異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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閑話:ユラの遠足!②

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「部隊長、ユラ様の警護は楽ですねぇ。」
 チハル部隊の副隊長が呟く。

「そうね、チハル様の様な突拍子もない行動は・・・ってちゃんと気を張って見張りなさい!」
「見てますよぉ、全方向から。」
 部隊長は喝を入れたものの、第一部隊10人がそれぞれ少し距離を取り、さらにその中の4人は飛行魔道具で空からも警護していた。

「隊長、3人組でユラ様の班を見ているバカが居るとの事です。」
 副隊長が報告を受け、部隊長に言う。

「ユラ様達は目立つものね、サリナ様が付いているから何かあるとは思えないけど、尾行してる様なら拘束しなさい。」
「了解です。」
 部隊長は指示をすると、引き続きユラ達を警護した。


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「親分、尾行させていた3人の連絡が取れませんぜ。」
「はぁ?何やってんだ、ガキの尾行だからって舐めてんだろ。」
 犯罪ギルドの親分と呼ばれた男はため息を吐く。

「やんごとなき方からの依頼だ、ガキ1人くらいサクッと捕まえて来いってんだ。」
「それが、侍女や執事が必要以上に警戒している様で。」
「はぁ?何で侯爵程度の執事でビビってんだ。」
「それが・・・、狐耳獣人のガキに付いている侍女達がヤバいんですわ。」
「狐耳の獣人?何で獣人に侍女が付いてんだぁ?」
「さぁ?兎耳侍女は近づくと直ぐに見て来やす、目つきの悪い侍女は遠くから見ていても気付いて見て来やす。」
「狐耳のガキはどうでも良いんだよ!俺たちの目的はダグーレン侯爵のケンブリットってガキだろ、サッサととっ捕まえてこいや!」
「へ、へい!」
「まったく使えねえ、街で無理ならやっぱり夜にでも攫うか。」
 男はそう呟くと、テーブルのグラスを掴み酒を呷った。


-----------------


「お昼ご飯美味しかったね!」
 イーレンはニコニコ顔でユラと話す。

「チハルおねえちゃんのレシピだもん♪」
 ユラはチハルが褒められたようで嬉しくなり、笑顔で答える。

「ユラ、レン、昼から商業ギルド見学行くってさ。」
 ケンブリットとシュウラスがユラ達の所に来て言う。

「商業ギルド行って何するの?」
「さぁ?」
「僕部屋でトランプしたいな。」
「私もー。」
「まぁ俺もだけどな、でも最近出来たお菓子作る所とか、お肉の加工場とかも行くらしいぜ?お菓子食べれるってさ。」
「お菓子!?」
 ケンブリットの言葉に3人は目を輝かせる。

「さぁ!集合場所に行くわよ!」
「レン、まだ早いぞ。」
「良いじゃ無い!遅れるより良いでしょ!」
 イーレンはユラの手を引き、ケンブリットとシュウラスは苦笑いしながらついて行った。


-----------------


「はーい、ココがお菓子を作っている所ですよー。」
 案内をする女性は子供達に歩きながら説明をする。

「チハル王女殿下がお考えになられたお菓子を作ってます、これは『くっきぃ』と言うお菓子です。」
 千春が暇つぶしに頼子と作ったクッキーは、シャリーに伝わり、シャリーが量産する事で瞬く間に王都へ広がったお菓子の1つだ。

「ユラ食べたことあるよ。」
「私もー!」
「僕は無いなぁ」
「俺も無い、おいしいのか?」
「「おいしいよ!」」
 ユラとイーレンは被り気味にケンブリットへ言う。

「皆さんにも休憩所でお渡ししますので食べて見てくださいね!」
 案内の女性は皆を連れ休憩所へ案内する、そしてお菓子が配られる。

「美味しい!」
 貴族の子や商人の子達も、退屈な見学だったがクッキーを口にすると笑顔になり、休憩所は大騒ぎだ、ユラもイーレンと話しをしながら楽しそうに食べていた。

「・・・ケンは?」
 イーレンはクッキーを食べながら見回す。

「トイレだよ。」
 シュウラスが答える、するとユラがぽつりと呟く。

「血の匂い?」
 ユラが言うと同時にサリナが声をだす。

「モリアン、ラルカ!」
「はい!」
「はい!」
 モリアンとラルカはその言葉を聞き直ぐに走り出す、周りの者は何事かと走り去るモリアン達を見るが、すぐに興味を無くす、そして直ぐにラルカが戻る。

「サリナさん!執事さんが背中を刺されてました!」
「ケンブリット様は?」
「居ません、気配を探りましたが何も聞こえませんでした。」
「・・・モリアンは?」
「今執事の止血と傷の確認をして居ます。」
 サリナは少し考える、優先はユラの安全、警護、しかしユラと仲の良いケンブリットを見捨てるわけにはいかないと。

「第1班、持ち場を離れ捜索。」
 魔道具に向かい命令を入れるサリナ。

「サリナおねえちゃん・・・。」
 イーレンとシュウラスはどうしたのかな?と見ていたが、耳の良いユラには全て聞こえていた。

「大丈夫ですよ、連れ去ったと言う事は生きているはずです、直ぐに探し出しますから。」
 ユラはそれを聞くと涙を流す。

「ユラ!」
「ルプ!!!」
「誰だぁ?ゆらを泣かせた奴ぁ。」
 ユラの気配をずっと見て居たルプは異変を感じ休憩所に入ってくると、直ぐにユラの所まで来る。

「ルプ!ケンくんが誰かにつれていかれたの!」
「あー、あの生意気そうな男の子か。」
「生意気じゃ無いよ、優しいよ、いつも守ってくれるもん。」
 ユラは学園に入学した当初、王女とは言え養女で獣人と言うこともあり、冷やかな目で見られていた、それを払拭したのはイーレンとケンブリットだった。

「へぇそいつは助けてやんねぇとなぁ、ケンの匂いが付いた物は有るか?」
 ルプがそう言うと、イーレンとシュウラスは頭を横に振る。

「ユラ、ケンくんの匂いわかるよ!」
「んー・・。」
 ユラを連れて行くと危険があるかも知れないとルプは一瞬悩む。

「ルプさん、私達も行きます。」
 サリナは箒を出しながら言う。

「サリナさん!執事さんは何とかなりました!中級ポーション使っちゃいましたけど!・・・あれ?ルプさん?」
 モリアンが戻り、事態を何となく把握すると、担任が駆け寄る。

「どうされましたか?!」
「メリット先生、ケンブリット様が攫われました、直ぐに探し出します、ユラ様、行きましょう。」
 モリアンは執事の事をメリットに伝えて外に出る。

「ロイロ!!!」
 ルプは大きな声で空に向かって叫ぶ、すると人型のロイロが飛んで降りてくる。

「なんじゃぁバレておったか。」
「ロイロの気配はすぐ分かるからな、ユラの友達が攫われた、ユラを泣かせたバカをヤルぞ。」
「はぁぁ?ユラを泣かせたじゃと?命が要らんのじゃなそいつは。」
「ユラどっちだ?」
 ユラはルプの背中に乗り指を差す。

「あっち!」
 ユラが差す方を見ると、ルプは駆け出す、そしてサリナ達は箒で飛び立ち、ロイロも地面を蹴るとルプを追いかけた。






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