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第二章 あれれ?王都でドキ?はやすぎない?
ゴジュウゴ
しおりを挟むうむ。
知らない天井だ……といいたいとこだが、知っている……。
そして、盛大にやらかしたことも覚えていたりする。
(//////////)……起き抜けに赤面してしまう俺は、決してエロくないです!
……やばいな羽。
マジやばいですなこの羽。
マジでぬけてくんないかな、このヤバ羽。
兄以外が触れば、激痛!
兄が触れば、発情!
って、何?その無駄な設定。
いらないよね?
いや、俺にそもそも羽いらないよね?
何?呪いなの?
変態たちの?
それとも『天使』だと騒ぐ人が多くて、体が反応したの?
確かに『マイスウィートエンジェル』の称号は頂いてますよ?変態さんたちや使用人に?
で す が!
迷惑もコレに極まり!ってか?
……。
それより、やっちまったことをどうしようか?どーしましょう!
かなり、エッチいこと言ったよね?
俺……。
いや、そのね?
あーゆーセリフは、いやってほど言わされたよ?
でもね?
今はプライベートでしょ?マジであんなセリフ言われた日には………ドン引きだろうよ?
いやだわー、いやだわー、いやだわー!
ねえ、記憶ないフリって無理かな?
無理だよね?
俺さあ、演技はできるのに……嘘は下手らしいんだよ。
なんだろうね!
いや、役に入ればエロいセリフだろうが、甘いセリフだろうが、臭いセリフだろうが……完璧にこなす自信はありますよ?
これは妹にもお墨付き!
だから、まあ、次から次へとBLのお仕事が舞い込んできたんでしょうね…………………………。
だけどね?
現実のハノエルが兄に言っちゃったんだよ~。
もう、穴があったら埋まりたい。
その上に土をかけて墓標を立ててくださいよ!
……で、あんだけエロエロに誘っておいて、寝落ちとか……。
兄のエクスカリバー(って呼んでおく)は、マジ勃ってたし。
なのに……寝ちゃったよね。
だって、兄のキスは気持ちがいいのだもの。
うっとりしてもいーじゃない!
寝たのは体力がない体のせいです。ごめんなさい。
「ハル?起きたの?」
「…うん、兄様、おはよう。」
「痛いところはない?」
と優しく微笑んでくださる兄はマジで天使?いや、聖人様?
ではないでしょうか?
あんな、男として最悪な状況に置き去りにしたのにー。
兄はスペシャル天使様!
「ないです。」
「そう、よかった。でもね?ハル。」
「なあに?兄様。」
微笑んで耳に唇を寄せてきた。
息がかかってくすぐったい。
そして、静かに囁いた。
「次はないよ?もう、寝ても嫌がっても……するからね?覚悟して誘ってね?」
と。
にっこり笑う兄の目は、全く笑ってなくて……怖かったです。
……次は絶対にエッチされちゃうね。うん。がんばれ?ハノエル(泣)。
「でもその翼は、どうしようかな。誰も触れないし。」
「……はい。」
触れないというか、兄以外は激痛なわけだし、兄が触ると発情と……問題だらけだよね。
そもそも服を着れるのかな?
でも、パジャマを着てるけど痛くはない。
って言うか違和感がない気がする。
ムズムズもないし。
「あの、兄様。」
「なんだい?」
「背中の羽、まだありますか?」
「見ていいか?」
「はい。」
兄が服を脱がしてくれて(自分でやろうとしたら止められた)背中を見てくれた。
「!翼がっ!でも、これは……。」
「ありますか?」
「いや、翼のあざというか……前のアザの形になっているが、七色の水晶のようになっている……。」
つまり、羽の型の七色の水晶が背中に埋まってるってことでしょうかね?
……そんなことになって、ハノエルの体は大丈夫?
……いくらさー、ゲーム世界でもさー?
マジでなくない?
って言うかさ。
まさか、これゲームの第二弾とか第三弾とかって、オチじゃないよね?
いやいや、マジないわー。
だって、そしたら俺の声なんて出てこないもんねえ?
だって。一作目で俺、召されたし?
「いったい、何がハルに起きてるのだ?」
ねえ?俺も知りたいですよ。
というかさー、まあこの世界に生きてるからでしょ?って言われたらそれまでなんだけども、ハノエルの人生って前半だけでも濃すぎませんか?
もっとさあ、幼少期なんてさっくり、あっさり軽くってなんかのクッキーみたいでいーじゃないの。
こんな、かわいそうなハノエルなんて、誰も望んでないよ!
…………………………すいません、望まれっぱなしでしたね。
だって、この乙女ゲーム……そもそもヒロインビッチだよね?
だって、ラブパワーってエッチでもらうんだぜー。
それもトルゥーエンドは最終的には一人を選ぶけどさー。
エッチはしてるんだぜー?と言っても魔王を倒す前に最後の一線は超えるんだけど。
寸前まではいろんなキャラとしちゃうんだよね……。
キスなんて、モブとだってしちゃうんだよね。
でも、ハノエルとはありません。
でも、ハノエルと他の男キャラはあります。
……おかしくない?
おかしいよね。
「触れてみてもいい?」
「……変な声でたら、やめてくれますか?」
もう、あの強制的な発情は嫌です。
何というか、副作用のない媚薬みたいなんだもの。
「わかった。」
「ん。」
「どう?」
「ちょっとだけ、ピリピリするけど痛くはないです。変な感じにもなんないです。」
「そう(…残念だ)、ならよかった。あとは、私以外が触っても大丈夫かだね。どちらにしろ、朝食を食べたらアズリアに見てもらわなくてはね。」
コクリと頷くと、ノックの音がして、ルイくんがタオルと洗面器を持ってきてくれた。
兄は俺をベッドに座らせると、自分はさっさとセバスが用意した湯とタオルで顔を洗い身なりを整える。
その時に兄が半裸になったので、ちょっとドキドキしたのは内緒だ。
……乙女かっ!
誰も突っ込まないから自分で突っ込んだ。
ルイくんが湯で絞ったタオルで顔を拭いてくれる。
この家の人は、俺に何もさせないのです。自分でできると言ったら……涙目で見つめるんだよ?逆らえませんよね。
服は兄が俺を抱き上げたりで、ルイくんに着付けられるという……。
もうね、羞恥通り越して無我ですよ……無理ですけどね。
食事は料理長がスペシャルハイカロリーさっぱり食べれるバージョンのリゾットを持ってきました。
かなり時間がかかってるんだろうなあ。あ、でも魔法の世界だから、そうでもないのかな?
ちなみに、料理長は領地から家族総出でこっちにきています。
主に俺のご飯のために。
来てすぐ寝込んだじゃない?その時、俺さ。この屋敷の料理長のご飯食べられなかったの。
何度作られても吐くんだよ。
で、料理長も意地になってたらしくて……。
まあ、それでさらに俺弱ってしまったみたいで起き上がれなくなったみたい。
すぐにセバスが領地の料理長に話したら家族で来るって言ってくれたみたい。
ちなみに屋敷の料理長は変わりました。
なんでって、最後には俺に毒をもったらですよ。どうも、なんかそれまでも混ぜていたらしいんだよね。
俺は全部吐いちゃっていたので食べてないけどさ。
最後の毒に関しては、ヴァルがわざとこぼしたしね。
セバスがすぐに毒に気づきました。
なぜか、俺のお皿だけ銀が使われていなかったのも……その料理長の指示みたい。銀でわかるか微妙な毒らしいけど。
どうしてしたかは不明。
だって、罪に問われる前にその料理長は命をたってしまったから。
まったく、命をなんだと思っているのかねえ……。
まあ、軽い世界なんですけども。
ということで、現在は前と同じ料理長のスペシャルなご飯を食べております。
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