女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -躍動編-

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鈴ちゃんも僕に近づいてきて、この左耳に下がる《赤姫と黒助くん》を覗き込んだ。


『みんな、こんなに間近で見たことないかも?だけど…ほんとに凄いの。このピアス。精巧に細かーく細工されてて、凄く可愛い2匹の金魚のピアスなの!』


鈴ちゃんが、十分この金魚ピアスを観察したところで、僕は今度は髪について触れた。


『そ、それとね…この私のヘアカットは、アン…』

「知ってるー」
「アンナさんの美容院ー」


…アンナさんのお店に話題を振って、こちらについても《恩返し》しようと思ったら…観客から「知ってるー」の反応。

突然、《特設ステージ運営専用テント》から赤い光の点滅が見えた…?


『あっ、ヤバい!』

『えっ?なに?どうしたの?』
『??』


鈴ちゃんが急に慌ててる…そして腕時計を見た。


『もう私たちのステージ終了時間、過ぎてるの!しめよう!詩織ちゃん!金魚ちゃん!』

『きゃははは。はーい♪』


金魚ちゃんが『はーい、皆さーん!』と観客に呼びかけながら、一歩前に出た。
秋良さんと啓介さんは、先にステージを下りていった。


『金魚ちゃんたちがお買い物してるお店、解りましたー?』


鈴ちゃんの問い掛けに、ちょっと反応がいまいちの観客たち。
だって、そりゃ…お店の紹介をちょっと聞いただけでは覚えられないし。


『あ…そっか。ごめんね。あははは』


鈴ちゃんは観客に、ちょっと恥ずかし気に謝った。


『えっと…じゃあ、月曜日の私の《リンリンぶろく♪》に、このステージ出演の記事に合わせて、金魚ちゃんのお買い物してるお店の詳細も掲載しますので、興味ある人はそちらで確認してくださいね…』






『…では、お時間が来ましたので、この《お喋りコーナー》は終わりでーす!』


僕と詩織とみかなちゃんと鈴ちゃんは、たくさんの観客へ手を振りながらステージを下りた。そして観客さん達は、最後に大きな拍手と声援で見送ってくれた。




ステージを下りたところでも『みんな、お疲れさまー!』『金魚ちゃんも詩織ちゃんもありがとうね!』『はーぁ、楽しかった~』ってまたこの4人で楽しく、わーわーと感謝し合った。


『…あ』


ステージの階段の向こう…ステージの裏で、ギターケースを肩に下げた秋良さんと啓介さんが待ってくれていた。


『私たち、先に《特設ステージ用テント》で待ってるね』

『うん…じゃ、あとで』


鈴ちゃんとみかなちゃんは、ここで一旦僕らと別れてテントへと戻っていった。



























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