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39 皇女の予測どおり

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 セレスティアはアリスティアの焦燥を感じ取っていた。この場にいる誰よりも、感情を共有していた。

「皇太子の任、謹んでお受けいたします」
「セレスティア」
「………アリス、わたしはその男を選んだあなたの気が知れないよ」
「………そうね。こいつとは別れるわ。そして、ミシェル・ライバードと婚約するわ」

 あぁやっぱり、とセレスティアは嘆息した。ガイセルをこいつ呼ばわりしたアリスティアは、アリスティアが皇帝にならないと知った途端に、汚物を見るかのような視線をアリスティアに寄越していたガイセルの腕から逃れた。

「ミシェル・ライバード、再度わたくしの婚約者にしてあげるわ。セレスティアよりもずっといい処遇を約束してあげるからこっちに来なさい」
「………お断りします」
「なっ!?小動物の分際で断るというの!?」

 しっかりと自分の意見を述べたミシェルに、アリスティアは目を見開いて驚いていた。

(次は、『わたくしが拾ってやるのよ!!感謝してしかりでしょう!?』と言ったところかな)

「はい、お断りします」
「わたくしが拾ってやるのよ!!感謝してしかりでしょう!?」
(そら、予想どおりだ)
「ミシェルは犬猫ではない。小動物扱いも拾うという表現もやめてもらおうか」
「………1番僕のことを小動物扱いしているのは他の誰でもないセレスだし、人を拾うっていう表現をよく使っているのもセレスの方だと思うけど………」

 セレスティアの妖艶な微笑みと共に発せられた言葉に、ミシェルはぼそっと呟いた。当然ながら、この後ミシェルはセレスティアに足を小さく蹴られた。

「婚約者の脛を蹴る乙女ってどうかと思うよ?」
「乙女と表現されたのは初めてだな」

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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