モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

文字の大きさ
137 / 173
第四部:オケアノス海の冒険 2

第128話 モフき者、汝はフェニックス その5

しおりを挟む
『ちゅっちゅっ』

『チュンチュン』

 俺のリュックの上で、ローズとフランメが何か話し合っている。
 そこにドレとブランが加わり、ちゅうちゅう、チュンチュン、にゃんにゃんわふわふとモフモフ達がにぎやかになってきた。

「何の話をしているんだい?」

『火竜を連れて行くのは辞めたほうがいいということチュン』

 フランメが説明してくれた。
 既にアータルに勝つことは大前提になってるんだな。

『先代の火竜はおっそろしいやつだったチュン。火竜はみんな気性が荒いチュン。そしてモフモフしてないから我と違って言うことを聞かないチュン』

「なるほど、それは問題だ。では火竜を育てるのは島のみんなにお願いして」

『それがいいチュン。火の精霊がたくさんいる島のほうが火竜もすくすく育つチュン』

 そういうことになった。
 炎の巫女エレーナにもその内容を提案すると、快く受け入れてくれた。

「つまり島全体で飼うペットみたいなもんでしょ? いいわよ」

 火竜をペットとか。
 でも、地竜のディーンはああいう可愛い感じだったし、間違ってないかも知れない。

「それにしても、水の精霊王が協力してくれるなんてねえ。随分大きな話になったわ……!」

 エレーナが天を仰ぐ。
 船は再び島へと戻ってきた。

「どちらにせよ、うちの島を助けてくれるために色々やってくれてありがとう!」

「どういたしまして」

「無償ではないがな」

 スッと割って入ってくるアルディだ。
 後ろには、俺達が乗ってきた船の船長がいる。

「な、何を要求するつもり? もしかしてあたしの体……」

 ハッとするエレーナ。

「違う違う」

 アルディが真顔で否定した。

「俺は辺境伯を退職したし、政治に関わる必要は無いんだがな。ここをセントロー王国の飛び地にすることができれば、オケアノス海の航行は楽になると思ってな。炎の巫女よ、セントロー王国に加われ」

「なるほど、そういう……」

 エレーナは考え込んだ。

「でも、島はアータル様の力で、マントールの上を移動するわよ」

「アータルは俺達が鎮めるだろうが。そうすれば移動しないんじゃないのか」

「あ、そうかも。そうなると、島の位置は固定されるわね……」

 ここで、船長が話を変わった。

「はじめまして。わしはセントロー王国の海軍総督を務めるシーザスだ。詳しい話をあちらで詰めよう。今後、王国の船団が駐留することになるだろうし、港も必要だ。人が暮らす街も増やさねばならんからな」

「へえ! 島が賑やかになるのねえ。神秘的な雰囲気はなくなっちゃうけど……神秘でパンは買えないしね。新しい血も入ってくるし、あたしはそれを大歓迎するわよ。……あたしが巫女を引退する口実になるかもだし」

 この巫女は何かを考えているな。

「すぐという訳には行かん。何年もかかる計画になるとは思うがな」

「ああ、それじゃああたしの代じゃ間に合わないかも知れないわねえ。美味しいとこ持っていけるのは次の娘かあ」

 エレーナがケラケラ笑った。
 そして、島の代表たる巫女と、海軍総督は今後の話し合いに行ってしまった。

「どういうことです?」

 クルミがきょとんとしている。
 いろいろな事がいっぺんに起こったものな。

 よし、ここは俺がまとめてみよう。

「いいかいクルミ。まずはね、俺達がアータルを倒すことになった」

「はいです!」

「次に、アータルを倒すためには、あいつの核になっている火竜の卵を取り出す必要がある。そして、アータルの卵を奪う手段として、フェニックスのフランメがいるからよりやりやすくなった」

「なるほどです!」

「アータルと戦う時に、水の精霊王オケアノスが協力してくれることになった。それから、勝った後に手に入れる火竜の卵は、島で面倒を見てくれることになった」

「たまごは食べられないですかー」

 クルミが残念そうな顔をしたので、これを聞いていたアリサとアルディが思わず吹き出した。

「火竜を食べちゃだめですわ!」

「だなあ。精霊王とセットになってるやつなんだろ? 何が起こるか分からないな。しかし、火竜の卵焼きなんか作ったら、あれだな。世界一貴重な卵焼きだな!」

「食べたいですー!」

 クルミが目をキラキラさせたので、俺も耐えきれず笑ってしまった。
 そうか、卵=食べる、と認識してたか。

「クルミはあとで、別の卵を一緒に食べようね」

「はいです! センセエと一緒にたまご食べるですー!」

「それでまあ、俺達は島を助けるけど、別にお礼はいらないわけだ。むしろフランメをテイムしたから、十分すぎるくらいの報酬を得たわけだけど。ただ、セントロー王国の船が停泊して手を貸すから、こちらはただという訳にはいかない。アータルが倒されると島は海を放浪できなくなるから、ここを王国の一部にしたいという話があったんだ」

「ほえー、なんでですか?」

「ずーっと海の上だと疲れちゃうだろ。たまには陸に上がりたくならない?」

「なるです! ずっとずっとゆらゆら揺れてると、クルミは頭のなかがへんになってきちゃうですよ」

「そうそう。みんなそんなもんなんだよ。ということで、途中でお休みできる場所として島を仲間に入れる。そういう話をしてたわけだ」

「なるほどですー」

 よし、まとまった。
 クルミに説明しながら、俺の中でも状況を把握する助けになったと思う。

 後は、島と王国の問題だ。

 向こうで地面に座り、話し合いをしている巫女と総督だが、そこに赤毛の少女がお茶を運んで行っている。
 彼女が次の世代の巫女だろうか。
 彼女達はどれくらいで代替わりするんだろうな。

 エレーナも若そうに見えるが、実際は見た目以上の年齢だったり……。
 いやいや、年齢の詮索はやめておこう。

 今は、これから始まるアータル戦の準備をせねばなのだ。 

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します

すもも太郎
ファンタジー
 伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。  その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。  出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。  そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。  大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。  今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。  ※ハッピーエンドです

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

処理中です...