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閑話 三人の先輩達
4話・お覚悟なさいねっ!
しおりを挟むええぇぇいっ!逃がしませんわよぉぉおぉぉおおおっ!!
「だ~か~ら~!お待ちなさいって言っているでしょうが、平凡三下ッ!」
「―――はぐ!?」
だがしかし、わたくしは逃がすかと平凡三下の背後に素早く回り込み、
それと同時に制服の衿首後ろをグイッと思いっきり掴むと、平凡三下の
足取りを強引に止めた。
そして、
「ったく...平凡三下の分際で、何を勝手に話を完結させようとしていらっしゃい
ますのかしら?ハッキリいって、貴方の意見などどうでも良いのですよ!
何故でしたら、わたくしがこうと発した言葉はその時点で確定なる肯定となり、
決定事項なのですからねぇっ!」
わたくしは苛立っている自分の衝動を抑えつつ、平凡三下に自分理論を宣言し、
その鼻先に向かって人差し指をビシッと突き出す。
「ちょっ!な、何ですか、サーシュ先輩。そ、そのガキ大将みたいな訳の
分からない理論はぁ~~っ!?」
わたくしのワガママ持論に対し、平凡三下は露骨なまでの嫌な顔をして
愚痴をグチグチとこぼす。
だが、それが癪に障ったわたくしは、
「うっさい、うるさい、だまらっしゃいですわぁああっ!貴方は四の五の
言わずにさっさとわたくしをパーティに入れればいいんですよ~~だっ!」
顔を真っ赤にしながら、猛烈にプンプンと怒りを露にしながら抗議し、
わたくしのパーティ入りを却下を却下させる。
「たはは...こうなった時のサーシュちゃんには逆らわない方が吉だと
思うよ、ザック君。後々面倒に巻き込まれたくなかったね......」
そうそう、アンネの言う様にさっさと諦めなさいな!
さもないと、思いっきり駄々を捏ねまくりますわよっ!
「もう!分かりましたよ、分かりましたっ!俺とパーティを組んで下さいっ!
どうかお願いします、サーシュ先輩様っ!!」
平凡三下がやけくそ気味にわたくしにそう嘆願すると、深々と頭を下げてきた。
「ええ~どうしましょうかしらねぇ~♪あんな不遜な態度を取られてしまい
ましたしねぇ~?でも平凡三下がどうしてもわたくしをパーティに加えたいと
仰るのでしたらぁ~、まぁ特別にパーティに加わって差し上げ―――」
「―――ス、スイマセンでしたサーシュ先輩っ!先輩に対してそこまで俺は
不遜な態度を取っていただなんて、全くの露知らずでした!ぐぬぬぅううっ!
し、仕方ない。こ、こうなってしまったら、大変無念ではありますけど、
サーシュ先輩のパーティ参加を辞退しようかと思いますぅうっ!」
未だにわたくしを仲間にする事を躊躇っている平凡三下が、わたくしの
言葉を即座に遮った後、チャンスとばかりにパーティ入りのお断りを
しようとしてくる。
なので、
「ああ"あ"あ"あ"ああぁぁぁぁんっ!?」
わたくしはいい加減諦めろやとわんばかりに、人を刺す様な鋭い眼光と
ドスの効いた声で平凡三下をギリッと睨み付ける。
わたくしから鋭い眼光で睨まれると、
「い、いえ!なな、何でもありませんですっ!マジでスイマセンでしたっ!」
平凡三下が慌て様で、先程よりも更に深々と頭をバッと下げると、
わたくしに心からの謝罪をしてきた。
ふん、まあいいですわ。
今回は許してさしあげましょう。
しかしやりましたわ、わたくし!
結果はどうれあれ、ちゃんとパーティを組む事が出来ました。
いや~頑張りましたよね、わたくし!
及第点...いえ、花丸満点を差し上げても宜しいですわよねぇっ!!
わたくしが自分で自分を褒め称えていると、
「......はは。もうサーシュちゃんったら、ホント天の邪鬼さんですよねぇ♪」
アンネが苦笑いを浮かべながら、「裏の顔さえ見せれせば、そんな苦労を
しなくて済むだろうに......」と言わんばかりの呆れ口調をこぼす。
「......何か言いましたか、アンネ?」
そんなアンネにイラッときたわたくしは「貴女の考えている事くらい、
分かっていますよ!」という、鋭い眼差しを向ける。
すると、
「は、はひぃ!?い、いいえ!べ、別に何にも言ってませんですよ!?」
アンネは感づかれたという表情で目を丸くし、ズササと音を立てながら
後退りしていく。
そして、
「さ、さぁ~さぁ!そんな事よりもザック君!じ、時間もあまり残されていない
ようですし、急いでミカリちゃんの所に行きましょうかっ!」
アンネは慌てる様にザックも腕をバッと掴むと、
「――はぐ!?ちょ、ちょっと!ア、アンネ先輩!?そ、そんな強引に
引っ張っらないで!?こ、転けちゃいます!転けちゃいますからぁぁあっ!?」
早足でミカリのいる場所に向かって、強引にザックを引きずって移動して行く。
「あ!ち、ちょっと、お待ちなさいな、貴女達!わ、わたくしを置いて先に
行くんじゃありませぇぇぇえ~~~んっ!!」
そしてそんな二人を、わたくしは慌てて追い駆ける。
「......しかしあの平凡三下。わたくしの態度にたじろぎは見せるものの、
全く物怖じを見せる事はございませんでしたわね......」
こんなの生まれて初めての体験ですわ。
「......ザックか」
わたくし、貴方の事をもっと知りたくなってきましたわ。
「......という訳ですので、平凡三下。お覚悟なさいねっ!」
うふふ♪
わたくしは心にそう決意を刻むと、平凡三下達の下へ合流するのだった。
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