136 / 173
第四部:オケアノス海の冒険 2
第127話 モフき者、汝はフェニックス その4
しおりを挟む
案の定というかなんというか。
『ウグワーッ!』
「はあー、こ、この触り心地、たまりませんわあー!」
フェニックスのフランメはモフられていた。
省エネモードとかいう、雀の姿になった状態である。
モフモフをこよなく愛するアリサからは逃れられない。
ふにふにモフモフとされて、フランメが呻いている。
『なんだご主人、また増えたにゃ? でかくなったり小さくなったりするやつにゃ?』
新入りの顔を見ようとやって来たドレ。
しげしげとフランメを見る。
『美味そうだにゃ』
『なんだチュン! やる気チュン!』
フランメが起き上がり、ファイティングポーズを取った。
視線が交錯し、文字通り火花が散るフェニックスとクァール。
「君達が喧嘩するととんでもない規模の災害が起こりそうだからやめてくれ」
『お前がそう言うなら退いてやるチュン』
『命拾いしたにゃ雀』
『雀じゃないチュン! 猫め!』
『ただの猫ではないにゃ!』
うーむ、仲が悪いのか?
言い争う割には、険悪な雰囲気ではないな。
これも彼らなりのコミュニケーションなのだろう。
「やるなリーダー。モフモフテイマーの名は伊達じゃねえな。この雀、俺から見ても相当やるぞ。生半可なモンスターじゃ相手にならないだろうな」
アルディがフランメを見て、感心している。
彼の見立てからすると、このフランメ一人で先刻のサラマンダーの大群を倒せるだろうという話だった。
だろうなあ。
フェニックスの機動力と、そしてあの突撃。
炎のブレスも脅威だ。
ローズがいなければ、テイムはできなかっただろう。
だが、最近の俺は割り切ったので、テイムしたモンスター達もまた俺の実力だと思うようにしている。
これについては、アルディも同意見のようだった。
「リーダーがテイムしたモンスター、そりゃあリーダーにしかできねえことだからな。こいつらがやったことは、あんたの実力と言って間違いないと思うぜ。それにあの白い犬。常に力をセーブしながら戦ってるだろう。あれを御して、パワーを発揮させきるのは骨だぜ」
「やっぱりか。ブランはもっといろいろな事ができると思うんだが、マーナガルムは強力すぎて難しくてね……。ああ、ちなみにドレもローズも強さが未知数なので、力を発揮させきれて無いと思う」
「だな。それにフェニックスも加わって、あんたの戦力は恐らく……一人でセントロー王国は軽々と倒せるな。さすがの俺も、リーダーが連れてるモンスターは一匹ずつしか相手にできない。それだけとんでもない奴らを従えてるんだよ」
「それほどかあ」
横目で、クルミにブラッシングされて目を細めているブランを見る。
彼らはなんだかんだで人間ができているのが救いだな。
「な、なんとまあ。フェニックスまで手懐けたの!?」
炎の巫女エレーナは、アリサの手の中でムニムニされるフランメを見て目を丸くした。
巫女ともなると、一目でフェニックスだって分かるんだな。
「エレーナ、これで俺達は空を飛ぶ手段を手に入れた。いよいよ、アータル撃破作戦が実行可能になってくるぞ」
「そうねえ。アータル様の中にある、恐らくは火竜の卵を取り出す。空から行ければかなり楽になるわよね」
「リーダー、接近はできるだろうが、どうやって触れる? あれは炎の塊みたいなものだろう」
「そりゃあ、手を貸してくれそうな精霊王の手を借りるのさ」
俺の話を聞いて、エレーナとアルディがきょとんとするのだった。
かくして、船まで一端戻った俺。
沖合まで出してもらい、舳先から声を張り上げる。
「聞こえているか、オケアノス。水の精霊王! アータルを鎮める方法が大体分かった!」
反応が無いものと思ったが、アータルを鎮めると発した途端に向こうからのアプローチがあった。
水面がもこりと浮かび上がり、そこから何者かが顔を出したのだ。
『それは真か』
水の塊みたいなものだが、これが水面を震わせて声を出している。
「もちろん。アータルが暴れだした理由は、火竜の卵だ。それが彼の中に出現している。卵がアータルの核になっているから、これを取り出せば鎮まるだろう」
『確かに、あやつは核を中心として現れる精霊王。此度の巫女では力が足りず、核たり得ぬ故、異なる核があるかと考えてはおったが、まさか火竜の卵』
表情がない水の塊が、とても嫌そうな顔をしたのが分かった。
「火竜って、そんなにいやなものなのか」
『先代はワイルドファイアと言った。あれは世界を隔てる壁すら砕く、精霊王すらも手が届かぬ真正の怪物よ。火竜かあ』
水の塊がため息をついた。
「ビブリオス男爵領では、地竜の子供が人間みたいに育っていたから、親になった人次第じゃないか?」
『なんと。ではうぬがやれ』
「また無茶振りしてきたぞこの精霊王は。短絡的過ぎませんかね」
『うるさいうるさい。任せた。わしは人間と雑談するつもりなどなかったのに、すっかり釣られてしまったわい』
ぶつぶつ言いながら、水の塊はその形を崩し、海面に戻っていった。
ちなみに、これを船に乗って眺めていたのが、アリサとエレーナである。
二人とも唖然としている。
「オースさん、何で精霊王と当たり前みたいに会話してるんですか」
「へ?」
「あれね。彼が真竜に近い力を持つ魔獣を何匹も従えてるだろ? あ、真竜っていうのは属性竜のことね。だから、魔獣の主である彼のことを精霊王クラスだって判断したんじゃない?」
「ありえますわね。なるほど、お師様がわたくしを監視につけるわけですわ……」
「何の話をしているんだねキミたち」
俺が聞いても、二人はヒソヒソ話をするばかりである。
そこでクルミが俺に抱きついてきた。
「センセエがすごいっていうお話ですね!」
おお、とてもわかり易くなった。
だけど、モフモフモンスター達の力を借りてる俺が凄いというのはまだ違和感があったりするのだよな。
『ウグワーッ!』
「はあー、こ、この触り心地、たまりませんわあー!」
フェニックスのフランメはモフられていた。
省エネモードとかいう、雀の姿になった状態である。
モフモフをこよなく愛するアリサからは逃れられない。
ふにふにモフモフとされて、フランメが呻いている。
『なんだご主人、また増えたにゃ? でかくなったり小さくなったりするやつにゃ?』
新入りの顔を見ようとやって来たドレ。
しげしげとフランメを見る。
『美味そうだにゃ』
『なんだチュン! やる気チュン!』
フランメが起き上がり、ファイティングポーズを取った。
視線が交錯し、文字通り火花が散るフェニックスとクァール。
「君達が喧嘩するととんでもない規模の災害が起こりそうだからやめてくれ」
『お前がそう言うなら退いてやるチュン』
『命拾いしたにゃ雀』
『雀じゃないチュン! 猫め!』
『ただの猫ではないにゃ!』
うーむ、仲が悪いのか?
言い争う割には、険悪な雰囲気ではないな。
これも彼らなりのコミュニケーションなのだろう。
「やるなリーダー。モフモフテイマーの名は伊達じゃねえな。この雀、俺から見ても相当やるぞ。生半可なモンスターじゃ相手にならないだろうな」
アルディがフランメを見て、感心している。
彼の見立てからすると、このフランメ一人で先刻のサラマンダーの大群を倒せるだろうという話だった。
だろうなあ。
フェニックスの機動力と、そしてあの突撃。
炎のブレスも脅威だ。
ローズがいなければ、テイムはできなかっただろう。
だが、最近の俺は割り切ったので、テイムしたモンスター達もまた俺の実力だと思うようにしている。
これについては、アルディも同意見のようだった。
「リーダーがテイムしたモンスター、そりゃあリーダーにしかできねえことだからな。こいつらがやったことは、あんたの実力と言って間違いないと思うぜ。それにあの白い犬。常に力をセーブしながら戦ってるだろう。あれを御して、パワーを発揮させきるのは骨だぜ」
「やっぱりか。ブランはもっといろいろな事ができると思うんだが、マーナガルムは強力すぎて難しくてね……。ああ、ちなみにドレもローズも強さが未知数なので、力を発揮させきれて無いと思う」
「だな。それにフェニックスも加わって、あんたの戦力は恐らく……一人でセントロー王国は軽々と倒せるな。さすがの俺も、リーダーが連れてるモンスターは一匹ずつしか相手にできない。それだけとんでもない奴らを従えてるんだよ」
「それほどかあ」
横目で、クルミにブラッシングされて目を細めているブランを見る。
彼らはなんだかんだで人間ができているのが救いだな。
「な、なんとまあ。フェニックスまで手懐けたの!?」
炎の巫女エレーナは、アリサの手の中でムニムニされるフランメを見て目を丸くした。
巫女ともなると、一目でフェニックスだって分かるんだな。
「エレーナ、これで俺達は空を飛ぶ手段を手に入れた。いよいよ、アータル撃破作戦が実行可能になってくるぞ」
「そうねえ。アータル様の中にある、恐らくは火竜の卵を取り出す。空から行ければかなり楽になるわよね」
「リーダー、接近はできるだろうが、どうやって触れる? あれは炎の塊みたいなものだろう」
「そりゃあ、手を貸してくれそうな精霊王の手を借りるのさ」
俺の話を聞いて、エレーナとアルディがきょとんとするのだった。
かくして、船まで一端戻った俺。
沖合まで出してもらい、舳先から声を張り上げる。
「聞こえているか、オケアノス。水の精霊王! アータルを鎮める方法が大体分かった!」
反応が無いものと思ったが、アータルを鎮めると発した途端に向こうからのアプローチがあった。
水面がもこりと浮かび上がり、そこから何者かが顔を出したのだ。
『それは真か』
水の塊みたいなものだが、これが水面を震わせて声を出している。
「もちろん。アータルが暴れだした理由は、火竜の卵だ。それが彼の中に出現している。卵がアータルの核になっているから、これを取り出せば鎮まるだろう」
『確かに、あやつは核を中心として現れる精霊王。此度の巫女では力が足りず、核たり得ぬ故、異なる核があるかと考えてはおったが、まさか火竜の卵』
表情がない水の塊が、とても嫌そうな顔をしたのが分かった。
「火竜って、そんなにいやなものなのか」
『先代はワイルドファイアと言った。あれは世界を隔てる壁すら砕く、精霊王すらも手が届かぬ真正の怪物よ。火竜かあ』
水の塊がため息をついた。
「ビブリオス男爵領では、地竜の子供が人間みたいに育っていたから、親になった人次第じゃないか?」
『なんと。ではうぬがやれ』
「また無茶振りしてきたぞこの精霊王は。短絡的過ぎませんかね」
『うるさいうるさい。任せた。わしは人間と雑談するつもりなどなかったのに、すっかり釣られてしまったわい』
ぶつぶつ言いながら、水の塊はその形を崩し、海面に戻っていった。
ちなみに、これを船に乗って眺めていたのが、アリサとエレーナである。
二人とも唖然としている。
「オースさん、何で精霊王と当たり前みたいに会話してるんですか」
「へ?」
「あれね。彼が真竜に近い力を持つ魔獣を何匹も従えてるだろ? あ、真竜っていうのは属性竜のことね。だから、魔獣の主である彼のことを精霊王クラスだって判断したんじゃない?」
「ありえますわね。なるほど、お師様がわたくしを監視につけるわけですわ……」
「何の話をしているんだねキミたち」
俺が聞いても、二人はヒソヒソ話をするばかりである。
そこでクルミが俺に抱きついてきた。
「センセエがすごいっていうお話ですね!」
おお、とてもわかり易くなった。
だけど、モフモフモンスター達の力を借りてる俺が凄いというのはまだ違和感があったりするのだよな。
11
お気に入りに追加
3,102
あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる