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三章 おっさん勇者の初めての人命救助

第三十一話・これは駄目ですな

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さ、さて...もうひとりの方はどうかな?

俺は期待を込めて、美人さんの横にいる人物へ目線を向ける。

本来、女性を顔や姿だけで評価するのはいただけない行為なのだが。

いいや...ここで虚言や見栄を張るのはやめておこう。

俺は美人さん....特におっぱいが大きいならそれでいい男。

そう、性格なんぞは二の次の男なのだからっ!

おっと、いかんいかん。

こんな所で俺の趣理論を発表している場合じゃなかった!

「それでは改めて、お待たせの可愛い娘ちゃんはっと...」

俺は気を取り直して、もうひとりの女性の方へドキドキで目線を向ける。



「............」



「........ああ」

うん、これは駄目ですな。

可愛いといえば、確かに隣の美人さんと同じレベルで、めっちゃ
くちゃ可愛くはあるけれども、

どう見てもこの子、年齢が十代前半くらいだもん。

それに何故かわからんが、こんな可愛い顔立ちをしているのに、
この子からは全く女性っぽさを感じ取れない。

どちらかって言うと、この子からはルコールと同類の匂いがする。

「―――ハッ!?」

ル、ルコールさんがこちらをお睨みになられている!?

も、もしかして俺の思っている事がおわかりにっ!?

「あ、あの...?ど、どうかなされたのでしょうか?何やら先程から、
ボーッとしていらっしゃいますけれども?」

「はうっ!?」

ボケッと思考しているレンヤの顔を、美人さんが心配そうな表情をして
覗き込んでくる。

「す、すいません!?貴女方お二人があまりにも素敵でお美しい女性で
したので、つい見とれていました!」

「あらあら、とても御上手な御方ですわね。でも、悪い気はしませんかしら♪
ねぇ、アリア♪」

「ま、まぁ...私が美人なのは当然な事ですけど、お母様の言われた通り、
言われて悪い気はしませんことよ!」

美人さんの横で、アリアと呼ばれた少女が顔中を真っ赤に染めてつつ、
ツンデレっぽい事を述べて同意する。

「でも本当に貴方のおかげで助かりましたわ。危うくこの子とあの世へと
旅立ってしまう所でしたもの!」

「わ、私も一応感謝するわ。でも助けに来るんだったら、もうちょっと早く
助けに来なさいよね!」

キサリは頭を深々と下げ、感謝の意を表し、アリアは顔をしかめつつも
その頬を赤くし、同じく感謝の意を表した。

「はは...大事にいたらなくて本当に良かったです。こんなキレイな女性方に
もし傷でもついてたら一大事でした!」

「ふ、ふん...しかしどうせ助けられるのなら、あなたみたいにくたびれた
おっさんなんかよりも、勇者様のようなカッコいい殿方に助けられたかったけど、
で、でもまぁ...ここはあなたで、が、我慢してあげるわっ!」

にこやかな表情で述べるレンヤの言葉を聞いた瞬間、アリアの顔が耳まで
真っ赤に染め変わり、それを誤魔化したいのか、ツンデレッぽい言葉を懸命に
述べるアリアだった。

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