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6話
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「フィルザの絵ってどれになるの?」
「これとかがそうだね。マリーに見せるのは恥ずかしいけれど……」
フィルザは照れ臭そうにしていた。私は創作の能力がないから分からないけれど、恥ずかしい気持ちは分かるかもしれない。自分の作った作品を見せるのはそれだけ勇気がいるだろうから。
「女の人……?」
「母上を模写してみたんだ。この世に産んでくれたことを感謝に替えて描いてみた」
「なるほど……」
「フィルザ様の絵はとても好評を得ております」
ドルト館長はどこか自慢気だった。まるで自分の絵を褒めているかのようだ。
「やめてほしいな……恥ずかしいよ」
「いえ、フィルザ様はもっと自信を持たれた方がいいかと思われます」
「そうかな?」
「ええ。ファーロス国王陛下にも気に入られているのですから!」
「え、ええ~~~!?」
驚きの事実を聞かされた気分だった。まさか、イヴァン・ファーロス国王陛下にまで気に入られているなんて思わなかったわ。信じられない……。
「本当なの、フィルザ?」
「ま、まあ……嘘ではないかな。一応、国王陛下にも褒められたことがあるし、陛下も絵を買ってくれたからね」
「そんなことが……」
これはフィルザの才能は本物なのだろう。ファーロス国王陛下は他国の様々な彫刻や絵画などを集めていると聞いているし。そんな上のお方にも褒められるのは相当なものだった。
「あれ、もしかしてそれって……」
「気付いたかい、マリー? 俺の繋がりというのは絵画を通して国王陛下と繋がっているということさ」
「ああ、そういうことだったんだ」
だから、私をこの美術館に連れて来たのね。フィルザは国王陛下との繋がりを私に伝えたかったんだわ。
「普通なら国王陛下との繋がりを持つのは大変だ。でも俺なら……もしかしたらファーロス様も聞いてくれるかもしれない」
「な、なるほど」
「マリーの理不尽な境遇をどうにかできるかもしれないね」
「私のために?」
「ああ、大切な幼馴染だからね。ファーロス国王陛下に連絡を取ってみるよ」
これほど嬉しいことはいつ以来だろうか? ファーロス国王陛下との繋がり……それは予期せぬところから生まれた。
「これとかがそうだね。マリーに見せるのは恥ずかしいけれど……」
フィルザは照れ臭そうにしていた。私は創作の能力がないから分からないけれど、恥ずかしい気持ちは分かるかもしれない。自分の作った作品を見せるのはそれだけ勇気がいるだろうから。
「女の人……?」
「母上を模写してみたんだ。この世に産んでくれたことを感謝に替えて描いてみた」
「なるほど……」
「フィルザ様の絵はとても好評を得ております」
ドルト館長はどこか自慢気だった。まるで自分の絵を褒めているかのようだ。
「やめてほしいな……恥ずかしいよ」
「いえ、フィルザ様はもっと自信を持たれた方がいいかと思われます」
「そうかな?」
「ええ。ファーロス国王陛下にも気に入られているのですから!」
「え、ええ~~~!?」
驚きの事実を聞かされた気分だった。まさか、イヴァン・ファーロス国王陛下にまで気に入られているなんて思わなかったわ。信じられない……。
「本当なの、フィルザ?」
「ま、まあ……嘘ではないかな。一応、国王陛下にも褒められたことがあるし、陛下も絵を買ってくれたからね」
「そんなことが……」
これはフィルザの才能は本物なのだろう。ファーロス国王陛下は他国の様々な彫刻や絵画などを集めていると聞いているし。そんな上のお方にも褒められるのは相当なものだった。
「あれ、もしかしてそれって……」
「気付いたかい、マリー? 俺の繋がりというのは絵画を通して国王陛下と繋がっているということさ」
「ああ、そういうことだったんだ」
だから、私をこの美術館に連れて来たのね。フィルザは国王陛下との繋がりを私に伝えたかったんだわ。
「普通なら国王陛下との繋がりを持つのは大変だ。でも俺なら……もしかしたらファーロス様も聞いてくれるかもしれない」
「な、なるほど」
「マリーの理不尽な境遇をどうにかできるかもしれないね」
「私のために?」
「ああ、大切な幼馴染だからね。ファーロス国王陛下に連絡を取ってみるよ」
これほど嬉しいことはいつ以来だろうか? ファーロス国王陛下との繋がり……それは予期せぬところから生まれた。
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