緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

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22.予期せぬ望み

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 我々は?
 アーリンくん……いや、オズバーン団長と言ったほうがいいのかな。
 この後、どんなことを言うのか。
 その言葉で、世界の命運が決まるかも知れない。
 心臓が高鳴ってくる。
 周りの人たちをみてみる。顔が引きしまっていた。
 みんな、固唾をのんでるんだ。
 果たして、朱墨ちゃんが望み、選んだ答えとは。
 オズバーン団長は、神妙な面持ちだ。
 なぜか、その鼻がひくひくと動いている。
 ケースから、こん棒をあらためて取りだした。
 そしてじっと見ている。
 鼻を近づける。
 においを嗅いでいるんだ。
 塗りたてのウルシのさわやかな香りが、こっちまできた。
「このマシンがもっと見たいです!」
 そう言うと、こん棒とケースをおじさまに渡した。
 というか、押し付けた!?
「リッチーさんもオーガもモリーも、そう思いますよね!?」
 おじさまは、あっけにとられてすぐ手を動かすことができなかった。
 団長の言葉からすると、この人がリッチーさんなのかな。
 渡されたこん棒を、なんとか落とさずにすんだ。
 さすがプロ。なのかな?

 一方のオズバーン団長は、全自動こん棒修理マシンに情熱的にかけより、ピタッ! とくっついた。
 ……え?
 自棄になったり、おかしくなった感じはない。
 彼の眼はキラキラと輝き、喜びに見開かれている!
 再び周りを見てみる。
 全ての顔から引きしめがとけて、口がカクンと開いていた。
 みんな、アゴが外れたんだ。
 私も。
 アゴを、そっと手で押し戻したよ。
「これは。基本構造はオリハルコンではないですよね。
 こちらの世界で多く使われる、鉄ですか?!」
 団長、興味シンシンだね。
 朱墨ちゃん、本当にこれでいいの?
 そう思って目をむけると。
 胸に手を当てていた。
 彼の言葉を、真剣に受け止めてるように見えた。
 もしかしたら、いいコンビ、でなくても、いい関係は築けるかな。
 だったらいいな。
 オリハルコンとは、とっても硬くて異能力を強化してくれる金属だ。
 地球では古い伝説にしかほぼ登場しないけど、実在するんだよ。
「ほとんどはね」
 朱墨ちゃんが言った。
「でも、部品ごとにいろんな金属やプラスチックなどのいろんな物質を使ってるよ」
「それを電力で動かしているのですか?!
 ボルケーニウムの維持にも使えるのですか!?」
 ボルケーニウムとは、ボルケーナ先輩の体を作る変な……超常物質。
 どんなエネルギーも吸収するし、自分の性質を変えられる。
 硬くなったり柔らかくなったり、暑さや冷たさも変えられる。
「主な機械は電力ね。
 でもボルケーニウムの維持には、無限炉心て魔法的技術が使われてるはずだよ」
 そう言って、朱墨ちゃんは私を見てきた。
「その辺は、うさぎ先輩の方がくわしいはずだよ」
 かっこいい!
 ここは答えないと。って気持ちになる。
「じゃあ、機密に接触しない範囲で……」
 えーと。

「無限炉心とは、私のウイークエンダー・ラビットなどに使われエネルギー源です。
 この地球でもっとも小型で、高いエネルギーを発生させる生体部品です。
 ボルケーニウムは、機械では維持できません。
 必ず生命とつながらなければならないのです」
 もうちょっと解説するかな。
「もとは、地球で生まれた技術ではありません。
 ルークスという別の星で生まれた知的生命体、タイリナルの生態をまねして作られました」
 厳密には、我が特務機関プロウォカトルの長官、落人 魂呼さんの体をね。
 あの人は、地球人のお父さんとタイリナルのお母さんの生体情報を混ぜ合わせて作られた。
 それは、決して愛と幸せに包まれた関係じゃなかったらしいけど。
 私は、あの人のことが好きだよ。
「超高温プラズマ発電の一種です。
 太陽と同じような力を使い、少しですが、物理法則を曲げることもできます」
 オズバーン団長の目が、ますます輝いた。
 本当に、心の底から今の立場を喜んでいる目だ。
 なんだか、こっちまで、うれしくなるような……。
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