実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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復帰した俺に不穏な影

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  マーニアムがもうめちゃめちゃ可愛いから餌付け感覚でどんどんお菓子を食べさせている。特に氷菓のアイスには感極まった表情でじっくりたっぷり味わっていた。じゃあ今度はチョコレートバニラを作ってみようかな。

 そんな感じでスイーツタイムを満喫し、最後にブラックコーヒーで〆ると、俺の心と胃袋は幸せで埋められた。ほんっとうに最高だぜ…!

 マーニアムも口の周りにクッキーと生クリームをつけたまま、うっとりと余韻に浸っている。こんな幸せな表情見たことないな。



 『こんな美味しいものを作り出すアルディウスは凄いですね。この世界に来て頂けた価値があります。』
 「今まで忙しかったからすっかり忘れてたんだけど、俺がいた日本ってところは食文化も凄い発展しててさ。今度はご飯も一緒に食べような。」
 『アルディウスの手料理……甘味ですらこんなに美味しいんです、堪りませんね!楽しみです!』
 「スタンピートの処理が終わっていろいろ余裕出来たら用意するね。」



 日本食はハクア達にも人気だったからきっとマーニアムも喜んでくれるはず。時間があれば自分で出汁とか作りたいなぁ。昆布とか取れるのだろうか?



 『楽しい時間はすぐに終わってしまいますね…そろそろ私は帰る時間です…。』
 「えっ、そうなの?じゃあお土産にクッキー持って帰ってよ。」
 『本当に!?やったぁ!』



 幸せそうだ。俺が作ったクッキーはナッツが入っているのと、ラズベリージャムを練り混んだ2種類。マーニアムは軽い口当たりのサクサククッキーに目をキラキラさせて食べてた。その姿はやはりリスだった。

 そんなに喜んでくれるなら、もっと早くに作ってあげればよかったなぁ。俺は別にマーニアムをスイーツ男子にしたいわけじゃないんだけどね。

 仲良く言葉を交わすようになったのは最近だ。昔から知っているマーニアムのことは知らないことだらけ。これからもっと仲良くなれたらいいなぁ。マーニアム可愛いんだ罪深い…。

 俺はそんなことを思いながらいそいそクッキーを袋に詰め、両手で受け取るマーニアムをみつめた。



 「どう?最高に満足できた?籠手のお礼にはなったかな?」
 『籠手に加護を付けたのは、私がしたいようにしただけです。お礼など必要ないのに…いえ、ありがとうございますアルディウス。』
 「どういたしまして。マーニアム、お仕事頑張ってな。」
 『うふふ、頑張ります!』



 両手にお菓子を抱えたマーニアムが笑顔で帰ると、部屋の中は静まり返った。いやぁ、楽しかったなー!平和だったし!

 自分も甘い物を満喫して幸せいっぱいだ。これで辛いことも耐えられる。よし、俺も任務がんばっちゃうんだから!

 一人になった部屋の片付けを黙々と熟しながらスタンピートに向けて心の中で気合をいれる。万が一、保護者達が帰ってこない場合でもなんとか対応しなきゃな!だって俺が責任者なんだから!

 よし、片付け終えたら走り込みに行こう!カロリーも消費しないとね。俺はただの人間だからおデブになっちゃうし。



 「湖のほうまで走り抜けるか!さーて気合入れて頑張ろーっと!!」



 
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