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教団と大精霊
第368話-過去と今-
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「うん、戻ってないよ」
あっさりと答えられてしまう。
いやまぁ結果としてそうなんだろうけど、なんかこう大事だし溜めたりするのかなと勝手に期待してた自分が少し恥ずかしい。
「少しは戻ってるけどね、まぁ誤差だよ。何より昔より人も増えてる、人が増えればその分魔法を使う人も増えるからね」
「その分消費量は多くなる」
「その通り。分かってるね」
「続けていいですか?」
「僕は構わないよ」
一度周りを見渡して目でみんなの意見を確認した。みんなが頷いてくれたからそのまま私が質問をすることにした。
「テールさんがこの時代に出てきたのは魔法が復活して、大地の生命が削られているからと考えていいんですか?」
前から気になっていた。こんな人が今までどこかで生活していたとは到底思えなかった。
それにさっき聞いた1000年という時間。そして話の節々に感じた昔話感。どこか今に生きる周りの人達と違う時代から見ているような視点。
可能性として感じられるのは……。
「どうしてそう思ったの?」
私は自分の考えを伝えた。疑問点とその考えに至った理由を。
「それにさっき魔法を忘れさせたって言ってましたし。だから多分その時にテールさんも一緒にこの世界から外れたんじゃないかなって」
「正解だよ。付け加えるとしたら僕らが眠った理由だ」
「理由……?」
「魔法が消えたことで僕ら大精霊の役目は終わったんだ」
「役目って……?」
一つの返答からどんどん疑問点が湧いてくる。どこで話が終わるのか見えなくなってきた。
「大精霊がいるから君たちは魔法が使えるんだ」
ここにいる場の全員が息を呑んだ。
「君たちの身体能力を補強したり、それを他人に分け与えたりするのは本来の力さ。だけど、火、水、風、土の魔法は違う。それは大精霊がいるからこそ使える魔法だ」
突然のカミングアウトに驚きが隠せなかった。
「そ、それってつまり他にも大精霊がいるってことですよね」
「あぁ、他に三人にね。何処にいるかは知らないけどね」
テールさんのような存在が他にもいる。そのこと自体は驚きじゃなかった。少しは予想していた。彼は「土の大精霊」と前に言っていた。それはつまり他にもいるようにも確かに聞こえていたから。
「さてそしたらさっきの質問にも答えようかな。ここからは何故僕が目覚めたかだよ。君からの質問にも答える形になるかな」
テールさんの視線はヤンに向けられていた。
あっさりと答えられてしまう。
いやまぁ結果としてそうなんだろうけど、なんかこう大事だし溜めたりするのかなと勝手に期待してた自分が少し恥ずかしい。
「少しは戻ってるけどね、まぁ誤差だよ。何より昔より人も増えてる、人が増えればその分魔法を使う人も増えるからね」
「その分消費量は多くなる」
「その通り。分かってるね」
「続けていいですか?」
「僕は構わないよ」
一度周りを見渡して目でみんなの意見を確認した。みんなが頷いてくれたからそのまま私が質問をすることにした。
「テールさんがこの時代に出てきたのは魔法が復活して、大地の生命が削られているからと考えていいんですか?」
前から気になっていた。こんな人が今までどこかで生活していたとは到底思えなかった。
それにさっき聞いた1000年という時間。そして話の節々に感じた昔話感。どこか今に生きる周りの人達と違う時代から見ているような視点。
可能性として感じられるのは……。
「どうしてそう思ったの?」
私は自分の考えを伝えた。疑問点とその考えに至った理由を。
「それにさっき魔法を忘れさせたって言ってましたし。だから多分その時にテールさんも一緒にこの世界から外れたんじゃないかなって」
「正解だよ。付け加えるとしたら僕らが眠った理由だ」
「理由……?」
「魔法が消えたことで僕ら大精霊の役目は終わったんだ」
「役目って……?」
一つの返答からどんどん疑問点が湧いてくる。どこで話が終わるのか見えなくなってきた。
「大精霊がいるから君たちは魔法が使えるんだ」
ここにいる場の全員が息を呑んだ。
「君たちの身体能力を補強したり、それを他人に分け与えたりするのは本来の力さ。だけど、火、水、風、土の魔法は違う。それは大精霊がいるからこそ使える魔法だ」
突然のカミングアウトに驚きが隠せなかった。
「そ、それってつまり他にも大精霊がいるってことですよね」
「あぁ、他に三人にね。何処にいるかは知らないけどね」
テールさんのような存在が他にもいる。そのこと自体は驚きじゃなかった。少しは予想していた。彼は「土の大精霊」と前に言っていた。それはつまり他にもいるようにも確かに聞こえていたから。
「さてそしたらさっきの質問にも答えようかな。ここからは何故僕が目覚めたかだよ。君からの質問にも答える形になるかな」
テールさんの視線はヤンに向けられていた。
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