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2章 邪月の都ルナ
57.悪魔の森
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狙撃銃……それは敵を遠距離から暗殺する武器で、弾数は少ないが射程範囲は800~1500mぐらいある。
その中でロシアやソ連が開発した〈SVD〉は射程距離が800mだが、装弾数が十発で争点が自動的に行われて、様々な戦争や紛争に活躍している。
しかしホントは〈SV-98〉を作りたかったが、時間が足りなかったのと今のお嬢様に重すぎると言う事で〈SVD〉にした。先のほど嘘も心残りで思いついた事だ。
お嬢様の〈探知眼〉を使えば照準器を作らずに済んで本体の方に集中できた。だがカイン様も視力はとてもいい方だ。だがさすがに400m以上だと見えにくかったから、船で移動している時にレンズと魔鉄鉛で代用した。
カイン様は魔血邪装の兜に照準器が搭載された事で、指から弾丸を発射して兵士たちの足を撃ち抜く。
どうして指から弾丸を発射しているかって? それは魔血邪装には大量の銃器や弾倉を詰め込んでいるからだ。
紅の禍月が変形するのを見て「突撃銃や回転式拳銃を埋め込めたら強くなるんじゃないか」と思い、試したらうまく成功して戦力を強化する事ができた。
今カイン様に装備させている銃は主に散弾銃〈ソードオフショットガン〉や拳銃〈デザートイーグル〉だ。
魔血邪装に埋め込んでいるのは突撃銃〈AK-47〉を両腕に、指や膝には俺が使っている回転式拳銃〈ニューナンブM60〉だ。
カイン様は両腕の内右腕の〈AK-47〉を連射して兵士たちの足をハチの巣にする。
「「ギャァァァ!」」
「スゲー……でも他の奴は木や悪魔を盾にして進んでいるが、アレを使ってもいいか?」
ヴィンセントは驚きつつ俺に確認を取る。確かに少し振り向くと、兵士たちは周りにある自然物や悪魔を使って弾丸の雨を塞いでいる。
お嬢様の狙撃が来ないのは軌道上俺達が居て中々撃てにくいからだ。
俺は即座に判断を決めてヴィンセントに言う。
「あれを使うの良いが、俺達に被害が無いようにしろよ!」
そう言うとヴィンセントはあくどい笑みを浮かべて言う。
「あいよっ!」
ヴィンセントはそう言いながら懐から手榴弾を取り出し、それに付いてある安全ピンを外して兵士達に投げる。
手榴弾が地面に着いたと同時に爆発する。手榴弾から赤い粉が舞っていて、少し経つと兵士たちは悶える。
「グェェェェェ!? なんだよこれ!」
「目がっ! 鼻がしみるぅぅぅ!」
「これってスパイスか!?」
「誰か水、水を持ってこーい!」
ウォーロックさんと隼人は目と鼻を塞いでいるが、他の兵士は悶え苦しんでいてまさに地獄そのものだった。
これは催涙手榴弾と言って、暴動鎮圧するために開発した物でこれを使えば相手を銭湯不能に陥れる武器だ。俺もこの武器の再現を試そうとしたが、この世界にはCN(クロロアセトフェノン)ガスやCS(クロロベンジリデンマロノニトリル)ガスが無いため、代わりに唐辛子に似たスパイスで代用した。
効果があるか分からなくて一応ヴィンセントに持たせたが、まさかにここまで効果があった何てある意味驚きだ。
ヴィンセントが俺達に来ない様に投げた事で、スパイス攻撃を食らわずに相手の距離から離れてこの場から去る。
さて、お前等にとってここからが地獄だぞ。
▲▽▲▽▲▽
ヴィンセントが謎の物体を投げて、それが爆発したら赤い粉が舞い上がって、それを吸った兵士たちが苦しんでいるさなか、隼人がうっとうしく感じながら詠唱する。
『風の根源よ。今一度、すべてを薙ぎ払う暴風を生み出せ! 暴風!』
隼人が詠唱し終えると辺り一面に暴風が吹き荒れ、赤い粉を吹き飛ばす。
ウォーロックさん少しむせながらも、辺りを見て兵士に命令する。
「アイツらが逃げた場所はおそらくお嬢様がいる山頂だ! 合流される前に急いで追いかけるぞ!」
ウォーロック達はレノンがいる頂上に向かうが、兵士の一人が叫び声を上げる。
「ウギャッ!」
「オイオイ、そんなに叫んでどうした――」
近くにいたウォーロックの部下が近づく、すると何かが肩を弾け飛ばす。
「グァァァァ! 何で攻撃が来たんだよ!」
ウォーロックの部下はもちろん兵士たちは何が起きているか分からずにいる。ウォーロックは頭を伏せながら負傷した兵士に近づいてみる。すると彼は何かに驚いた表情になってこの場にいる全員に呼び掛ける。
「気を付けろ! ここから先はトラップが在るかもしれん! 上にトラップが在った場合に備えて直ちに防御姿勢を取れ!」
その言葉を聞いた兵士たちは驚愕しつつも防御姿勢を取る。
しかし隼人はその話を聞かずにずかずかと進む。兵士の一人が隼人に呼び掛ける。
「お前、死にたいのか!? あの魔法具が襲ってくるぞ!」
「ハ? 何言ッテイルンダ? タカガ雑魚ニ怯エルナンテバカバカシイダロ? ソレニ俺ニハ自作魔法鋼鉄の鎧デ守ラレテイルンダヨ」
隼人はそう言ってトラップを破壊して進み続ける。
常人からすればかなりイカレテいる行動だ。だが彼がまだ日本人だった頃にいじめをし続けた者で、いつも通り弱者をどういたぶろうか考えた時に、いじめられた被害者の遺族が報復として殺された。
隼人が腹部に刺された痛みにもだえながら「自分が正しい、弱者をいたぶるのは強者の権限」と思い込んだ時に、黒いフードを被った青年にこの世界に転生される。
優れた容姿に魔法の才能、頭の良さや種族の強さに彼は「これは神が与えてくれた奇跡だ!」と思い、欲望のままに暴れる。
自分より優れない者をいじめて、特に魔力が低い少年や少女をいたぶり、美女を食い散らかすなど、もはや外道そのものの行動が続くと思っていた……アレスと出会うまでは。
『いきなりはそっちだろ? お嬢様だけじゃなく旦那様をバカにしやがって……何様のつもりなんだよ!』
アレスは自分より劣っているくせに殴り掛かり、最初の戦いのときに自分に命乞いをさせたことに許せず、この戦いでアレスの命をつぶそうとしている。
(あのザコが俺より超えるなんてありえないんだよ! 待ってろよ、お前を十分いたぶったら男は殺し、女は俺の性奴隷として堕としてやんよ……!)
隼人は下卑た欲望を考えながら進んでいると、山頂にいるレノンが〈SVD〉の引き金を引く。
一筋の弾丸は隼人の肩を定めており、兵士たちやウォーロックの部下は「これも弾き返せる……!」と思っていたが、現実はそう簡単ではなかった。
弾丸は隼人を守っていた鋼鉄の鎧をいと容易くも貫通して肩を弾け飛び、隼人は肩を強く抑えて叫ぶ。
「ギャァァァ?! 何デダ……ナンデ簡単ニ貫通シタンダ!?」
隼人は何が起きている分からずに戸惑っている。それもそのはず、〈SVD〉の弾丸の初速は830/m秒、薄い鉄板なら簡単に貫く事ができる速度だ。
隼人は急いで傷口を治癒で治療しようとするが、レノンがすかさず残った肩に両足を撃ち抜き、次の場所を狙っていると隼人は慌ててい大声で命乞いをする。
「ま、待ってくれ。いや、待ってください! もう反省しました。二度と弱い者いじめはしませんし、悪い事はしません! ですから助け――」
隼人は涙や鼻水、よだれでかおをぐちゃぐちゃになりながら、これまでの行いを公開しながら救いや許しを請う。
先ほどの片言元に戻っている。だが、現実は無常でレノンは冷酷に引き金を引いて隼人の眉間を貫いた。
「グァァァァァァァ!?」
隼人は断末魔を上げながら地面に倒れ、二度と起き上がる事はなかった。この時兵士達やウォーロックの部下が気付く、自分たちは悪魔の森に入ったことに……そしてレノンは『魔術殺し』、『夜王妃』、『悪夢の姫』、カインは『血の狩人』、『堕天の騎士』、『冷酷王』として呼ばれる事になった。
その中でロシアやソ連が開発した〈SVD〉は射程距離が800mだが、装弾数が十発で争点が自動的に行われて、様々な戦争や紛争に活躍している。
しかしホントは〈SV-98〉を作りたかったが、時間が足りなかったのと今のお嬢様に重すぎると言う事で〈SVD〉にした。先のほど嘘も心残りで思いついた事だ。
お嬢様の〈探知眼〉を使えば照準器を作らずに済んで本体の方に集中できた。だがカイン様も視力はとてもいい方だ。だがさすがに400m以上だと見えにくかったから、船で移動している時にレンズと魔鉄鉛で代用した。
カイン様は魔血邪装の兜に照準器が搭載された事で、指から弾丸を発射して兵士たちの足を撃ち抜く。
どうして指から弾丸を発射しているかって? それは魔血邪装には大量の銃器や弾倉を詰め込んでいるからだ。
紅の禍月が変形するのを見て「突撃銃や回転式拳銃を埋め込めたら強くなるんじゃないか」と思い、試したらうまく成功して戦力を強化する事ができた。
今カイン様に装備させている銃は主に散弾銃〈ソードオフショットガン〉や拳銃〈デザートイーグル〉だ。
魔血邪装に埋め込んでいるのは突撃銃〈AK-47〉を両腕に、指や膝には俺が使っている回転式拳銃〈ニューナンブM60〉だ。
カイン様は両腕の内右腕の〈AK-47〉を連射して兵士たちの足をハチの巣にする。
「「ギャァァァ!」」
「スゲー……でも他の奴は木や悪魔を盾にして進んでいるが、アレを使ってもいいか?」
ヴィンセントは驚きつつ俺に確認を取る。確かに少し振り向くと、兵士たちは周りにある自然物や悪魔を使って弾丸の雨を塞いでいる。
お嬢様の狙撃が来ないのは軌道上俺達が居て中々撃てにくいからだ。
俺は即座に判断を決めてヴィンセントに言う。
「あれを使うの良いが、俺達に被害が無いようにしろよ!」
そう言うとヴィンセントはあくどい笑みを浮かべて言う。
「あいよっ!」
ヴィンセントはそう言いながら懐から手榴弾を取り出し、それに付いてある安全ピンを外して兵士達に投げる。
手榴弾が地面に着いたと同時に爆発する。手榴弾から赤い粉が舞っていて、少し経つと兵士たちは悶える。
「グェェェェェ!? なんだよこれ!」
「目がっ! 鼻がしみるぅぅぅ!」
「これってスパイスか!?」
「誰か水、水を持ってこーい!」
ウォーロックさんと隼人は目と鼻を塞いでいるが、他の兵士は悶え苦しんでいてまさに地獄そのものだった。
これは催涙手榴弾と言って、暴動鎮圧するために開発した物でこれを使えば相手を銭湯不能に陥れる武器だ。俺もこの武器の再現を試そうとしたが、この世界にはCN(クロロアセトフェノン)ガスやCS(クロロベンジリデンマロノニトリル)ガスが無いため、代わりに唐辛子に似たスパイスで代用した。
効果があるか分からなくて一応ヴィンセントに持たせたが、まさかにここまで効果があった何てある意味驚きだ。
ヴィンセントが俺達に来ない様に投げた事で、スパイス攻撃を食らわずに相手の距離から離れてこの場から去る。
さて、お前等にとってここからが地獄だぞ。
▲▽▲▽▲▽
ヴィンセントが謎の物体を投げて、それが爆発したら赤い粉が舞い上がって、それを吸った兵士たちが苦しんでいるさなか、隼人がうっとうしく感じながら詠唱する。
『風の根源よ。今一度、すべてを薙ぎ払う暴風を生み出せ! 暴風!』
隼人が詠唱し終えると辺り一面に暴風が吹き荒れ、赤い粉を吹き飛ばす。
ウォーロックさん少しむせながらも、辺りを見て兵士に命令する。
「アイツらが逃げた場所はおそらくお嬢様がいる山頂だ! 合流される前に急いで追いかけるぞ!」
ウォーロック達はレノンがいる頂上に向かうが、兵士の一人が叫び声を上げる。
「ウギャッ!」
「オイオイ、そんなに叫んでどうした――」
近くにいたウォーロックの部下が近づく、すると何かが肩を弾け飛ばす。
「グァァァァ! 何で攻撃が来たんだよ!」
ウォーロックの部下はもちろん兵士たちは何が起きているか分からずにいる。ウォーロックは頭を伏せながら負傷した兵士に近づいてみる。すると彼は何かに驚いた表情になってこの場にいる全員に呼び掛ける。
「気を付けろ! ここから先はトラップが在るかもしれん! 上にトラップが在った場合に備えて直ちに防御姿勢を取れ!」
その言葉を聞いた兵士たちは驚愕しつつも防御姿勢を取る。
しかし隼人はその話を聞かずにずかずかと進む。兵士の一人が隼人に呼び掛ける。
「お前、死にたいのか!? あの魔法具が襲ってくるぞ!」
「ハ? 何言ッテイルンダ? タカガ雑魚ニ怯エルナンテバカバカシイダロ? ソレニ俺ニハ自作魔法鋼鉄の鎧デ守ラレテイルンダヨ」
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弾丸は隼人を守っていた鋼鉄の鎧をいと容易くも貫通して肩を弾け飛び、隼人は肩を強く抑えて叫ぶ。
「ギャァァァ?! 何デダ……ナンデ簡単ニ貫通シタンダ!?」
隼人は何が起きている分からずに戸惑っている。それもそのはず、〈SVD〉の弾丸の初速は830/m秒、薄い鉄板なら簡単に貫く事ができる速度だ。
隼人は急いで傷口を治癒で治療しようとするが、レノンがすかさず残った肩に両足を撃ち抜き、次の場所を狙っていると隼人は慌ててい大声で命乞いをする。
「ま、待ってくれ。いや、待ってください! もう反省しました。二度と弱い者いじめはしませんし、悪い事はしません! ですから助け――」
隼人は涙や鼻水、よだれでかおをぐちゃぐちゃになりながら、これまでの行いを公開しながら救いや許しを請う。
先ほどの片言元に戻っている。だが、現実は無常でレノンは冷酷に引き金を引いて隼人の眉間を貫いた。
「グァァァァァァァ!?」
隼人は断末魔を上げながら地面に倒れ、二度と起き上がる事はなかった。この時兵士達やウォーロックの部下が気付く、自分たちは悪魔の森に入ったことに……そしてレノンは『魔術殺し』、『夜王妃』、『悪夢の姫』、カインは『血の狩人』、『堕天の騎士』、『冷酷王』として呼ばれる事になった。
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