仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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81 双子は学びたい!!

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「それで?アイリスとアキレスは何か俺に言うことはあるか」

 食事が無事に終わり、ナプキンで全員が口の周りを拭き終わった後に、オズワルドが断定型で聞いてきた。

(これって多分昨日の脱走の件についてだよね?アキレス)
(あぁ。多分な。ーーーだが、わざわざ謝ってやる必要なんてあるか?)
(ないわね)
(じゃあ、おねだりタイムといこうじゃないか)
(賛成)

 アイリスとアキレスは一瞬だけ顔を見合わせた後ににこっと笑って手を繋いだ。ぽかぽかとお互いの手の間を行き来する暖かさが勇気を与えてくれる。だから、怖くて仕方がない相手たちの前でも元気でいられる。

「わたしたち」「ぼくたち」
「「おべんきょーがしたい!」」

 声を揃えて満面の笑みを浮かべると、オズワルドはほんの一瞬だけ意表をつかれたかのような表情をしたが、その後興味深いものを見るかのように瞳を細めた。一見無表情なのにも関わらず、暴君らしい表情の操り方に、子供らしくにっこりとした表情を作ったアイリスとアキレスはひくっと頬を引き攣らせた。オズワルドはあまりに悪役が似合いすぎている。

「………昨日の事はひとまず触れないでおいてやろう。だが、機会は1回のみだ。2度目はないと思え」
「「はーい!」」

 お手々を上げて返事をした双子に、第2王子ルーカスが微笑ましいものを見るかのような表情をし、第3王子アンドリューが好物を与えられた動物のようにご機嫌になった。アイリスはそんな様子ににこにこと愛想振り撒き、アキレスは恐怖に慄きながらも、表情を笑ったままに固定していた。

「勉強についてだが、ひとまずは何が習いたい」
「うーん、」
「全部ー!」

 悩むアキレスと元気よく答えたアイリスは、一瞬意見が別れたことにキョトンとした後、ぎゅっと手を繋いだ。

(全部はダメだった?アキレス)
(ううん、アイリスが望むようにしたらいいよ。それに、学びは大事だからね。学べば学ぶほどにここを出た後の生活が楽になる)
(おっけー!)

 短い心の中の会話はお互いの気遣いに満ち溢れていた。そんな双子のやりとりを知らない周囲も、なんとなく2人の間に先程までよりも温かな優しい空気が流れていることを感じ取っていた。

「決まったようだな。じゃあ、マナーがエレノア、勉学がエドワード、魔法学がルーカス、アンドリューが体術を教えろ。それぞれの得意分野だ。文句はあるまい」
「分かったわ、オズワルド」
「「「承知いたしました、父上」」」

 アイリスとアキレスは思わぬ方向に物事が進み始めてしまっていることに、少しだけ気がつき始めたのだった。

******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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