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四章 リタイの町
第四十五話・歳の事は禁句
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俺は門を無事に抜けた後、ギルドカードと今日の宿賃をゲットするべく、
ルコールの案内の元、冒険ギルドへと移動していた。
「えっと...確かそこの角を曲がれば、それっぽい建物が見えたと
思うんだけど...」
ルコールが多分「ここだったよね?」と首を傾げながら、目線の先に
見えるT路地を見ている。
「なんだよ、その頼りない記憶力は!?本当にこの道順で冒険ギルドへ
行けるんだろうな?」
「うっさい。記憶がうろ覚えでも仕方がないじゃんか!だってこの町に
来たのって、実に数十年ぶりなんだからさぁ!」
愚痴をこぼすレンヤの態度に、ルコールが膨れっ面でうっさいと
言わんばかりに怒ってくる。
「もうそんなに怒んなってば!まぁ確かに、誰でも歳を取れば記憶力は
乏しくなってくるってもんだしな。特にお前はうん百歳なわけだしよ!」
「おい!歳の事を言うんじゃない!あたしはこの見た目と同じで、
まだまだ心も身体もフレッシュな乙女だっていうのっ!」
レンヤの悪びれない言葉に、ルコールが先程よりも更に膨れっ面で
プンプンと激昂する。
「ほら、あそこを見なさいな!あたしが若い証拠として、ちゃんと記憶
通りの場所に目的の建物...【冒険者ギルド】があるでしょうがっ!」
ルコールが人差し指を遠くに見える建物へ向けてビシッと突きつけると、
あれの建物が冒険者ギルドだと告げる。
「ああ...確かに、遠くの方にそれっぽい大きな建物が見えるな?
へぇ~そっか、あの建物が冒険者ギルドなんだ?」
「うん、あれが目的の冒険者ギルドで間違いないよ!で、どうよレンヤ!
あたしのこの『若い』記憶の力はっ!!」
ルコールが無い胸を思いっきりふんぞって、自分の若い記憶力を
ドヤ顔で自慢してくる。
なので俺は、
「はいはい。とても素晴らしい記憶力ですねぇ~」
そんなルコールのドヤ自慢を軽く聞き流し、冒険者ギルドに目線を向ける。
「ちょ、レンヤ!その態度、気持ちが込もっていないんですけどぉぉおっ!」
「―――はぎゃ!?」
そんな俺の態度が気にくわなかったのか、ルコールがスッと俺の耳元に
寄って来て、思いっきり不満な叫声を荒らげる。
「はは...スマンスマン。別に無視するつもりはなかったのだよ。ただ
初めて見る冒険者ギルドに、少々心を奪われてしまってな♪」
激おこ状態のルコールに、俺はニガ笑いをこぼしつつ、無視した理由を
謝罪しながら伝える。
「あ~そうだった。レンヤの世界には冒険ギルドはないんだっけ?だったら
感動するのも分か―――」
「よっしゃ!あれが目的の冒険者ギルドなら、急いでレッツらゴーだぜ~♪」
俺は憧れの冒険者ギルドを目の前にして、心が居ても立っても居られなくなり、
猛ダッシュでギルドへと駆けて行く。
「ち、ちょっと待ちなさいよ、レンヤ~!あたしをひとり置いてきぼりに
しないで~~っ!」
自分を置いて、ひとりでさっさと冒険者ギルドに駆けて行くレンヤの後を、
ルコールが急ぎ慌てて追いかけて行くのだった。
ルコールの案内の元、冒険ギルドへと移動していた。
「えっと...確かそこの角を曲がれば、それっぽい建物が見えたと
思うんだけど...」
ルコールが多分「ここだったよね?」と首を傾げながら、目線の先に
見えるT路地を見ている。
「なんだよ、その頼りない記憶力は!?本当にこの道順で冒険ギルドへ
行けるんだろうな?」
「うっさい。記憶がうろ覚えでも仕方がないじゃんか!だってこの町に
来たのって、実に数十年ぶりなんだからさぁ!」
愚痴をこぼすレンヤの態度に、ルコールが膨れっ面でうっさいと
言わんばかりに怒ってくる。
「もうそんなに怒んなってば!まぁ確かに、誰でも歳を取れば記憶力は
乏しくなってくるってもんだしな。特にお前はうん百歳なわけだしよ!」
「おい!歳の事を言うんじゃない!あたしはこの見た目と同じで、
まだまだ心も身体もフレッシュな乙女だっていうのっ!」
レンヤの悪びれない言葉に、ルコールが先程よりも更に膨れっ面で
プンプンと激昂する。
「ほら、あそこを見なさいな!あたしが若い証拠として、ちゃんと記憶
通りの場所に目的の建物...【冒険者ギルド】があるでしょうがっ!」
ルコールが人差し指を遠くに見える建物へ向けてビシッと突きつけると、
あれの建物が冒険者ギルドだと告げる。
「ああ...確かに、遠くの方にそれっぽい大きな建物が見えるな?
へぇ~そっか、あの建物が冒険者ギルドなんだ?」
「うん、あれが目的の冒険者ギルドで間違いないよ!で、どうよレンヤ!
あたしのこの『若い』記憶の力はっ!!」
ルコールが無い胸を思いっきりふんぞって、自分の若い記憶力を
ドヤ顔で自慢してくる。
なので俺は、
「はいはい。とても素晴らしい記憶力ですねぇ~」
そんなルコールのドヤ自慢を軽く聞き流し、冒険者ギルドに目線を向ける。
「ちょ、レンヤ!その態度、気持ちが込もっていないんですけどぉぉおっ!」
「―――はぎゃ!?」
そんな俺の態度が気にくわなかったのか、ルコールがスッと俺の耳元に
寄って来て、思いっきり不満な叫声を荒らげる。
「はは...スマンスマン。別に無視するつもりはなかったのだよ。ただ
初めて見る冒険者ギルドに、少々心を奪われてしまってな♪」
激おこ状態のルコールに、俺はニガ笑いをこぼしつつ、無視した理由を
謝罪しながら伝える。
「あ~そうだった。レンヤの世界には冒険ギルドはないんだっけ?だったら
感動するのも分か―――」
「よっしゃ!あれが目的の冒険者ギルドなら、急いでレッツらゴーだぜ~♪」
俺は憧れの冒険者ギルドを目の前にして、心が居ても立っても居られなくなり、
猛ダッシュでギルドへと駆けて行く。
「ち、ちょっと待ちなさいよ、レンヤ~!あたしをひとり置いてきぼりに
しないで~~っ!」
自分を置いて、ひとりでさっさと冒険者ギルドに駆けて行くレンヤの後を、
ルコールが急ぎ慌てて追いかけて行くのだった。
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