銃器が弱すぎる世界に転生したけど銃知識と現代戦術知識で成り上がる

佐々牙嵯峨兎

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2章 邪月の都ルナ

56.才能開花

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 俺はどうしてあの兄弟の見方をしているか、何で旦那様達を裏切ったことを聞きたいが、後ろから闇の矢シャドウアローが飛んでくる。
 俺は急いで奥様を抱えながら無盾ザ・シールドを展開する。それと同時に闇の矢シャドウアローとぶつかって吹き飛び、奥か聞きたくもない声が聞こええる。

「雑魚ノ癖ニシツコク生キ延ビヤガッテ……!」

 俺はその声を聞いて頭を抱えたくなる。森から出て数人の獣人兵を連れてきたのは隼人はやとだった。
 しかし俺が知っている隼人とは違っていた。それは片腕が大樹の根っこみたいになり、言葉が片言っぽく聞こえた。もしかして何かヤバい方法で生き返ったのか?
 そう思っていると隼人は忌々しく見て言う。

「雑魚ナノニヨクモココマデ滅茶苦茶ニシテクレタナ! ソノオ礼トシテ隣ニイル女モ仲良ク死ナセテヤルヨ! 暗黒玉ダークマター!」

 隼人はそう叫ぶと暗黒玉ダークマターを俺達に向けて放つ。マズイ、このまま食らうと俺や奥様はともかく、あり姿たたじゃすまされない!
 急いで無盾ザ・シールドを展開しようとするが、早すぎて直撃するかと思った瞬間!

『力の根源よ。今一度、不可視の弾丸を撃ちだせ! 無弾ガント!』

 謎の声が初級無力魔法無弾ガントを撃ち、襲い掛かる暗黒玉ダークマターを打ち消す。
 俺は声がした方に振り向く、そこにはヴィンセントとカイン様がこっちに来ていた。

「おっしゃ! 何とか間に合った!」
「お前たち無事か! 先ほどものすごい音がしたから来てみれば……」

 ヴィンセントは間に合った事に喜び、カイン様は銀粉入りの手榴弾の爆発を聞いて心配していたが、隼人を見るとカイン様は哀れな目で見て呟く。

「生きているのは知っていたが……ここまで落ちぶれるなんてな……」

 カイン様はそう呟くと、隼人はカイン様がいる事に気付き、恨めしそうに言う。

「ヨクモ恥ヲカカセテクレタナ! 堕天吸血鬼ロストノクセニ生意気ナンダヨ!」
「だから何だ? その気持ちはあいつや妹に気付かせてくれた。いくら俺を貶そうが何だろうが、この気持ちを怪物に落ちたりはしない!」

 カイン様はそう叫ぶと、片腕から弾丸を発射して敵を蹴散らす。

「「グァァァァ!」」
「金持ち様が敵を蹴散らしたうちに急いでこの場から逃げるぞ!」

 ヴィンセントがそういう。俺とアリスは俊敏で速度を上げてこの場から去るために全力ダッシュをする。
 しかし悪魔が俺達を止めようと襲い掛かる。

『逃ガス訳ニハイカネー!』

 悪魔はそう叫ぶと、鋭利な爪を俺達に向けて振り下ろす……その瞬間、乾いた爆発音が辺りに響き、悪魔の腕が吹き飛んでいた。
 もちろんこいつは自身の腕を見て混濁する。

『エ、ハッ、エ?』

 悪魔は何が起きている分からずにいる。すると一筋の弾丸が悪魔の額を貫く。

『グゲェ?!』

 額を貫かれた悪魔は断末魔を上げて消滅する。その様子を見た兵士は驚きに満ち溢れる。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「何だよ、一体何が起きたんだよ!」

 俺達とウォーロックさん以外は何が起きているのか分からずにいて、他の悪魔も一体どうなっているか分からずに焦っている。
 ウォーロックさんは何か察したか、俺に質問する。

「アレス……お嬢様に何かしたのか?」

 もしかしてもう気付いていたんだな。さすがに獣人の聴覚や視覚を誤魔化せなかったか。
 俺は冷静にトリックを言う。

「確かにウォーロックさんの言う通り、俺はお嬢様にとある武器を渡しました」
「何? それは一体どんな武器だ? もしかして特異級ユニークの魔法具か?」

 ウォーロックさんの言う通り、この世界の遠距離攻撃は魔法か弓矢または特異級ユニークの魔法具のみだ。
 しかしそれらは適正距離があり、せいぜい良くても百メートルかそれ以下だろう。
 お嬢様が持つ天授ギブデッド探知眼サーチアイ〉を使い、距離を離れさせても当てれる武器。俺は自身気にいう。

「お嬢様の力を存分に振るえる武器の名も狙撃銃……またの名を『』だ!」

 俺は自信ありげに言うと、この場にいる全員が驚きを隠せずにいた。

「す、狙撃銃スナイパーライフルだと……!?」
「てことは、さっきの攻撃はあそこから来たのか?」
「ちょっと待て! 近くにある山もここからは600mもあるんだぞ!」

 兵士達はその性能に驚いている。もうちょっと追い打ちを掛けるか。

「お嬢様が持つ狙撃銃の範囲は何と1km! 山頂から悠々にお前らの命を消せるぞ」
「「ヒィッ!」」

 すると兵士たちは俺の言葉を聞いて震えあがる。それもそうか、どこからか来る攻撃に気を付けながら、俺達を捕まえるのはかなり難しいだろう。
 兵士達が恐怖に震えあがっているが、逆にウォーロックさんと隼人は震えてもいなかった。

「確かに恐ろしいが、しかしそれは連続的に撃てたらの話だ。お嬢様が持っている狙撃銃スナイパーライフルに限度があったとすればどうする気だ?」

 ウォーロックさんの正論に思わず強ばってしまう。確かにウォーロックさんの言う通り、お嬢様に与えている狙撃銃スナイパーライフル〈SVD〉にも弾数が限られていて、もし再装填《リロード》中に一斉に襲い掛かれたらかなり危険だ。
 だからこのために合図のチェックは済ましている。俺はヴィンセントに見る様にハンドサインを取る、するとヴィンセントは告りと頷いて詠唱する。

『主よ。今一度、夜を照らし、闇を打ち消す光を生み出せ! 加速光源アクセレレーティドライトソース!』

 詠唱し終えると辺り一面に輝く光が放出されて、俺たち以外の目を眩ませる。

「「グァァァァ!」」
「何だ!?」
「まさかこれは祝福魔法か!?」
「取り敢えず前が、前が見えねー!」

 兵士達が目くらまし似合っている間に、俺達は森に入ってこの場から去る。しかしウォーロックさんは瞬時に目を瞑っていたからか、少ししたら回復して兵士に命令する。

「怪我人は即座に治療、他の奴は俺に続け!」

 ウォーロックさんはそう命令すると、残りの兵士や悪魔達を連れて追いかける。
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