46 / 107
第46話 キングバイ王国での休憩
しおりを挟む
二時間ほど待つと、渦潮は消えた。
イングリドと並んでオルカを走らせる。
すると、向こうからレッドオルカ号がやって来た。
渦潮が消えたことで、前に進めるようになったのだ。
「やあ諸君! これでキングバイ王国の航行を邪魔していた魔法の渦潮は消えた! これにて一件落着というわけだ」
「さすがはオーギュスト師……!! 見事にあの魔族を倒してしまいましたか!」
船の上や、それと並走するオルカの上で、騎士団がどよめく。
「マジかよ……」
「すぐにオルカを乗りこなしただけじゃなく、一瞬で魔族を!?」
魔族を論破してきたぞ。
「何者だ、あの道化師!?」
「見ろよ、涼しい顔してるぜ……」
たっぷり休憩してきたからな。
周囲から降り注ぐ、驚嘆と尊敬の眼差しと声が実に心地良い。
ああ、あのハッタリ劇を彼らに見せられなかったことが、本当に惜しい……。
観客さえいてくれれば、俺はネレウスを一騎打ちで打ち倒すことだってしてみせるだろう。
「私はこう、何もしなかったが、その割に達成感があるな。なー」
イングリドの呼びかけに、オルカがキュイっと答えた。
船から、青い顔をしたギスカが顔を出す。
「ずっと帰ってこないから、死んだと思ってたよぉ……うう、気持ち悪い」
ギスカは船酔いか。
これは、このままUターンしてミーゾイに戻らない方がいいかもしれない。
まっすぐキングバイ王国へ向かおう。
ブリガンティン式の帆船が、風を受けて走る。
オルカたちは楽しげに、その横を泳いでいく。
「イングリド、ふやけちゃうからもうオルカから降りなさい」
「えーっ! 私はオルカに乗りたい! こんな可愛いもの他にいないぞ!」
「ダメです。オルカもずっと人を乗せていると疲れてしまうんだ。降りるんだ」
「そ、そうなのか……!」
オルカが疲れる話をしたら、しょんぼりした。
人が困ったりするのは嫌いなのだよな、彼女は。
オルカがイングリドを鼻先で押し上げて、彼女は船の中へ。
「ちょっと着替えてくる。鎧を貸してくれてありがとう!」
イングリドに礼を言われて、オルカ騎士団の男たちは少しデレッとする。
これは何というのだろう……。
敬意の混じったデレである。
オルカと出会ってすぐ、自分たちと同じレベルで乗りこなせるようになった天才。
そして水に濡れた彼女の美貌。
魔族討伐に向かい、無事に戻ってきたというその実力。
もしかすると、彼らからは、イングリドが戦いの女神のように見えているのかもしれないな。
「オーギュスト師。国王陛下があなたに会いたがるでしょう。私は、あなたを本国へ迎えられることを光栄に思います」
キルステンがやたらと持ち上げてくる。
「ありがとう。だが、一つだけ俺の成果について訂正をさせてもらおう。魔族は倒していない。ネレウスは撤退した。また戻って来るかもしれない」
「なん……ですって……!?」
「ただ、渦潮の半径についてはこちらで計算をしたよ。それだけの飛距離がある武器……そうだな。船にバリスタでも搭載すれば、圏外から一方的に攻撃できるだろうね」
「なるほど! 二度目はない。そういうことですね。それならば、我々でも戦える」
キルステンが頷き、オルカ騎士団の面々も同意した。
キングバイ王国の兵器は、どれも船に載せることを前提に作られているという。
国が攻められた際、船で迎撃に打って出て、圧倒的な火力でねじ伏せるのだそうだ。
マールイ王国からしてみれば、海から攻城兵器が山ほどやってくるのは悪夢以外の何物でもないな。
さて、ガルフス大臣はどう対処するのかな。お手並みを拝見だ。
「何をニヤニヤしているんだオーギュスト」
着替え終わったイングリドがいて、俺の顔を覗き込んでいる。
「ちょっとな。やはり君はその姿の方が落ち着くな。初めて会った時も、その鎧下と魔剣に魔槍の出で立ちだった」
「ああ。動きやすいからな! オルカ騎士団から借りた鎧は、軽いのはいいが胸と尻がきつくてな……」
女性としては、かなりの身の丈があるイングリド。
男性の鎧も着られたが、体型の違いからくる装着感のアンマッチはいかんともし難いだろう。
やがてキングバイ王国が見えてきた。
大きな島が丸ごとひとつ、かの王国なのである。
産業は海運。
そして牧畜。
この島はバイカウン島と言い、もとは海に出現した火山だった。
そこから流れ出したマグマが広がり、塊り、巨大な島になった。
今は、緑に覆われた肥沃な大地が広がっている。
キングバイ王国が育てるのは、羊だ。
海運と牧畜の二本柱を得て、この国は海賊行為をする必要がなくなったのである。
海賊は、敵を作るばかりだからな。
無論、この国に対して過去のわだかまりを持っている国々は多い。
だが、海運によってキングバイ王国から受ける恩恵が大きいゆえ、表立ってこの国に戦争を仕掛けようなどとは考えないのである。
どこかのバカ王国を除いて、だが。
王国の港湾部には、多くの兵士たちと民衆が詰めかけていた。
「船だ! 船が戻ってきた!」
「オルカ騎士団が渦潮を消したんだ!」
「オルカ騎士団バンザイ!」
大変な賑わいである。
渦潮はまさに、キングバイ王国の生命線を握るクリティカルな戦術だった。
あれが続いていれば、王国は干上がっていただろう。
そういう意味では、マールイ王国がネレウスを雇ったのは正解だったと言える。
問題は、恐らく今のマールイ王国に、ネレウスを御するだけの力がないことであろう。
「キルステン!!」
桟橋に立って、大声を上げる男がいた。
なかなかの巨漢であり、立派なあごひげを生やしている。
「殿下! ただいま戻りました! そして、我が王国を救って下さった立役者をお連れしています!」
「なんだと!」
この巨漢を俺はよく知っている。
なんなら、彼がキルステンと同じ、子どもだった時分からだ。
「お久しぶりです、エミル殿下」
「お、お前は……オーギュスト! あの道化師か!!」
エミル王子が驚きに目を見開き、すぐに相好を崩した。
「なるほど、お前がやってくれたのか。ならば、何もかも得心がいく! さあ、上陸してくれ! 父上にもお前を会わせねばならん! 今日は宴だぞ!」
なんだかよく分からないなりに、宴という言葉に反応した民衆。
わーっと盛り上がるのだった。
背後でイングリドが、しみじみと呟く。
「君は本当に顔が広いなあ……」
イングリドと並んでオルカを走らせる。
すると、向こうからレッドオルカ号がやって来た。
渦潮が消えたことで、前に進めるようになったのだ。
「やあ諸君! これでキングバイ王国の航行を邪魔していた魔法の渦潮は消えた! これにて一件落着というわけだ」
「さすがはオーギュスト師……!! 見事にあの魔族を倒してしまいましたか!」
船の上や、それと並走するオルカの上で、騎士団がどよめく。
「マジかよ……」
「すぐにオルカを乗りこなしただけじゃなく、一瞬で魔族を!?」
魔族を論破してきたぞ。
「何者だ、あの道化師!?」
「見ろよ、涼しい顔してるぜ……」
たっぷり休憩してきたからな。
周囲から降り注ぐ、驚嘆と尊敬の眼差しと声が実に心地良い。
ああ、あのハッタリ劇を彼らに見せられなかったことが、本当に惜しい……。
観客さえいてくれれば、俺はネレウスを一騎打ちで打ち倒すことだってしてみせるだろう。
「私はこう、何もしなかったが、その割に達成感があるな。なー」
イングリドの呼びかけに、オルカがキュイっと答えた。
船から、青い顔をしたギスカが顔を出す。
「ずっと帰ってこないから、死んだと思ってたよぉ……うう、気持ち悪い」
ギスカは船酔いか。
これは、このままUターンしてミーゾイに戻らない方がいいかもしれない。
まっすぐキングバイ王国へ向かおう。
ブリガンティン式の帆船が、風を受けて走る。
オルカたちは楽しげに、その横を泳いでいく。
「イングリド、ふやけちゃうからもうオルカから降りなさい」
「えーっ! 私はオルカに乗りたい! こんな可愛いもの他にいないぞ!」
「ダメです。オルカもずっと人を乗せていると疲れてしまうんだ。降りるんだ」
「そ、そうなのか……!」
オルカが疲れる話をしたら、しょんぼりした。
人が困ったりするのは嫌いなのだよな、彼女は。
オルカがイングリドを鼻先で押し上げて、彼女は船の中へ。
「ちょっと着替えてくる。鎧を貸してくれてありがとう!」
イングリドに礼を言われて、オルカ騎士団の男たちは少しデレッとする。
これは何というのだろう……。
敬意の混じったデレである。
オルカと出会ってすぐ、自分たちと同じレベルで乗りこなせるようになった天才。
そして水に濡れた彼女の美貌。
魔族討伐に向かい、無事に戻ってきたというその実力。
もしかすると、彼らからは、イングリドが戦いの女神のように見えているのかもしれないな。
「オーギュスト師。国王陛下があなたに会いたがるでしょう。私は、あなたを本国へ迎えられることを光栄に思います」
キルステンがやたらと持ち上げてくる。
「ありがとう。だが、一つだけ俺の成果について訂正をさせてもらおう。魔族は倒していない。ネレウスは撤退した。また戻って来るかもしれない」
「なん……ですって……!?」
「ただ、渦潮の半径についてはこちらで計算をしたよ。それだけの飛距離がある武器……そうだな。船にバリスタでも搭載すれば、圏外から一方的に攻撃できるだろうね」
「なるほど! 二度目はない。そういうことですね。それならば、我々でも戦える」
キルステンが頷き、オルカ騎士団の面々も同意した。
キングバイ王国の兵器は、どれも船に載せることを前提に作られているという。
国が攻められた際、船で迎撃に打って出て、圧倒的な火力でねじ伏せるのだそうだ。
マールイ王国からしてみれば、海から攻城兵器が山ほどやってくるのは悪夢以外の何物でもないな。
さて、ガルフス大臣はどう対処するのかな。お手並みを拝見だ。
「何をニヤニヤしているんだオーギュスト」
着替え終わったイングリドがいて、俺の顔を覗き込んでいる。
「ちょっとな。やはり君はその姿の方が落ち着くな。初めて会った時も、その鎧下と魔剣に魔槍の出で立ちだった」
「ああ。動きやすいからな! オルカ騎士団から借りた鎧は、軽いのはいいが胸と尻がきつくてな……」
女性としては、かなりの身の丈があるイングリド。
男性の鎧も着られたが、体型の違いからくる装着感のアンマッチはいかんともし難いだろう。
やがてキングバイ王国が見えてきた。
大きな島が丸ごとひとつ、かの王国なのである。
産業は海運。
そして牧畜。
この島はバイカウン島と言い、もとは海に出現した火山だった。
そこから流れ出したマグマが広がり、塊り、巨大な島になった。
今は、緑に覆われた肥沃な大地が広がっている。
キングバイ王国が育てるのは、羊だ。
海運と牧畜の二本柱を得て、この国は海賊行為をする必要がなくなったのである。
海賊は、敵を作るばかりだからな。
無論、この国に対して過去のわだかまりを持っている国々は多い。
だが、海運によってキングバイ王国から受ける恩恵が大きいゆえ、表立ってこの国に戦争を仕掛けようなどとは考えないのである。
どこかのバカ王国を除いて、だが。
王国の港湾部には、多くの兵士たちと民衆が詰めかけていた。
「船だ! 船が戻ってきた!」
「オルカ騎士団が渦潮を消したんだ!」
「オルカ騎士団バンザイ!」
大変な賑わいである。
渦潮はまさに、キングバイ王国の生命線を握るクリティカルな戦術だった。
あれが続いていれば、王国は干上がっていただろう。
そういう意味では、マールイ王国がネレウスを雇ったのは正解だったと言える。
問題は、恐らく今のマールイ王国に、ネレウスを御するだけの力がないことであろう。
「キルステン!!」
桟橋に立って、大声を上げる男がいた。
なかなかの巨漢であり、立派なあごひげを生やしている。
「殿下! ただいま戻りました! そして、我が王国を救って下さった立役者をお連れしています!」
「なんだと!」
この巨漢を俺はよく知っている。
なんなら、彼がキルステンと同じ、子どもだった時分からだ。
「お久しぶりです、エミル殿下」
「お、お前は……オーギュスト! あの道化師か!!」
エミル王子が驚きに目を見開き、すぐに相好を崩した。
「なるほど、お前がやってくれたのか。ならば、何もかも得心がいく! さあ、上陸してくれ! 父上にもお前を会わせねばならん! 今日は宴だぞ!」
なんだかよく分からないなりに、宴という言葉に反応した民衆。
わーっと盛り上がるのだった。
背後でイングリドが、しみじみと呟く。
「君は本当に顔が広いなあ……」
0
お気に入りに追加
1,892
あなたにおすすめの小説
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、内容が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる