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第2章
72話 問題山積
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「しかし、殿下の話に乗ると決めたものの。そもそもどうやって行く?アデリート王国に。」
腹を決めたからとて、問題は山積みだ。
どうしようかと頭をひねる僕に、当事者の巫子達は相変わらず呑気で。
「え、そんなのロレンツォ殿下が負担してくれんじゃないの?来て欲しいって言ってるの、向こうなんだし。」
「旅費と交通手段くらい向こう持ちで確保してくれないと、ねぇ?」
いやいや、そんな話じゃない。
「そうじゃない。……どうやって納得させるかだよ、国王陛下を。」
「「あ。」」
そう。
そもそも、エウリルス王はなんとしても救世の巫子達を手の内に置いておきたいと考えている。
他国に出すなんてもっての外だろう。
更に、第1王女殿下を目の前で快癒させた事で、その救済の実力を身に染みて感じた筈だ。
ずっと体が弱かった王女殿下の事を、陛下は殊更心配していたから。
だから、そう簡単には納得しないだろう。
そう、僕が話すと。
「そうだ!それだ!」
カイトは閃いた!と人差し指を立てた。
「王女様救って差し上げたんだから、ご褒美にちょっと国外旅行してみたいって言うんだよ!」
「それいいわね!もうすぐ夏季休暇に入るし。中には国外に行く貴族だっているんでしょう?ロレンツォ殿下達も長期休暇だもん、帰国するでしょ。そのロレンツォ殿下と仲良くなったから、一緒に連れてってよ~遊びに行きたい~って言うのよ。」
本当に軽く言ってくれるな……。
カイトとカレンの提案に、僕は気が重くなったが。
確かに、口実としては、それが一番いいだろう。
言い方はともかくとして。
だが。
「仮に、それで通せたとして、アデリート王国に無事行けても。アデリート王に気に入られて、もし引き留められたりでもしたら、どうする?エウリルスだけ贔屓にするのか?なんて話になったら、それこそ……両国の関係にひびが入りかねないぞ。」
「それは……困るね。」
「だったら、いっその事その後フローレンシア王国にも行ってやりましょうか。」
腹を決めたからとて、問題は山積みだ。
どうしようかと頭をひねる僕に、当事者の巫子達は相変わらず呑気で。
「え、そんなのロレンツォ殿下が負担してくれんじゃないの?来て欲しいって言ってるの、向こうなんだし。」
「旅費と交通手段くらい向こう持ちで確保してくれないと、ねぇ?」
いやいや、そんな話じゃない。
「そうじゃない。……どうやって納得させるかだよ、国王陛下を。」
「「あ。」」
そう。
そもそも、エウリルス王はなんとしても救世の巫子達を手の内に置いておきたいと考えている。
他国に出すなんてもっての外だろう。
更に、第1王女殿下を目の前で快癒させた事で、その救済の実力を身に染みて感じた筈だ。
ずっと体が弱かった王女殿下の事を、陛下は殊更心配していたから。
だから、そう簡単には納得しないだろう。
そう、僕が話すと。
「そうだ!それだ!」
カイトは閃いた!と人差し指を立てた。
「王女様救って差し上げたんだから、ご褒美にちょっと国外旅行してみたいって言うんだよ!」
「それいいわね!もうすぐ夏季休暇に入るし。中には国外に行く貴族だっているんでしょう?ロレンツォ殿下達も長期休暇だもん、帰国するでしょ。そのロレンツォ殿下と仲良くなったから、一緒に連れてってよ~遊びに行きたい~って言うのよ。」
本当に軽く言ってくれるな……。
カイトとカレンの提案に、僕は気が重くなったが。
確かに、口実としては、それが一番いいだろう。
言い方はともかくとして。
だが。
「仮に、それで通せたとして、アデリート王国に無事行けても。アデリート王に気に入られて、もし引き留められたりでもしたら、どうする?エウリルスだけ贔屓にするのか?なんて話になったら、それこそ……両国の関係にひびが入りかねないぞ。」
「それは……困るね。」
「だったら、いっその事その後フローレンシア王国にも行ってやりましょうか。」
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