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続編
58,5 (5) 俺が手に入れたもの
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「………ライアンの現状については、ちゃんと理解していますもの。でも、ディアの現状は分からないんですもの。ディア、大丈夫なんですの?」
「………俺に聞くな」
稀に俺を完璧超人だ何かと勘違いしている2番目の飾りの妻エミリアの問いに、俺はむすっとした声音を返した。そう言う声を意識していないと、もう目の前でクラウディアが苦しんでいると言う状況に気がどうにかなってしまいそうなのだ。
そんな状況を分かってか否か、エミリアは挑発するように俺に話しかけてくる。
うざったくて仕方がないが、彼女の意地悪な問いかけのおかげで正気が保てているのだから、文句は言えまい。それどころか、お礼を言わないといけないレベルだ。
「………実の娘のことなのに、自分の発言に責任すら持てませんのね。あぁ、情けのない旦那さまですわ。私、結婚相手………、じゃありませんわね。再婚相手間違えたかしら………?」
失礼なことをいけしゃあしゃあと言って退けてくれるエミリアを一瞥した俺は、彼女の後半の呟きを無視した返答を返す。
「………クラウディアのことだから、分からない。それに、医者でもない俺が病気に関する状況などわかるわけがない。分かるのならば、ちゃんと愛娘の体調ぐらい管理している」
なんとなく、ここは彼女の愚痴を聞かなかったことにすることこそが、彼女に対する最大の敬意にして筋なような気がしたのだ。
俺も人の感情や、周囲の空気を読むという行為が多少はわかるようになったのだから、ここ数年クラウディアと少しだけ向き合い、共に過ごす時間を増やしたことによって、多少は人間らしい感情とやらという、父である前ローズバード公爵の言う『無駄で無能の人間が持っているいらないもの』というものを、昔は心の奥底から望んで仕方がなかったものを、ほんの一端だけでも入手することに、無事成功したのであろう。
そして、人間らしい苦しみや痛み、悲しみという苦しくて悔しくてしかたのないものも、同時に入手してしまったのだろう。なんともまあ難儀なものだ。学ぼうとすればするほど、人間というものは辛くなってしまう生き物なのだから。
確かに父公爵の言う通りうざったらしくて仕方のないものだと思った俺は、腐ってもあの男と血が繋がっているのだなと、大嫌いな人間のことを思い出すのだった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「………俺に聞くな」
稀に俺を完璧超人だ何かと勘違いしている2番目の飾りの妻エミリアの問いに、俺はむすっとした声音を返した。そう言う声を意識していないと、もう目の前でクラウディアが苦しんでいると言う状況に気がどうにかなってしまいそうなのだ。
そんな状況を分かってか否か、エミリアは挑発するように俺に話しかけてくる。
うざったくて仕方がないが、彼女の意地悪な問いかけのおかげで正気が保てているのだから、文句は言えまい。それどころか、お礼を言わないといけないレベルだ。
「………実の娘のことなのに、自分の発言に責任すら持てませんのね。あぁ、情けのない旦那さまですわ。私、結婚相手………、じゃありませんわね。再婚相手間違えたかしら………?」
失礼なことをいけしゃあしゃあと言って退けてくれるエミリアを一瞥した俺は、彼女の後半の呟きを無視した返答を返す。
「………クラウディアのことだから、分からない。それに、医者でもない俺が病気に関する状況などわかるわけがない。分かるのならば、ちゃんと愛娘の体調ぐらい管理している」
なんとなく、ここは彼女の愚痴を聞かなかったことにすることこそが、彼女に対する最大の敬意にして筋なような気がしたのだ。
俺も人の感情や、周囲の空気を読むという行為が多少はわかるようになったのだから、ここ数年クラウディアと少しだけ向き合い、共に過ごす時間を増やしたことによって、多少は人間らしい感情とやらという、父である前ローズバード公爵の言う『無駄で無能の人間が持っているいらないもの』というものを、昔は心の奥底から望んで仕方がなかったものを、ほんの一端だけでも入手することに、無事成功したのであろう。
そして、人間らしい苦しみや痛み、悲しみという苦しくて悔しくてしかたのないものも、同時に入手してしまったのだろう。なんともまあ難儀なものだ。学ぼうとすればするほど、人間というものは辛くなってしまう生き物なのだから。
確かに父公爵の言う通りうざったらしくて仕方のないものだと思った俺は、腐ってもあの男と血が繋がっているのだなと、大嫌いな人間のことを思い出すのだった。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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