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婚約!?

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「さっきから思ってたんだけどこの部屋ちょっと暑く無い?暖房効きすぎ?ってかエアコンあるの?」
「いや、こっち夏なんだよ。」
「え?季節逆なの?」
「そ、南半球っぽいんだよねー、他は日本とほぼ同じだね。」
「それじゃ日本冬なのに海水浴行けるとか?」
「海良いよねー、ヨリお泊まり行ける感じ?」
「大丈夫でしょ、アイトネ様がスマホ使える様にしてくれたから連絡取れるし、あーでも千春のお父さんに一回連絡して貰った方がアンパイかも。」
「お父さんいるよ?」
「何処に?」
「多分この時間はお父様・・国王陛下の自室でリバーシしてんじゃ無いかな?」
 そう言って話をしていると大樹が帰って来た。

「千春お帰り、楽しかったかい?あ、ドーナツ食べてたのか。」
 ドーナツの食べカスを見ながら千春に言う。

「あ、お父さんの分も全部食べちゃった。」
「良いよ、この人数だからね、お?ヨリちゃん久しぶり!連れて来て貰ったんだね、驚いたろ。」
 笑いながら頼子に話しかける。

「はい、めっちゃ驚きました。」
「だよねー、あ、千春日本にちょっと連れて行ってくれるかい?」
「良いよー、またお酒?」
「あー、それもあるけど将棋を取りに行きたいんだ。」
「お父様ハマりそうだね、お酒買うならルプとロイロのも買いたいから一緒に行って良い?」
「良いよ、この前預けたのは?」
「全部飲み干した。」
「まぁ少しだったからね。」
「いやいや、結構あったよ!」
「ハハハ、それじゃ行こうか。」
「千春私も荷物持ちするよ。」
「私もお手伝いしますね。」
 頼子とサフィーナも荷物持ちで付いてくる。

「サフィー翻訳魔道具渡しとくね。」
「大丈夫です、実家に言って取り寄せたのを持参しましたから。」
「流石サフィー抜かりないね。」
 4人で酒屋に向かう。

「大樹殿、わっちはヨリと契約したビェリーと言うもんだ、よろしくな。」
「お?!」
 大樹は頼子の頭でトグロを巻いて話しかける白蛇を見る。

「ビェリーだね、よろしく、2人を見ててくれると助かるよ。」
「任せてくれ、まぁ千春には既にわっちより格の高い2人が付いとるけん心配せんでも良いやろけど。」
「そうだね、あの2人にはお礼に良いお酒でも買っとこう。」
「安いお酒でいんじゃない?」
「気持ちだからね、あ、酒屋さんには千春が買える様に言っとくから。」
「えー?違法じゃ無いの?」
「直接買えばね、ネットで注文して配達してくれるから、あそこ同級生がやってんだよ、それに千春は飲まないでしょ。」
「あんなの飲むならバナナジュース飲むわ。」
 苦い顔をしながら舌を出す千春。

「まぁ向こうで飲む分には構わないけどね。」
「え?良いの?」
「だって日本じゃないから、地球でも海外に行けば日本国籍の未成年でも飲めるよ、それに千春は魔法でアルコール飛ばせるじゃないか、万が一でもそれがあるなら安心だ、効果は身に染みて分ってるからね。」
 ハハハと笑いながら千春に言う。

「あー、それとカード1枚渡しておくよ、お酒と女神様のお菓子はココから出して良いからね。」
「えー、お酒代めっちゃ掛かりそう、大丈夫なの?」
「うん、これ見て。」
 そう言うと指に付いた指輪を見せる。

「何そのダサい指輪、そんな指輪付けてたっけ?」
「いや、お父さんが作った、向こうの金貨でね。」
「えー!そんな事出来たの?」
「うん、お父さん土属性有るらしくて金属の加工が出来るんだよ。」
「おー土の上位属性だ!」
「わーこんな事出来るんだ、私も出来るかな?」
「お?ヨリちゃんも土属性持ちかい?」
「はい!後闇も有ります、ビェリーのおかげなんですけどね。」
「へぇ、まぁこの金細工を出張先で捌くからお金は気にしなくて良いよ。」
 指輪を外し千春に渡す。

「ずる~い!」
「ずるくないよー、日本でも金として売れば大丈夫だろうけど、向こうなら気にせず売れるからね。」
「未成年には無理だにゃー、ちなみに向こうの金貨って何パーセントくらいの含有率なの?」
「概ねk18って言われる75%だね。」
「この指輪も?」
「いや、コレは純金にしたよ、k24って言われてる100%金。」
「そんな事も出来るの?」
「うん、化学式や元素記号知ってたら簡単だね、作って分かったんだけど地球じゃ作れない金属も作れそうだったよ。」
 大樹は思い出しながら楽しそうに言う。

「例えば?」
「伝説の金属、ヒヒイロカネやオリハルコンだ、これは魔法じゃ無いと多分作れない。」
「お父さん作れるの?」
「何を混ぜるか、あと配合率が分かれば出来そうなんだよなー、あー!向こうで研究したいなぁ。」
 悔しそうに目を瞑る大樹。

「仕事辞めてもそれで食べて行けそうだね、まぁ向こうで暮らせる稼ぎは有るけど。」
「そうなんだけど、今やってるプロジェクト終わらせたいからなー、早くても3年、いや、5年かかるかなぁー。」
「そんなに掛かるの?」
「うん、千春が結婚する前には帰って来たいなぁ。」
「私結婚する予定無いんだけど。」
「あ、うん、そうだね。」
 大樹は目を逸らし返事をする。

「何?なんか企んでるでしょ!」
「いや、まぁ、そのね?エイダンさんとメグさんがね、その、第一王子のエンハルト君とどうかな?ってね?」
「えー!初めて聞いたよそんな事!それにハルト兄様が嫌がるでしょ!」
「そんな事ないよ、喜んで受けてくれるって言ってくれたよ。」
「えぇぇぇ!。」
「何?千春王女から次期王様のお妃様になんの?」
「なんないよ!・・・ね?お父さん何て言ったの?」
「え?・・・・了解したけど。」
「ちょっとー!勝手に決めないでよー!」
「大丈夫だよ、エンハルト君も、千春は来たばかりで今楽しんでるし、落ち着いてその気があればその時話をしようって言ってくれてるから。」
「もー、どんな顔してハルト兄様に会えばいいのよー。」
 千春は怒りながら、そして顔を赤くしながら前を歩く。

「ええのう若いもんは。」
「ヨリも私も同い年ですよ。」
「あはは、私もいい出会いあったらあっちで結婚するのも有りなんだけどなぁ、」
「ヨリなら選び放題ですよ?私の所は侯爵家ですし、チハルの友達ですから、気を付けないとどんどん声かけられます。」
「マジで?!モテ期到来じゃん!」
「ヨリー他人事だと思ってー!」
「あはははごめんごめん。」
 女3人でキャッキャと話をしていると酒屋に到着した。

「さて、ロイロとルプは何が良いって?」
「ロイロはウイスキー、ルプは日本酒だね。」
「オッケー、何本か銘柄変えて買っとくよ。」
 大樹は見て周りながらカゴにお酒を入れていく。

「千春欲しい物有ったら買って良いよ、生活費ほとんど手付けてないでしょ、光熱費もほぼ基本料だったよ?この一カ月。」
「あー、ほとんどあっちで生活してたからねー。」
 千春は自分の飲み物やユラのジュースをカゴに入れる。

「サフィー欲しいの有る?」
 サフィーナが銀色のドライな奴を見つめていた、

「それ気に入ったの?」
「はい、エールなんて目じゃないです、あのピリッとした喉越し、美味しかったです。」
「貴族の娘がビールねー、ヨリと姉妹になるんだっけか。」
「そうらしいね、どう見ても私が妹よね。」
「いや!そのおっぱいの差でヨリが姉だね。」
「なんでよw」
「銀色のアレと、酎ハイも入れとこ、たんなかったら買えるらしいし。」
 カゴと手に大量の飲み物を入れレジに行く。

「お父さん、それ持てるの?」
「んー、頑張る。」
 カゴに入りきらないお酒を買い込む大樹を見て千春は思わず聞く。

「千春、わっちが運ぶから大丈夫やけん。」
「え?どうやって?」
「影に入れる。」
「あ、ビェリーはこっちでも使えるのか。」
「魔法と言ってたが、わっちはこっちでも呪術として使っとったからな。」
 先に千春の荷物を清算してもらい表に出る。

「千春そこに置いてくれ。」
「ほい。」
 地面に袋ごと置くとズブズブと影に沈む。

「おー!すっごい!」
「後は大樹殿の荷物やね、皆んな手伝っちゃリー。」
「はーい。」
 3人はそれぞれ荷物を受け取り表に出ると地面に置く、そしてビェリーが影に沈める。

「はー!いっぱい買ったー!しばらく持つかな、あれ?荷物は?」
「ビェリーが影に収納してくれたよ、お父さんそれも地面に置いてみて。」
「うん、ここで良い?」
 袋を置くと沈んでいく。

「おぉ!凄いな!」
「へっへー、こっちで買い物の時はわっちを連れて行きゃー良い、いくらでも入れちゃーけん。」
「さんきゅービェリー。」
 ヨリは頭の上に手をやりビェリーの頭を撫でる。

「よし!荷物が無くなったから他にも買い物するか、千春ケーキでも買っとく?」
「良いね、私のアイテムボックスなら腐らないし、ちょっとストックしときたいかな?」
「オッケー、女神様にもお礼しないとだし、近くのシュトルーゼで買って帰ろう。」
 4人はその足でケーキを買い、スーパーに寄ってアイスクリームやオヤツを買い漁る。

「お父さん買いすぎじゃん?」
「まぁ良いだろ、食費とか全然掛かってないし、冬のボーナスも出てるからね!こう言う時に使わないと。」
 そして人目の付かない場所でビェリーが収納し、皆手ぶらで帰る。

「さーて!戻ったら松茸づくしだぁ!」


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