EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~

青空顎門

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第二章 ガイノイドが管理する街々

095 デッドコピー

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 元々は技術センターだったと思われる広大な建築物に正面から侵入し、静寂に包まれた無人のロビーを進んでいく。
 当然、装甲車を降りた段階でフィアはシールドを展開してマグ達を守っている。
 とは言え、ここはまだ敵が出現しない区域らしい。
 今のところは静けさの中、マグ達の足音が甲高く響くのみだ。

「地下への入口はあっちデス」

 オネットの案内に合わせて指差すアテラに頷き、そちらへと歩いていく。
 廊下を曲がると、階下に繋がる階段の場所を示す看板が視界に映った。
 本来の施設にも地下フロアが存在していたのだろう。
 そこを起点として迷宮遺跡が広がっていったに違いない。

「ここを下りたら敵が襲ってくるはずデス」

 やがて階段に至り、その前で改めて警鐘を鳴らすようにオネットが告げる。
 それを受けて気を引き締め直し、マグ達は地下へと向かった。
 そうして階段を下りた先から廊下に出ると――。

「旦那様」
「……お出ましか」

 人の形をした機獣が四体、曲がり角から飛び出してきた。
 その姿はまるでマネキンのようだった。
 侵入者のコピーと聞いて自分達と同じ姿を想像していたため、一瞬戸惑う。
 しかし、マグは即座に【アイテールスラッグ】を構えて原炎アイテールの塊を撃ち放った。
 事前情報から牽制程度にしかならないと思われたが――。

「……何だ。随分と呆気ないな」

 弾丸は吸い込まれるように人型の機獣に命中し、その機械の体を完膚なきまでに破壊し尽くしてしまった。
 余りの容易さに拍子抜けする。
 そんな反応を見せたマグに対して。

「楽なのは最初だけで、徐々に強化されていくらしいのデスよ」

 オネットは緊張感を湛えた声で告げた。
 成程と思いながら廊下をしばらく進んでいく。
 すると、彼女の言葉を証明するように新たな四体の機獣が近づいてきた。
 内一体は【エクソスケルトン】に似た装甲を纏って手に銃を持ち、別の一体はシールドを発生させるジェネレーターを胸に備えて全体を光の膜で覆っている。
 頭部パーツもフィアっぽくなっている。
 外見のみではあるが、残る二体もアテラとドリィに近い姿になっていた。

「そういう感じで来るのか」

 この迷宮遺跡のやり口を少し理解する。
 直後、敵は先程のマグを模倣するように銃を構えて光輝く弾丸を放ってきた。
 それは人型機獣達を守るように覆うシールドを突き抜けて迫ってくる。
 同期機能についても再現しているようだ。

「フィア」
「はい、おとー様!」

 あれがマグの攻撃のコピーなら、フィアのシールドを突破される可能性がある。
 だから、彼女に呼びかけて同期を切らせる。
 そのおかげか機獣が放った光弾は、マグ達を守る膜の表面で弾けて消え去った。
 本家本元の【アイテールスラッグ】でもフィアのシールドを突破することはできないのだから、同期さえしていなければ脅威となることはない。
 だが、同時に。劣化とは言え彼女の力の模倣である敵の光の防壁を凌駕することは、こちらの【アイテールスラッグ】でも不可能だろう。
 それを貫くには断片フラグメントを有した攻撃が必要だ。

「ドリィ」
「ええ。排除するわ。フィア姉さん、同期をお願い」
「分かりました!」

 フィアがそう頷きながら応じたのを確認したドリィは、すぐさま全身のレーザービームライトの射出口を展開させる。
 そして次の瞬間。
 無数の光線が空間を走り、人型機獣を一瞬の内にシールドごと細切れにした。
 これまた呆気ない。
 しかし、ここまではある意味想定内と言える。
 本格的に難易度が上がっていくのはここからだろう。
 予想通りなら次はドリィの力が模倣されるはずだ。

「今の内に奥に進むデスよ」

 だからマグ達は、一層警戒の色を濃くしたオネットの指示に従い、足早に迷宮遺跡の小綺麗な廊下を進んでいった。
 先頭を行くアテラが【エコーロケイト】で索敵と周辺の状況把握を行いながら。

「……新手です!」

 少しして彼女が注意を促すと、再び四体の人型機獣が出現する。
 かと思えば、何本もの光線がマグ達へと向けて射出された。
 やはりドリィの力が追加されている。
 だが、これもまた想定の範疇。
 あらかじめ同期を切っていたため、光の膜の表面で防がれる。

「フィア姉さん。波長を細かく変えるわ」
「はい! 対応します!」

 何も考えずに反撃しようとすると相手の光線がこちらに到達する可能性がある。
 その対策として、二人はリアルタイムで同期対象を変化させることを選んだ。
 結果、おおよそ模倣が完了した状態でも容易く人型機獣を排除することができた。
 まだまだ余裕がある。しかし――。

「……アテラさん。情報収集のために、この残骸を吸収してみて欲しいのデスよ」
「分かりました」

 オネットは気を緩めず、アテラもまた彼女に言われた通りにする。
 やはり本番はここからなのだろう。
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