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「最近の娯楽用品は金がかかるなあ」
ゲームコーナー。
たくさんのソフトが置かれた棚の前で白のパーカーと黒ズボンを履いたミニサイズのお隣さんが腕を組みながら言った。
「どれも質が良いのかもな」
お隣さんの後ろで、見ていたレシートを財布に入れながらため息混じりに言ったスイ。
ノーパンだったお隣さんのために子供服売り場で買ったお隣さんの服。とりあえず、目に入ったものを選んでレジに持って行くと思いのほか高かった。
「ねえ、スイ、長袖暑いよー」
袖をまくりあげ、手を仰ぎ、顔に風を送るお隣さん。
「足元サンダルにしたんだ。それでなんとかしてくれ」
面倒そうに言うスイ。
「俺犬じゃないから」
喚くお隣さんを無視してスイはゲームコーナーでたむろする子供たちや、親子、背の高い高校生くらいの青年を見つめた。
「プレゼントってなんなんだろ」
頬を掻くスイ。成人と同じようにおしゃれな服を着る子供が目に入り、「やっぱ、服とか…、」と悩ましく言う。
「服は俺がお下がりもらってきてるから、そんなにじゃない?」
と、お隣さん。
「おしゃれに興味…。は無いか、ハルはゲームがほしいとか、言ったことないよな」
「知らないだけかも」
「ゲーム知らない子供っているか?」
「ハルちゃんならそうかも」
「我慢してる様子はない?」
「ハルは我慢強い子ではないよ。嫌なものは嫌って言うし。欲しかったらほしいって
言うと思うけどな」
「そうか」
「他のところ言って見ようよ」
「ああ」
と頷いたスイ。
次にブックコーナーに向かった。
スイはそのまま問題集の棚に向かった。ああ、いけない、と、いつもの自分の癖にスイは眉をしかめた。
ハルと出会ってからは高校に通うことを辞めた彼の為にと本屋に来たときは学生向けの問題集や専門書を毎回買い漁っていた。スイが買ってきたものに対してハルは嫌な顔を一つしないで喜んでいたから、ハル自身が何を欲しがっているのかを考えたり、聞いたりしていなかった。
仕事ばっかりやらないで、ハルのこともう少しみておけばよかったと、スイはため息吐いた。
ふと、お隣さんがいないことに気づいたスイ。あたりを見渡し、お隣さんを探す。
白髪の小学生が見え、スイは駆け寄ると、お隣さんは水着の表紙の女性アイドルのグラビア本を持っていた。中身が見えないようにゴムで縛られて、中が見えないのか、お隣さんは本を筒状にし、なんとか中を覗こうとしていた。
「おいっ、」
スイはお隣さんの頭を叩く。
「いてっ、ちょっとーもう少しだったのにー」
「子供らしくいろ。小学生がそんなことするか」
「らしくしてるじゃんか。好奇心旺盛」
「いいからやめてくれ」
スイはお隣さんから本を取り上げる。
「ああんもーう、」
「俺の顔でこういう本読むのやめてくれよ」
「人間の勉強だよ」
「どこが」
スイは取り上げた本を棚に戻す。
「良いの見つかった?」
浮かない顔をするスイにお隣さんが聞く。
「癖で、問題集の棚に行っちゃうんだ」
「いつも買ってるから?」
「プレゼントってなると、どこの棚に行ったらいいのか、」
「17歳が見る本と言ったらエロ本でしょ」
「もういい」
スイはコーナーから出ていこうとすると後ろからお隣さんが走ってくる。
「ちょっと、ちょっと」
「なんだ」
「早いって」
お隣さんは手を伸ばす。
「もう、君はどんどん先に行っちゃう」
「悪かったな」
お隣さんはスイの手を乱暴に掴む。
「なに」
「迷子になりそうだから繋いであげる」
「偉そうに」
スイは居心地悪そうにお隣さんの小さくなった手を握り返した。
「ねえねえ、パパー。あたしミカちゃん人形がほしいー」
「うるせえ」
飛び跳ねながらお隣さんは歩く。
「お前小学生男子だろ」
「ちょっと真似しただけじゃん」
「はあ、ハルは何がほしいんだろ」
ぶつぶついいながら歩くスイ。
店内を見渡しながら歩いていると文房具コーナーが目に入った。
ゲームコーナー。
たくさんのソフトが置かれた棚の前で白のパーカーと黒ズボンを履いたミニサイズのお隣さんが腕を組みながら言った。
「どれも質が良いのかもな」
お隣さんの後ろで、見ていたレシートを財布に入れながらため息混じりに言ったスイ。
ノーパンだったお隣さんのために子供服売り場で買ったお隣さんの服。とりあえず、目に入ったものを選んでレジに持って行くと思いのほか高かった。
「ねえ、スイ、長袖暑いよー」
袖をまくりあげ、手を仰ぎ、顔に風を送るお隣さん。
「足元サンダルにしたんだ。それでなんとかしてくれ」
面倒そうに言うスイ。
「俺犬じゃないから」
喚くお隣さんを無視してスイはゲームコーナーでたむろする子供たちや、親子、背の高い高校生くらいの青年を見つめた。
「プレゼントってなんなんだろ」
頬を掻くスイ。成人と同じようにおしゃれな服を着る子供が目に入り、「やっぱ、服とか…、」と悩ましく言う。
「服は俺がお下がりもらってきてるから、そんなにじゃない?」
と、お隣さん。
「おしゃれに興味…。は無いか、ハルはゲームがほしいとか、言ったことないよな」
「知らないだけかも」
「ゲーム知らない子供っているか?」
「ハルちゃんならそうかも」
「我慢してる様子はない?」
「ハルは我慢強い子ではないよ。嫌なものは嫌って言うし。欲しかったらほしいって
言うと思うけどな」
「そうか」
「他のところ言って見ようよ」
「ああ」
と頷いたスイ。
次にブックコーナーに向かった。
スイはそのまま問題集の棚に向かった。ああ、いけない、と、いつもの自分の癖にスイは眉をしかめた。
ハルと出会ってからは高校に通うことを辞めた彼の為にと本屋に来たときは学生向けの問題集や専門書を毎回買い漁っていた。スイが買ってきたものに対してハルは嫌な顔を一つしないで喜んでいたから、ハル自身が何を欲しがっているのかを考えたり、聞いたりしていなかった。
仕事ばっかりやらないで、ハルのこともう少しみておけばよかったと、スイはため息吐いた。
ふと、お隣さんがいないことに気づいたスイ。あたりを見渡し、お隣さんを探す。
白髪の小学生が見え、スイは駆け寄ると、お隣さんは水着の表紙の女性アイドルのグラビア本を持っていた。中身が見えないようにゴムで縛られて、中が見えないのか、お隣さんは本を筒状にし、なんとか中を覗こうとしていた。
「おいっ、」
スイはお隣さんの頭を叩く。
「いてっ、ちょっとーもう少しだったのにー」
「子供らしくいろ。小学生がそんなことするか」
「らしくしてるじゃんか。好奇心旺盛」
「いいからやめてくれ」
スイはお隣さんから本を取り上げる。
「ああんもーう、」
「俺の顔でこういう本読むのやめてくれよ」
「人間の勉強だよ」
「どこが」
スイは取り上げた本を棚に戻す。
「良いの見つかった?」
浮かない顔をするスイにお隣さんが聞く。
「癖で、問題集の棚に行っちゃうんだ」
「いつも買ってるから?」
「プレゼントってなると、どこの棚に行ったらいいのか、」
「17歳が見る本と言ったらエロ本でしょ」
「もういい」
スイはコーナーから出ていこうとすると後ろからお隣さんが走ってくる。
「ちょっと、ちょっと」
「なんだ」
「早いって」
お隣さんは手を伸ばす。
「もう、君はどんどん先に行っちゃう」
「悪かったな」
お隣さんはスイの手を乱暴に掴む。
「なに」
「迷子になりそうだから繋いであげる」
「偉そうに」
スイは居心地悪そうにお隣さんの小さくなった手を握り返した。
「ねえねえ、パパー。あたしミカちゃん人形がほしいー」
「うるせえ」
飛び跳ねながらお隣さんは歩く。
「お前小学生男子だろ」
「ちょっと真似しただけじゃん」
「はあ、ハルは何がほしいんだろ」
ぶつぶついいながら歩くスイ。
店内を見渡しながら歩いていると文房具コーナーが目に入った。
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