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第二章 あれれ?王都でドキ?はやすぎない?
ゴジュウロク
しおりを挟む料理長のうまうまご飯を幸せに食べていたら、アズリアが来ました。
それも我が家族総出を引き連れて。
「大丈夫なの?ハル。」
と姉。
「心配したんだぞ、ハノエル。」
と父。
「あなたにばかり、なんでこんなひどい……ごめんね、ハノエル。母様が強く産んであげられなくて……。」
と母が泣く。
ごめんね、母。
逆に弱くて……さらには変なフラグばかり引き寄せて本当にごめんなさい。
でも、恨むなら腐った製作者を恨んでください!
「母様。僕はまた生まれるなら母様が母親が良いです。」
「ハノエル!」
母が俺をギュッと抱きしめる。
前世の母より若くて綺麗(すまん、母ちゃん)なので、ちょっとドキってするけど、やっぱりハノエルには、母親だと感じる。
本当にそう思うんだよ?母様。
俺は次も母様の子供でいたいと思えるくらい愛を感じるんだ。これはたぶん俺だけじゃなくて、ハノエルの感情からも感じた想い。
だってね。母様と父様の子だから幸せに暮らせてるとおもうんだ。
まあ、お金が潤沢にあるってのはでっかいけどねー?でも、愛は嫌ってほどもらってる。
だって考えてよ。
この世界、医者に診てもらうのすんごい高いんよ?
健康保険なんてあるわけないし。
魔法医療は高いのですよ。
で、そんな魔法医療の中でもアズリア叔父は上の方なんですよ?
その叔父を親族とはいえ、主治医として雇えるわけです。
それも、高額でよ?
だからさ、ハノエルが愛されてるって本当に感じるんだよ。
だって、お金があっても子供に一切お金を使わない毒親だっているわけじゃない?
でもねえ、ハノエルの親は溺愛してくれてるわけ。
大好きになるに決まってるよね?
前世の母と義理父も好きだったよ。
え?ああ、もちろん、妹は大好きだよ。
シスコンと言われても別に構わない。
だって、真実だから。
だって、優しい良い子なんだ。
俺とよく似てるって言われたけど、俺的には俺より100倍可愛いと思う。但し書ありだけどね?『黙っていたら』ってね。
……いや、そのね。
妹は、毒を吐くし……嫌いな奴は塩対応だからねえ。
でも、良い子なんだよ?
でも、優しいんですよ?
どんな毒を吐いたって、根本の妹を知ってるし信じてるからね。
だって、妹は正義だから!
閑話休題
「で、ハノエル?体調は大丈夫?今は痛みは?体の熱は?」
アズリアに細々と聞かれるが、全てが今は大丈夫なのです。
「大丈夫。」
「昨日のことは覚えてる?」
「……うん。」
とても忘れたいけども。
「そう。背中はどうかな?」
とアズリアが言ったところで、兄が口を挟んできた。
「あ、そうだ。アズリア。ハノエルの翼はなくなった。」
「はい?」
……間の抜けた声をアズリアがあげる。
うん、わかるよ。
だってねえ、昨日の今日だし?
「なくなったというか、アザに戻ったんというか……。」
「……診せてもらっていい?」
「うん。」
ですよね?
羽が消えてるわけですからね。
診なきゃ始まりませんよね。
でも、あれは完全に消えたと言ってもいいのかわからないけども。
「……何というか……また、不思議な現象を引き起こしたねえ、ハノエル。」
いや、俺が引き起こした……わけじゃないよね?
まるで俺が困ったことばかり起こすように……………………、起こしてましたね。
はい、反省します。
でもさ、全部不可抗力じゃない?
ハノエルが望んだのは兄とか、兄とか、兄とかとの平穏無事なら生活のみよー?
多少、フラグをおったけどね?
それはだって当たり前じゃないの!
死にたくないし、殺したくない(まあ、死んじゃった人もいるけど)し、家族で幸せに暮らすのを望むのは普通じゃない?普通でしょう?
兄とは両思いなんだもの。いいじゃないか!
って、うん。
よく考えてもハノエル、一つも悪くないよ!ゼンゼンワルクナイヨ?
「ハノエル、触っても大丈夫かな?」
「……そおっとなら。」
だって痛いといやだし。
アズリアがそっと、アザに触れると。やはりピリピリした感じがするけど、あの激痛はない。
何というか、ほらマッサージ機の小さい低周波治療機ってあるじゃない?それも自宅用の。あれの弱を流した感じが一番近いかもしれない。
痛いまではないけど、ピリピリと小さく電気が走る感じ。
「どう?」
「痛くはありません。でも、なんか、ピリピリします。」
「そう。うーん、なんだろうねえ。本当に。まあ、羽が生えてるよりはマシかな。
様子見をするしかないだろうね。」
みんながそれでいくしかないねえ?
なんて、頷いた。
そして姉が、締めくくりに爆弾発言(?)をする。
「きっと、ハルは神様が私たちにくださった天使なのですわ。
だって、ハルの美しさとか……天使以外に何モノでもありませんもの。でも、絶対に兄様。神様に渡してはいけませんわよ?」
そうねえ。ハノエルの儚さ考えたら神様に連れて行かれそうよね。
命を大事に!って設定はなさそうだ。
「当たり前だ。たとえ、悪魔に魂を売っても神にハルを渡しはしないさ。」
……兄様!
素敵だけど、ちょっとヤンデレはいってるよー。そういや、夜中の発言……病んでるときあるもんね……。
でも、そんな兄様も大好き。
……うん。俺もかなり兄のこと愛してるよね?
だって、兄が俺を閉じ込めたりしても……なんか許せそうだもの。
でも、きっとしない。
……しないよね?
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