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第2章
第21話
しおりを挟む村の上空に戻った俺は、次に取り掛かったのは畑だ。先ず堆肥の想像をして山盛り出してから畑を耕やしながら、その堆肥を混ぜつつ、栄養満点な土を上空から見て、全て想像通りに想像魔法にて作った。
畑は少し多めに作って、休ませる畑とかを作っていくと壁に当たったものの、少しばかりその壁を動かして更に広くしてしまったが、まあ大丈夫だろう。
明日お披露目で見せる時に、皆んなを驚かせる作業をもう少しやってから、次の作業に取り掛かる。
次に取り掛かったのは、畑の所々にあった方が良さそうな所に水路を通していき、村を横断した水路に色々な橋を架ける作業に取り掛かる。 アーチ状の可愛らしい橋や不恰好だが頑丈そうな橋と色々思いつく限り、全部で十個ほど作ってしまったが後悔はない。
村を横断した水路の壁は斜めにコンクリートで固めたり、所々落ちても大丈夫な様にハシゴを取り付けたりしながらも自分自身が納得出来るまでやった。
大体はこんなものかなっと全体を見渡すと何かが足らないと感じて、何だろうと考える事、数分、全く思い出せない事に苛立ちを覚えたがスマホのメモ機能に事前に村に必要な物を書きとめていたのを思い出して、スマホを取り出して見てみると風呂と書いてあった。
そうだ!風呂を作って無かったのだった。
温泉が欲しいけど温泉は無理だと思って、銭湯を作る事にした。
昔ながらの銭湯を先ず川のすぐ側に一つ作ってみると、なんとか思い描いてた物が出来上がって中に入ると、ちゃんと男女別で脱衣所があって浴槽も大きめの物が出来た。
風呂を沸かす場所に移動したら、ちゃんと想像通りに出来ていた。
昔、解体屋の仕事をしていた時に、銭湯を解体する機会があって、解体する前の銭湯の隅々を見ていたのが今回の銭湯の作りにに生かされたようだ。
そして、その時に銭湯の図面も見させてもらっていたから、今回の銭湯に関した物は想像と言うか思い出しに近いものだった。
思い出して作った物だから所々古かったりするがコレはこれで、侘び寂びがあっていいと思って、次作る銭湯は作りはこれで作って綺麗な新しい感じの物を作る事にした。
想像魔法で作る事数時間後。
「はい、調子に乗りました!」
つい独り言を言ってしまうくらい、調子に乗ってしまった。
銭湯は水路を挟む形で全部で六つも作ってしまった。
子供たちや村の人たちの数を考えても明らかに作り過ぎてしまった事に気が付いたのは、最後の六つ目を作ってからだった。
浴槽には川から直接浴槽に水が流れる様に水車などを取り付けたり、小さな水車を取り付けたりとしたが、この銭湯の感想は明日にでも皆んなに入らせて意見を聞こう。
また姐さんに怒られるかな?
今度はシオンにまで拳骨されるかもしれない。 あの時はHPが100程度しか無かったから仕方ないけど、ギルドで受けたシオンの拳骨は軽くトラウマになっている。そんな想像をしたら、身震いがしてくる。
再び上空に飛び上がって村全体を改めて見渡すと、やり過ぎた感が凄く出てきてしまったものの、やってしまったものは仕方ない。
もう少しで夜になりそうだったから、想像魔法で出した色々な野菜の種を畑に蒔いて、成長促進を想像しながら蒔き終わった。
そして、完全に暗くなる前に村の外側は牧草地帯にしようと思って、草原の目の入る辺り一面牧草に変える事に成功した。
MPはスキルの恩恵で全然余裕があるがここまでの物を想像して、時には思い出したり魔物を狩ったりした所為で流石に精神的に疲れた。
もう寝たいと思ったが、昨日アリスにリンスの作り方を教わるのと容器を出すのを忘れていたから、この村には誰も入れない様に門は内側から閂をして、壁は更に高く作って姐さんでも跳び越えられ無い高さにして此処を離れる事にした。
壁の外の地上に降り立ち、改めて地上から村の壁を見ると要塞の様で威圧感タップリの物々しい感じになっている。
地上に降り立ってから見た壁の高さが、およそ二十メートルほどになってしまっている。
これは明日夜明け前に壁の高さを調整しないと、少々不味いレベルだと判断して、皆んなが野営している場所にと徒歩で向かおうとするも、俺が飛べる事は既に皆んなが知っているから、再び空を飛んで野営場所に戻ったら、丁度良く夜の食事の準備を行っていた為、野菜や果物と色々な物を出してあげて、キャンピングカーに俺、姐さん、アリス、愛の順で中に入っていった。
俺が姐さんやアリスたちと一緒にいるのを他の冒険者達に見られて、話しかけたいような雰囲気だったものの、話しかけるなオーラを出して、キャンピングカーの中で食事し、終わり次第アリスに教わって容器も出してあげた。
眠気がピークになりつつあったから、姐さんには明日、あの村人たちと今回の人たちと一緒に、昼頃には彼処に来てもらう様に伝えて、俺だけ再度村に戻って、適当にふかふかの種も蒔いてない畑で眠りに付くことにした。
日が昇り始める前の時間、スマホのアラームで起きた。アラームの音がうるさいと思うほど、昨日は疲れていたと思える。
畑で寝ていたため、服は土だらけになったものの、そこは軽く全身叩いて土を落とす。
まだ薄暗い辺りを見渡すと、昨日は気付かなかったある重大な物を忘れていた事に気が付いた。
それはトイレのポットン便所の穴と、行き先だった。それに加えて、何かあった時の為の避難所と食糧庫を作らないといけない事に、今更ながらに気がついた。
やはり睡眠を取ると、気が付かないものが見えてくる。と思いながらも作業を開始する事にした。
家々の配置に関した事は、ちゃんと区画整理出来て問題無いだろう。 お披露目の時にでも、また天性のメンバーたちに一応聞いておこうと考える。
先に穴を掘ってでもアパートの二階のトイレから、太めのビニールパイプの様な物を通したりしながら、村の壁の外側に排泄物が出てくる場所を広めに確保して、その一ヶ所に村全ての排泄物が行く様に工夫をしながら穴を掘り、パイプを通して行った。
昨日見つけた腐土獣がいなければ、肥溜めとして数ヶ所にいくつか作る予定だったが、昨日見つけて姐さんに見せて説明受けた腐土獣のお陰で排泄物処理の未来が見えてこの様に作ったのだ。
何か都合の良い具合にあの様な獣が見つかるなんて、何やら見えない力が働いている様な気がするが気の所為だろうか。
後にでも、この排泄物が溜まる予定地に昨日見つけた腐土獣の群れを連れて来て、ここに住まわせる予定である。
あの腐土獣の出す糞は良質な土になるなら畑にも使えるし、排泄物も処理出来て一石二鳥とはこう言う事を言うんだなっと思って顔がニヤケてしまう。
次に避難所として孤児院の地下に作る事にしたものの、村のあちこちに排泄用のパイプを作ったことでギルドの訓練場みたいな大きな場所は作れなかったが、中々の広場は作る事に成功した。
地下だから崩落に気を付けて、時にはコンクリートや先程掘った排泄物のパイプに気を付けながらも、何とか出来てホッとする。
この地下にもトイレを数ヶ所作って、孤児院のトイレのパイプと繋げる等して、無事トイレの問題は解決したといえるだろう。
一応、畑側にもトイレは必要だと思って、休憩小屋として、受け入れ拒否した村のボロ屋をいくつか建てて、水路や井戸に気を付けながらパイプを通して、先程とは別の排泄物処理場を確保し、そこにも腐土獣を配置する予定で進めて行う。
勿論、居住区域側も井戸を上手く避けながらパイプを通して終わらせたから、このトイレ問題が終わる頃には結構明るくなっていた。
時間に追われて焦った俺は、壁を元に戻すべく七メートルくらいに下げた。
そして、壁の外側に人が集まっているかの確認をすると大勢の人たちが集まってしまっていた。
壁を下げるのをガッツリと見られてしまったものの、仕方ない事だと思った俺は、聞かれても絶対にスキルは秘密で通そうと心に誓った。
これでも、まだやる事が残ってるしまだ昼になってないからやれるだけの事は終わらせようと思い食糧庫を作るべく地下をまた作った。
これだけの広さの村だから食糧庫もそこそこ広さが必要だと感じ、地下は外壁のギリギリの所まで作った。
広さ的には、一ヘクタール四方で、確か約三千坪くらいで畳に計算したら、約六千とちょっとだったと記憶する。
外壁は地面に埋め込みタイプだし厚みもあるからちょっとやそっとじゃ、壊れないように作ったからこれで大丈夫だろう。
長持ちするような食糧をある程度入れて置けば、更に良いだろと考え、野菜のキャベツやジャガイモ等の保存の効く物を色々出し、倉庫自体が冷蔵庫のような保存できる感じになればいいと想像するが、これで上手くいってくれればいいが。
既に色々入れて置けば、俺が居なくなって畑の作物が出来上がるまでの間の繋ぎにもなるし丁度良いと考えた。
後は、腐土獣を連れてくるだけだろうか。
スマホの時計を見たら、もう10時を回っていた為に、急いで空を飛んで昨日いた腐土獣の群れを見つけて、群れごと宙に浮かせて排泄物処理場まで連れて行ったものの、これらの餌となる排泄物がまだ無いため、例え魔法とはいえ出したくない糞や尿を想像魔法で出した途端、勢いよく食べ出した。
このまま此処を棲家にしてくれれば良いが。
そして、粗方終わって皆んなを村に入れて問題ないか辺りを見渡して俺的には問題ないと判断して門を開けに向かう。
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