだろうそうだろう」
自由民の女性陣も、お風呂を堪能しているようである。
これまでの物理的、精神的な汚れや垢を全部落としてしまうがいい。
おっ、生まれたままの姿の女子たちが手を振ってくれている。
俺もにこやかに手を振り返す。
ルミイも手を振っているな。
うーん!
俺はまだ、ルミイに男として意識されてはいないのではないか……!?
そうこうしていると、また瓦礫の辺りがうるさくなってきている。
愚連隊が服を脱ぎだして、自由民に風呂の作法みたいなのを教えているようだ。
なんだなんだ、愚連隊も風呂を前にすると優しくなってしまうのか……?
風呂は皆の心を素っ裸にしてしまうんだな。
こうして温泉都市で、みんなが裸になってまったり温まったのである。
「わー、さすがにふやけてきた」
ルミイがざぶざぶとお湯から上がっていく。
のぼせた愚連隊を自由民が瓦礫の上に引き上げて、パタパタ仰いだりしているではないか。
この世界に来てから一番平和な光景かもしれない。
時刻はそろそろ夕暮れ。
グユーンの塔からは、未だに温泉が吹き出している。
これ、空に向かってお湯が吹き上がってもいるので、常に虹が掛かっているように見えるのだ。
幻想的な光景だ。
そして殺風景なワンザブロー帝国で、この光景はさぞや目立つことだろう。
目立つということは……。
遠からず、スローゲインもこれを見つけてやって来るんじゃないだろうか。
その頃合いで、あいつを誘導しながら帝都に突撃するのがいいだろう。
「ヘルプ機能、スローゲインは何をしてる? いつ頃会えそうかね」
『国境線でキャンプしています。明朝、温泉都市に近づき、スローゲインと遭遇します』
「そういう予定までヘルプ機能には收められているのか」
『チュートリアル機能との合せ技です。さらに、コトマエ・マナビに合わせて当機能は最適化されていっています』
そんなのがあるのか!
ますます便利になってしまうな、ヘルプ機能。
だが、ピンポイントで必要なキーワードを言わないと活用できないのは変わらない。
温泉でゆるくなった今の頭では、この機能を活かしきれないなあと思う俺なのだった。
魔法都市は崩壊し、今、温泉都市として生まれ変わった!
溜め込まれた魔力はどんどん新しいお湯を召喚し、たっぷりとした温かいお湯が保たれている。
これが瓦礫の隙間からチョロチョロ流れ出していくが、補充されるお湯の量が半端ではないので問題ない。
「な、なんだこれはー!! ううっ、魔力が吸い上げられていく……!」
魔法使いたちが弱っていく。
あいつらが付けている、感情を魔力に転換する装置が暴走しているっぽいな。
魔法使いの感情も魔力も全部、お湯を生み出すためのエネルギーとして玉座が吸い上げているのだ。
実質無力化である。
それを自由民たちが囲んで棒で叩く。
「おいおい! お湯の中でやるな! お湯が汚れる! 瓦礫の上でやって外に放り出せ!!」
「はいっ!!」
俺が叫ぶと、自由民たちがみんな言うことを聞くではないか。
「俺に対して素直じゃない?」
「あの人たちからしたら、マナビさんって英雄ですから」
「そうなの!?」
ルミイに言われて驚愕する俺である。
なぜに!
「奴隷だったみんなを解放し、絶対に逆らえないはずだった魔法使いたちをけちょんけちょんにやっつけたじゃないですか」
「そう言えばそんなことをした気がする……。俺は衝動だけで動いているからな。今回はカッとなった後、ルミイが温泉に入って喜ぶ姿だけを想像して頑張った」
「えっ!! わたしのためだったんですか!?」
今度はルミイが驚愕した。
「君のためだったのです!!」
「うれしいー!」
「ウグワー! 突然の熱烈なハグ! 俺でなければ昇天してたね」
頑張った甲斐があったというものだ。
瓦礫の上でボコボコにされている魔法使いを眺めながら、服を脱ぎ捨てるのだ。
おお、隣でルミイもローブをぽいぽいっと脱いでいる。
いやあ……本当にこう……。
世界の至宝だなあ……。
ぼんっと出るところは出て、きゅっと引っ込むところは引っ込んで、その後ぼんっと素晴らしい曲線が……。
差し込んできた日差しの中、ルミイの白い肌が輝いて見えるぞ。
北国生まれだから白いのだ。
現実世界の白い人って、割りと白というか赤いんで赤人なんだが、ルミイはほんとに白い。
これがエルフのパワーか。
すごい。
「うおわー! どこまでもお風呂ですよー! 気持ちいいー!!」
ざぶざぶとお湯の中を突っ込んでいき、大の字になってお湯にプカアッと浮かぶルミイ。
うわーっ!
お湯から二つの山が!!
俺がナムナムとこれを拝んでいると、瓦礫の向こうから「ヒャッハー!!」という叫び声が聞こえた。
いけね、愚連隊を忘れてた。
対抗していた魔法使いが全滅したので、奴らがフリーになったんだろう。
押し寄せてくるのが分かる。
そして。
「ウグワーッ!!」
悲鳴が聞こえた。
「どうしたんだ?」
瓦礫の上にいる自由民に聞くと、彼は「お湯でスリップして転んだみたいです」
そうか。
温泉のお湯が大量に外に流れていっているもんな。
魔導カーが想定してない地形効果を生んでいる可能性がある。
しばらく、外で愚連隊がわあわあ言っていた気がする。
そしてようやく状況を理解したらしい。
魔導カーを降りて、愚連隊が瓦礫を登ってきた。
彼らは都市を埋め尽くすお湯を見て、絶句した。
「な……なんだこりゃあ……!! グユーンはこんなもんを作ってやがったのか……!!」
作ってないと思うぞ。
まあ、愚連隊は無視だ。
俺はルミイとお風呂を楽しむとしよう。
いやあ、無防備なエルフっ娘たまりませんなあ……。
「マナビ様! ルミイ様ー!」
「おおっ、モジャリ! お前も裸でザブザブやって来たな。激しく動くな。嬉しくないものが揺れている」
「わっはっは、これは手厳しい。しかしマナビ様のお陰で、我々は解放されただけではなく、こうして風呂なるものを楽しむことができております! 温かい湯に全身を浸す行為。なんと贅沢で心地よいのか……!!」
「そうだろうそうだろう」
自由民の女性陣も、お風呂を堪能しているようである。
これまでの物理的、精神的な汚れや垢を全部落としてしまうがいい。
おっ、生まれたままの姿の女子たちが手を振ってくれている。
俺もにこやかに手を振り返す。
ルミイも手を振っているな。
うーん!
俺はまだ、ルミイに男として意識されてはいないのではないか……!?
そうこうしていると、また瓦礫の辺りがうるさくなってきている。
愚連隊が服を脱ぎだして、自由民に風呂の作法みたいなのを教えているようだ。
なんだなんだ、愚連隊も風呂を前にすると優しくなってしまうのか……?
風呂は皆の心を素っ裸にしてしまうんだな。
こうして温泉都市で、みんなが裸になってまったり温まったのである。
「わー、さすがにふやけてきた」
ルミイがざぶざぶとお湯から上がっていく。
のぼせた愚連隊を自由民が瓦礫の上に引き上げて、パタパタ仰いだりしているではないか。
この世界に来てから一番平和な光景かもしれない。
時刻はそろそろ夕暮れ。
グユーンの塔からは、未だに温泉が吹き出している。
これ、空に向かってお湯が吹き上がってもいるので、常に虹が掛かっているように見えるのだ。
幻想的な光景だ。
そして殺風景なワンザブロー帝国で、この光景はさぞや目立つことだろう。
目立つということは……。
遠からず、スローゲインもこれを見つけてやって来るんじゃないだろうか。
その頃合いで、あいつを誘導しながら帝都に突撃するのがいいだろう。
「ヘルプ機能、スローゲインは何をしてる? いつ頃会えそうかね」
『国境線でキャンプしています。明朝、温泉都市に近づき、スローゲインと遭遇します』
「そういう予定までヘルプ機能には收められているのか」
『チュートリアル機能との合せ技です。さらに、コトマエ・マナビに合わせて当機能は最適化されていっています』
そんなのがあるのか!
ますます便利になってしまうな、ヘルプ機能。
だが、ピンポイントで必要なキーワードを言わないと活用できないのは変わらない。
温泉でゆるくなった今の頭では、この機能を活かしきれないなあと思う俺なのだった。
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