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都合よく捉えちゃうよ?
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平日だからか海沿いの道は空いている。
夕陽が地平線に沈みかけて、海がオレンジ色に染まっている。デートには完璧なシチュエーションだ。
でも、今は前世の話をしないといけない!
めっちゃいい雰囲気でイチャイチャしたいけど、ちゃんと聞かないと。
いつでも来れるんだから、また一緒に来ればいい。
「どこから話そうか。どんな話がいいとかある?」
「じゃあ、こないだ葉月さんが思い出してた俺のこと教えて」
「クリスマスの時の事だよね。あの時はごめん」
「別に思い出してもいいし、忘れる必要もないけどさ。俺といる時はだめだからね」
「うん。約束する」
「教えられることだけでいいからね。話したくなくなったらいつやめてもいい」
「優雨が前世のこと知りたいって言ってくれたの今回が初めてなんだ。嬉しいよ。また新しい君に会えて。思い出を共有できるなんて初めてだ」
「よかった。それに葉月さんの初めてもらっちゃった」
「本当に可愛い。じゃあ、前世の話しようか」
「うん」
優雨は本当にツンデレだった。
出会った時の方がまだマシで人見知りなのかなって思う程度だった。
それから授業で会ったりして少しずつ話すようになり、一緒にいる時間が増えた。
一緒にいる時間が増えれば増えるほど優雨は言葉足らずになっていった。
最初は嫌われたとか、距離感を間違えたとか思っていたけど分かりやすすぎる照れ隠しと表情で嫌われてるわけじゃないと分かった。
仲が良くなって、一緒に飲みに行くことになった。
週末だったのでどこも混んでいて歩きながらいい感じの店を探していた時だった。
酔っ払いにぶつかられた優雨がよろけた。
反射で受け止める。
なんかいい匂いがしてやばかった。
顔が急接近した時、優雨の顔は真っ赤で困ったように眉毛を下げいじらしく
「ありがとう」
と言った。
正直、脈アリだと思った。
何回も優雨と恋人になっているけど毎回付き合えるかハラハラしている。
好きになってもらえるか。
他に好きな人はいないか。
会えるまでも、会えてからもずっと気にしてしまう。それから数日後気になって恋愛の話を出した。
「優雨って恋人いる?」
「いないけど。好きとかもよく分からない」
「えー。顔を見るだけで幸せとか。会えなかった時についつい探しちゃう人とかいなかったの?」
多分、いないのは分かっていたけどやっぱり気になって聞いてしまった。
「お前以外は会いたくない」
え?どういうこと?
そういう意味で捉えていいの?
そんな可愛いこと言われたら僕の都合のいいように捉えちゃうよ?
本当、どういうつもり?
横に座っている優雨の顔をチラ見した。
真っ赤だった。
可愛い。すき。
「僕も愛してるよ」
気づいたら言葉が飛び出していた。
いきなり、愛してるだなんて結構な変化球を返してしまった。ちょっと気まずい。
それでも、優雨の顔を見るのはやめられず赤くなっていく頬と耳を見ていた。
「ふーん」
優雨はそう言っただけだったけど、嬉しそうな顔と声がわかりやすく返事をしてくれた。
夕陽が地平線に沈みかけて、海がオレンジ色に染まっている。デートには完璧なシチュエーションだ。
でも、今は前世の話をしないといけない!
めっちゃいい雰囲気でイチャイチャしたいけど、ちゃんと聞かないと。
いつでも来れるんだから、また一緒に来ればいい。
「どこから話そうか。どんな話がいいとかある?」
「じゃあ、こないだ葉月さんが思い出してた俺のこと教えて」
「クリスマスの時の事だよね。あの時はごめん」
「別に思い出してもいいし、忘れる必要もないけどさ。俺といる時はだめだからね」
「うん。約束する」
「教えられることだけでいいからね。話したくなくなったらいつやめてもいい」
「優雨が前世のこと知りたいって言ってくれたの今回が初めてなんだ。嬉しいよ。また新しい君に会えて。思い出を共有できるなんて初めてだ」
「よかった。それに葉月さんの初めてもらっちゃった」
「本当に可愛い。じゃあ、前世の話しようか」
「うん」
優雨は本当にツンデレだった。
出会った時の方がまだマシで人見知りなのかなって思う程度だった。
それから授業で会ったりして少しずつ話すようになり、一緒にいる時間が増えた。
一緒にいる時間が増えれば増えるほど優雨は言葉足らずになっていった。
最初は嫌われたとか、距離感を間違えたとか思っていたけど分かりやすすぎる照れ隠しと表情で嫌われてるわけじゃないと分かった。
仲が良くなって、一緒に飲みに行くことになった。
週末だったのでどこも混んでいて歩きながらいい感じの店を探していた時だった。
酔っ払いにぶつかられた優雨がよろけた。
反射で受け止める。
なんかいい匂いがしてやばかった。
顔が急接近した時、優雨の顔は真っ赤で困ったように眉毛を下げいじらしく
「ありがとう」
と言った。
正直、脈アリだと思った。
何回も優雨と恋人になっているけど毎回付き合えるかハラハラしている。
好きになってもらえるか。
他に好きな人はいないか。
会えるまでも、会えてからもずっと気にしてしまう。それから数日後気になって恋愛の話を出した。
「優雨って恋人いる?」
「いないけど。好きとかもよく分からない」
「えー。顔を見るだけで幸せとか。会えなかった時についつい探しちゃう人とかいなかったの?」
多分、いないのは分かっていたけどやっぱり気になって聞いてしまった。
「お前以外は会いたくない」
え?どういうこと?
そういう意味で捉えていいの?
そんな可愛いこと言われたら僕の都合のいいように捉えちゃうよ?
本当、どういうつもり?
横に座っている優雨の顔をチラ見した。
真っ赤だった。
可愛い。すき。
「僕も愛してるよ」
気づいたら言葉が飛び出していた。
いきなり、愛してるだなんて結構な変化球を返してしまった。ちょっと気まずい。
それでも、優雨の顔を見るのはやめられず赤くなっていく頬と耳を見ていた。
「ふーん」
優雨はそう言っただけだったけど、嬉しそうな顔と声がわかりやすく返事をしてくれた。
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