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72 双子は決める
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「んっ、」
アキレスは、片割れから感じる深い深い悲しみに、ゆるゆるとアイリスの感情につられて涙をこぼしそうになりながら、意識を覚醒させた。横では、アイリスが布団に顔面を突っ込んでジタバタと悶絶している。マシュマロみたいに柔らかいお布団故に怪我はしないが、ちょっとでも肌が赤くなってしまっていないか、とても心配だ。
「ん?………アキレス?」
「………おはよう、アイリス」
へにゃっと笑いかけると、片割れは困ったように微笑んで、アキレスとは違う言葉を口にする。
「………おやすみ、アキレス」
片割れからの拒絶のようなものを感じて、アキレスは困ったように眉間に皺を寄せる。
「………ねぇ、アイリス。………逃げちゃおっか」
「え………?」
「だからね、もう、逃げちゃおう?」
朗らかな笑みに、なんてことないことを話すかのような口調に、アイリスは絶句した。こんな大事なことを断定形を使って、アキレスが独断で決めたことをアイリスに話すことなんて、彼は今までしてこなかった。
彼は変わってしまった。そう直感的に感じながら、アイリスはごくんと唾を飲み込んだ。
「………そうだね、逃げよっか。………わたしたちなら、………わたしたちなら、じょーずにできるよね?」
「うん。絶対」
双子はにへらと笑って、ぎゅっと隙間を埋めるかのように手と手を握り合った。アキレスに全幅の信頼を寄せているアイリスは、アキレスの言葉を決してほんの少しも疑わない。そして、アキレスもまた、アイリスの願いを全て叶えようと全力を尽くす。そして、だからこそ、成り立っている、依存し合っている双子は、お互いの心に寄り添うように額をこつりと合わせた。
「じゃあ、逃げだす準備をするとしますか」
「うん!」
双子は言うや否や、部屋に繋がっている大人が楽々運動が出来そうなくらいに大きなクローゼットにうんしょうんしょと潜り込んで、きらきらぴかぴかしたお洋服やそれに合わせて作られた小物を物色する。これらのものはオーダーメイドというやつらしく、双子にぴったりに仕立てられている。いつの間に用意したのかわからないのが不気味だが、正直に言って着心地は最高だった。
双子はたくさんの小物を見つめてワクワクと瞳を輝かせながら、目についたものをぎゅっと握りしめ始めた。
****************************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
アキレスは、片割れから感じる深い深い悲しみに、ゆるゆるとアイリスの感情につられて涙をこぼしそうになりながら、意識を覚醒させた。横では、アイリスが布団に顔面を突っ込んでジタバタと悶絶している。マシュマロみたいに柔らかいお布団故に怪我はしないが、ちょっとでも肌が赤くなってしまっていないか、とても心配だ。
「ん?………アキレス?」
「………おはよう、アイリス」
へにゃっと笑いかけると、片割れは困ったように微笑んで、アキレスとは違う言葉を口にする。
「………おやすみ、アキレス」
片割れからの拒絶のようなものを感じて、アキレスは困ったように眉間に皺を寄せる。
「………ねぇ、アイリス。………逃げちゃおっか」
「え………?」
「だからね、もう、逃げちゃおう?」
朗らかな笑みに、なんてことないことを話すかのような口調に、アイリスは絶句した。こんな大事なことを断定形を使って、アキレスが独断で決めたことをアイリスに話すことなんて、彼は今までしてこなかった。
彼は変わってしまった。そう直感的に感じながら、アイリスはごくんと唾を飲み込んだ。
「………そうだね、逃げよっか。………わたしたちなら、………わたしたちなら、じょーずにできるよね?」
「うん。絶対」
双子はにへらと笑って、ぎゅっと隙間を埋めるかのように手と手を握り合った。アキレスに全幅の信頼を寄せているアイリスは、アキレスの言葉を決してほんの少しも疑わない。そして、アキレスもまた、アイリスの願いを全て叶えようと全力を尽くす。そして、だからこそ、成り立っている、依存し合っている双子は、お互いの心に寄り添うように額をこつりと合わせた。
「じゃあ、逃げだす準備をするとしますか」
「うん!」
双子は言うや否や、部屋に繋がっている大人が楽々運動が出来そうなくらいに大きなクローゼットにうんしょうんしょと潜り込んで、きらきらぴかぴかしたお洋服やそれに合わせて作られた小物を物色する。これらのものはオーダーメイドというやつらしく、双子にぴったりに仕立てられている。いつの間に用意したのかわからないのが不気味だが、正直に言って着心地は最高だった。
双子はたくさんの小物を見つめてワクワクと瞳を輝かせながら、目についたものをぎゅっと握りしめ始めた。
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