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46 もう1人の皇女による断罪
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「じゃあ、わたくしから行かせてもらうわ!!
わたくしが発表するのは10年前のお母様の自殺事件の真相についてよ。せいぜい耳をかっぽじって一言一句聞き逃さないように必死になって聞き取ることね!!」
書類を彼女の最大の武器たる扇子のようにぱらりと開いたアリスティアは、怒りに染まったアメジストの瞳でグランハイム公爵を睨みつけた。
「このお母様の自殺事件は、お父様の元婚約者だったあなたの妹がお母様に罵詈雑言を吐いたことによって、気が病んでしまったお母様が毒を煽ったということで片付けられているのは当然ご存知よね?」
「っ、」
「あぁ、返事は要らないわ。その汚ったらしい口はもう一生閉じておきなさい。気持ち悪いから」
アリスティアはここ数年で腕を上げた毒舌をこれでもかというほどに総動員させた。全ては自分の母親たるフロンティアの命を奪った愚か者への制裁の為だ。ちょっとでも多くの苦痛を味わわせたい。苦しめたい。自分が味わった以上の絶望を………。
「でもねこの事件、1箇所重大な問題があるのよ。何かわかる?」
「………」
口を開こうとしてアリスティアに睨まれた公爵は、慌てて口を閉じた。
「毒の入手先よ」
唄うようにアリスティアが呟いた言葉に、会場内にざわめきが轟いた。皆が長年感じていた違和感の正体に、一歩近づいたような気がしたからだ。
「ここに毒を持ち込むことはとても難しいことよ。ましてや登城してきた商人以外から買い物をしていなかったお母様であれば尚のことね」
アリスティアは獲物を見つけた猛獣のように、目をすぅっと細めて強気に微笑んだ。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
わたくしが発表するのは10年前のお母様の自殺事件の真相についてよ。せいぜい耳をかっぽじって一言一句聞き逃さないように必死になって聞き取ることね!!」
書類を彼女の最大の武器たる扇子のようにぱらりと開いたアリスティアは、怒りに染まったアメジストの瞳でグランハイム公爵を睨みつけた。
「このお母様の自殺事件は、お父様の元婚約者だったあなたの妹がお母様に罵詈雑言を吐いたことによって、気が病んでしまったお母様が毒を煽ったということで片付けられているのは当然ご存知よね?」
「っ、」
「あぁ、返事は要らないわ。その汚ったらしい口はもう一生閉じておきなさい。気持ち悪いから」
アリスティアはここ数年で腕を上げた毒舌をこれでもかというほどに総動員させた。全ては自分の母親たるフロンティアの命を奪った愚か者への制裁の為だ。ちょっとでも多くの苦痛を味わわせたい。苦しめたい。自分が味わった以上の絶望を………。
「でもねこの事件、1箇所重大な問題があるのよ。何かわかる?」
「………」
口を開こうとしてアリスティアに睨まれた公爵は、慌てて口を閉じた。
「毒の入手先よ」
唄うようにアリスティアが呟いた言葉に、会場内にざわめきが轟いた。皆が長年感じていた違和感の正体に、一歩近づいたような気がしたからだ。
「ここに毒を持ち込むことはとても難しいことよ。ましてや登城してきた商人以外から買い物をしていなかったお母様であれば尚のことね」
アリスティアは獲物を見つけた猛獣のように、目をすぅっと細めて強気に微笑んだ。
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