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三章 おっさん勇者の初めての人命救助

第三十話・二つを天秤にかける

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「それにしてもこの馬車...めっちゃくちゃ豪華な作りをしているな?」

俺はドアに手をかけたようとした時、目線が彩り鮮やかな装飾品へと向く。

しっかし、凄いなこれ。

金や銀の装飾をはじめ、紋章っぽいモノの回りに散りばめられた豪華な
宝玉の数々...

さては盗賊こいつ、この宝石や宝玉が目的でこの馬車を襲ったな。

だってこれ...「私は豪華で高価な馬車ですよ~!」って、大きな声を上げて
いるようなもんだもの。

「それにこの紋章......」

俺の目に映ってくるその立派な紋章は、大鷲っぽい鳥が足爪で槍を
掴んでいた。

なんだろ、この紋章?

この彩り鮮やかな装飾品が霞んで見えるくらい、中心で目立つ様に
輝き刻まれているなぁ。


――ハッ!?


俺はその立派な馬車や紋章を見て、ひとつの不安が脳裏中を駆け走るっ!

「こ、この豪華な馬車に...装飾品......そして輝く立派な紋章。こ、これって、
もしかすると助けたら面倒事に巻き込まれてしまうパターンなのではぁあっ!?」

俺はこの直感に、額から一滴の冷や汗を流れ、それが地面へポタンッと落ちる。

だ、だとしたらどうすれば良い!?

俺の予感がもし当たっていたとしたら、どのような行動を取った方が
正しいんだ!?

俺の直感を信じて、馬車の中にいる美人さん達とは会わずに、急ぎこの場を
去った方がいいのか?

それとも、そんな一抹な不安は二の次にして、美人さん達による御褒美
タイムを満喫した方がいいのか?

「.........」

「.........」

「.........うん、ここはやっぱり御褒美のチューを貰いたいよね~♪」

面倒事と御褒美のチュー......この二つを天秤にかけて、じっくりと考えた
結果、御褒美のチューが圧倒し、俺は喜び勇んで馬車のドアノブを
ガリャリと開ける。

「二人ともご無事ですか?貴女方を襲った連中は俺と相方で退治したので
もうご安心―――」

おおおぉぉっ!?ここ、これはぁぁぁぁあっ!?

か、完璧に整った顔立ち...それをサポートするかの様な、金髪のサラサラ
ロングヘア...

水晶かと見間違う程に透き通って輝きを見せる、エメラルドグリーンの
大きな瞳!

それに加え、年齢を感じさせないスベスベでみずみずしいお肌っ!

そして...何よりもこれが最大で最高な良好点、


おっぱいが、めっちゃ大きいっ!

おっぱいが、めっちゃ大きいっ!!

おっぱいが、めっちゃ大きいっ!!!


重要且つ、重大な事なので、三回も言わせてもらいましたっ!!!!


ヤッハァァァァアア―――――ッ♪


そして俺は、その感動を表す叫声を、心の中で目一杯荒らげるのだった。

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