上 下
155 / 160
続編

77 わたくしのお怒り

しおりを挟む
▫︎◇▫︎

 時は少しだけ先に向かい、ここはとある宿屋さん。
 高級旅館よ言った方が正しいであろうこの旅館の1室を、ローズバード筆頭公爵家の権力をフル活用して無理矢理借りて、ライアンを連れ込んだわたくしは、怒りに任せて、メアリーが持たせてくれたお米がいっぱいいっぱいに詰め込まれた激オモ3段お重弁当でライアンの頭を力いっぱい殴りつけた。

「こんのっ、おおばかものー!!」

 ーーーべぶしっ!!

 ここにくるまでに、わたくしはライアンからそこそこの情報を手に入れていた。

 彼曰く、ここ数年、わたくしが必死になって探したいたのにも関わらず、ライアンが見つからなかったのは理由は簡単、彼はどうやら隣国に誘拐されて監禁されてしまっていたらしく、そして、今回簡単に見つかったのは、ライアンがローズバード公爵邸へと自力で帰ってくる途中でわたくしとぶつかったからのようだと言うことだった。要約され過ぎてしまっていて、いろいろ過程や理由がぶっ飛んでいるのはご愛嬌だ。そして、わたくしはこれ以上の情報を求めていないので、多分、わたくしから彼の誘拐・脱出劇を語られることは今後存在しないだろう。

 わたくしは、怒りに任せて全速力で起こったことによって肩で息をしながら、彼のけろっとしている麗しい顔をじーっと見つめた。見た目から言って、彼はとても変わっていた。
 3年前、美しい中にも可愛らしい顔つきが残っていた顔つきは一気に大人の青年そのものになっていて、柔らかくまっすぐだった藍色の髪は、少しだけ硬くなっているかのような印象を受けた。瞳の切長度もアップしていて、美青年まっしぐらとしか言いようのない美しさだ。本当に、羨まし過ぎる美しさだ。

「誰が失踪して良いと言ったかしらっ!?誰が連絡1つよこさず消えろと言ったかしらっ!?こんのっ、姉不幸ものーっ!!」

 ーーーべぶしっ!!

 もう1度ライアンの頭を激オモお弁当ボックスで殴ったわたくしは、バグったように頭を前後に揺らしている、抱きつきたくて触れたくて仕方がなかった義弟、ライアンの身体にぎゅっと抱きついた。

 あぁー、本当に、あったかい。

********************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

はい!
宣言通りこれからは怒涛の勢いでお話が進みます!!
♪───O(≧∇≦)O────♪

しおりを挟む

処理中です...