異世界召喚されて神様貴族生活

シロイイヌZ

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第二十八話

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 清浄石の手配も済んで、改めて討伐に出る。町の中心部から外れて牧草を育てる畑や田んぼが広がるを田園地帯を抜けて防壁の門に辿り着く。
とは言っても、屋敷を出て清浄石を注文する時間を含めても、一時間ほどだろうか。
そんなに無茶苦茶長く歩いたわけでもない。
防壁の門と、その先にある堀を渡る橋は下ろされているが、近くで鎧を着た男性と女性が数人警備に当たっている。
魔物や不審者を警戒してのことだろうな。
 因みにだが、この国では男性は『衛兵』女性は『騎士』と分別されるようだ。
 その騎士たちと手を振って挨拶を交わすと、橋を渡った所でユキが転移魔法を行使する。
すぐに昨日リザードマンの群れと大規模戦闘になった場所に到着する。
この場所でも王都から歩けば二日は掛かるそうだ。
 ファンタジー世界の討伐の旅は自衛隊の行軍のように野宿をするものだと思っていたが、実際には野宿などせず転移魔法で毎日自宅に戻り、美味しい食事を摂り、温かい風呂で疲れを癒し、自室のフカフカのベッドで翌日に備えて眠る。行軍よりもよっぽど快適だな。
 旅をするのに自分の足では歩かずに、目的地の街に行ったことがある冒険者に転移魔法で連れて行ってもらって楽をする者もいるそうだ。
だが、それを続けていると経験を積めないので、難易度の高い場所では命に係わることになることがある。
 だから、冒険者やエリスたちのような勇者パーティーは率先して歩いて、経験値を稼いでレベルを上げる。
まさに『足で稼ぐ』というわけだ。
 また昨日みたいにリザードマンのような魔物が湧いていても困るので同行したが、その心配は無さそうだった。
なので、キオトの方角に向かって歩き始める。
 途中で単体や小規模の群れで犬型やクマ型の魔物などが現れたので、射撃訓練がてら三人に銃の使い方を教えながら歩いた。
流石に戦闘職なだけあって飲み込みが早い。
エリスは2度ほどの戦闘で短機関銃から自動小銃にステップアップし、俺と同じM4を錬成して渡すことにした。
「これは、英樹様の小銃と同じ物ですよね?」
M4を手渡すと、エリスが尋ねて来る。
「そうだよ?ドットサイトなんかも含めて、全て同じだよ」
と答える。間違いなく隅々まで同じだからな。
「英樹様と全く同じ小銃を私が…なんだか…この小銃がすごく愛しく思えてきました!」
「お…おう…。そうか…それは良かった」
まぁ。自分の武器を大事にするのは良いことだな。
 エリスが持っていたMPXはミクに使わせる。
「魔法戦士みたいで格好いいな」
と言ったら、満更でもなかったようで照れ笑いしていた。
 ユキには支援用にM11イングラムを錬成して使い方を教えておくこともしておいた。

 現れたゴブリンの群れを練習台にして、連携射撃を教える。
元々チームワークに優れたパーティーなので、統率の取れた良い動きをする。
 これも短時間で習得してくれた。
まだまだ課題は残るが、今の状態でも無茶をしなければ中級までの魔物にも後れを取ることはないだろう。
「それにしても、今朝いただいたこの『ブーツ』は初めて履くのに歩きやすいし、疲れなくていいですね」
エリスが今朝三人に渡した半長靴でステップを踏むように歩いてみせる。
「それもそうだけど、歩く音も静かなので魔物に気取られ難いし、いい靴ですね」
ミクも気に入ったようだし、ユキも賛同している。
「近いうちに戦闘服も揃えてあげるよ。俺のと同じでオシャレではないけど、これが見た目に反してなかなか快適なんだ」
俺が着ているのは新型の戦闘服だ。旧型に比べたら蒸れないし生地も丈夫だ。
「はい!英樹様とお揃いなだけでも嬉しいです♡」
本当、可愛いことを言ってくれるなぁ。

 「よし、それじゃ俺はそろそろ帰るよ。でも、強力な武器を持ってるからって、慢心はしないようにな。危険を感じたらすぐに召喚するんだよ?」
「心得ました」
「君たちが小さな傷一つでも負うと、俺が心から悲しむことになるんだから、気を付けておくれよ?」
「はい。お約束します。ご主人様」
ユキが俺の背中に手を回し、胸にそっと頬を当てて微笑みながら言う。
「今日も無事に、怪我無く帰って来てくれな。ご安全に!」
「「「ご安全に!」」」
三人にそれぞれキスをする。ミクは禁欲中とはいえ、俺からキスするくらいは構わないだろうし、余計に早く抱かれたくて改善を早めることに期待している。本人には
「ミクには期待してるんだよ?」
としか言ってないけど。

 〈異界渡航〉を頭の中で念じて窓を呼び出す。
一度日本の自宅のリビングに戻り、そこでまた窓を呼び出して、サナの所に戻る算段だ。
窓の向こうにはリビングで箒掛けをしている愛しのサナの姿が見える。
窓を移動させてサナの後ろに回り込んだ。
 サナは左手を頭上に掲げている。室内で眩しいと云うことはないだろうから、どうやら薬指に輝く指輪を眺めているようだ。
「英樹様…。早くお会いしたいです…」
可愛らしいことを呟いてるな。サナを後ろからそっと抱き締める。
「ただいま。俺の愛しいサナ。可愛らしい顔を見せておくれ」
「おかえりなさいませ。愛しの英樹様♡」
振り向いたサナに熱烈なディープキスをお見舞いする。
「んっ♡ ちゅぱっ♡ ちゅっ♡ んむぅ♡ ちゅっぱちゅっぱ♡」
そのキスに微笑みながら応じてくれるサナを後ろにあるソファーに押し倒して、しばし抱き合ってお互いの唇を貪り合い、唾液の交換を堪能する。
 数分間の長いキスを楽しんだのだが、サナはウットリした熱い目で俺を見つめている。
すぐにでも抱いて欲しそうな顔をしているし、俺もすぐにでも挿入したいところだが、ここは我慢だ。
後でじっくりと楽しませてもらおう。サナにもそう伝えると
「名残惜しいですし一刻も早く抱いていただきたいですけど、仰る通りですね。後ほどじっくり可愛がって、たっぷり愛してください♡」
 俺にギュッと抱きついて来て、飛び切りの笑顔でそう言ってくれる。素直で従順な妻は本当に可愛いなぁ。
「ところでさ、全ての部屋の掃除をその箒一本でやってるの?」
サナは少し不思議そうな顔をしていたが、すぐに合点がいったようで
「基本的にはこれ一本でゴミや埃を集めますけれども、最後は魔法も使いますよ?」
なるほど、箒はゴミを一か所に集めるための物なのか。
でも、この屋敷くらいの広さなら掃除機があると相当に楽だろうな。
「ただ、カーペットが敷いてあるお部屋はちょっと大変なんですけどね」
そうだな。カーペットがあると箒は不便だろう。
「そうか。じゃ、ちょっと待ってて」
 日本の自宅に戻ると、店舗と物置部屋から『ダイ〇ン』のスティック型サイクロン掃除機を三台持って行く。
充電式だからあちらの世界でも問題なく使えるはずだ。
それに充電器に置きっ放しにしてあったから、フル充電状態だ。
「これを使ってみて。動きが止まっても壊れたわけじゃなく電池が切れただけだから、すぐに復活できるよ」
サナに使い方を教えながらリビング丸ごと掃除して見せる。伸ばせば天井の埃まで取れるところも見せておく。
 実際に使用したサナの感想は
「すっご~い!埃が一瞬で消えます!面白いです!!」
 なかなか感動したようで、掃除機を持ったまま隣の部屋や廊下を行ったり来たりしている。
こういう素直に喜んでくれる姿はなんだか新鮮だ。

 「サナ、洗濯は俺がしておくから出して」
すると、サナは申し訳なさそうな顔をして
「本当によろしいのですか?数が多いですし、その…女性用の下着もありますよ?」
と聞いて来る。
「全然構わないよ。俺の世界に持って行って『洗濯機』っていう道具で洗うから」
そう言うとサナはかなり驚いた顔で
「英樹様の世界ではお洗濯の道具も有るのですか?…そう言えば、お掃除もこんなに便利な道具が有るんですし、何か特別な道具をお持ちなんでしょうね」
と掃除機を眺める。
「俺の家には大型の洗濯機が三台有るから、数が多くても問題ないよ。さ、取りに行こうか」
 サナが掃除の前に各部屋から持ち出していた洗濯物の山に向かう。
なるほど、シーツがたくさんだ。そりゃそうか。昨夜の潮吹きが原因だな。一昨日のもあるだろうし。
とはいえ、これ等の洗濯物が発生した責任はほとんど俺にある。
だから、俺が洗濯機を回すのは当然のことだ。
 我が家には大型のドラム式洗濯機が三台有る。
店で使うテーブルクロスやタオルやおしぼり、調理服や制服などを洗濯したり、俺個人の洗濯物も洗濯しなければならないし、色柄物を分けたりとかすると、それだけ必要になったのだ。
 洗濯物を〈異界渡航〉の窓から直接洗濯機に投入していく。
サナたちにはこの窓が見えないそうなので仕方が無いが
「英樹様のお身体が半分消えて空中に浮かんでいるように見えるので、なんだか不思議な光景です」
と言われた。
無事に全ての洗濯物を投入することが出来た。
洗剤と柔軟剤をも投入してあるので、乾燥機能も使えばフカフカに仕上がるだろう。
勿論、女性用の下着やランジェリーは繊細なので、サナと手分けしてネットに入れた。
因みにだが、女性用ランジェリーを乾燥モードで乾燥させるのはご法度だ
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