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第46話 プレイヤー・人口
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「子供設定?」
CASTERの攻略サイトを閲覧したタカヤは、奇妙な項目を発見する。
「子供って事は、世代交代の概念があるゲームなのか?」
確かに世代交代を活用して、物語や育成に深みを持たせるゲームは多々ある。
だがそれは普通のデータの世界ならば、だ。
CASTERは現実世界で行われているゲームだ。そのゲームが意味する子供という単語に疑問を膨らませるタカヤ。
「プレイヤー以外の登場人物は人間じゃない、つまりNPCは全員人工生命だ。人口って言っても本物の命な訳だし、本物だからこそエロ解禁モードなんてものもある訳で、となると子供設定ってのは……」
嫌な予感に囚われつつタカヤは子供設定について調べてゆく。
「何々? この世界の人間の人口は約5000人、最盛期の人口のおよそ100万分の1まで減ってしまった。その為に、労働力等の不足を補う為に生み出された人工生命に生殖能力を与え、ゲーム中で本物の子供を作る事が出来るのが本作の最大の目玉です。…………ってマジか!」
想像を遥かに超える情報に仰天するタカヤ。
「エロ解禁モードを選択した状態でヒロインとエロい事をすると、子供を作るかどうかの選択肢が発生。はいを選択するとヒロンとの間に子供が産まれ、いいえを選択すると自動的に避妊モードとなる。この機能は人口の異常減少によって存続が危うくなった人類を救う事のできる画期的な発明と政府関係者も絶賛。さらにゲーム内での人工生命達の生きるか死ぬかの戦いは、人類が失った闘争本能などといった生存能力を活性化させる働きが期待できる……」
つまりCASTERというゲームは、ただの大げさな娯楽システムではなく、人類の存続をかけた一大プロジェクトでもあったのだ。
ゲームの攻略法を探していたら、とんでもない情報を目の当たりにしてしまったタカヤである。
眩暈がしそうな情報を立て続けに喰らってタカヤは大きく息を吐く。
「ここに書かれている情報が確かなら、この世界は未来の地球で俺は過去から召喚された。んで、アリシア達は全員ゲームの為に作られた人工生命体ってわけだ。……マジかよ」
周囲の景色を見る。先ほどまで争っていた周囲の騎士達は時間が止まったかのように動かない。
どうやら先ほどの光景はスタート画面のデモモードだったようだ。
「まてよ?」
ふとある事に思い至るタカヤ。
「この世界がゲームならプレイしている人間が他にもいる筈だ。他のプレイヤーとチャットする機能とか無いのか?」
コンフィグ画面に、説明書モードのオンオフを発見し、即座にオンを選択して説明書を読むタカヤ。
「あったあった、早速チャットモードだ」
タカヤの目の前に複数のポップアップが浮かび上がる。
「えーと、今ゲームに参加してる人数とチャットしてる人数は…………1人!?」
1人、それはつまりこのゲームをプレイしているのはタカヤ一人だという事だ。
「俺だけって、どんだけ過疎ってるんだよこのゲーム」
しかしタカヤは笑えなかった。
いくら人気が無いとはいえ、稼働中のゲームのプレイ人数が0人というのはおかしい。
そこまで不人気ゲームなら既に稼動停止していてもおかしくないからだ。
不安を感じたタカヤはホームページが表示された画像を呼び戻して、検索画面である単語を入力した。
【現在の世界人口】
検索が開始され、政府が運営していると思しきページが表示される。
躊躇いながらも指はそのページをタップした。
画面がホームページに切り替わる。
そして最初の視界に入ったのは新着のお知らせ。
そこには20252年3月と表記されている。
ゲームが稼動したのは20016年、既に200年以上が経過していた。
更にそこには世界人口が100人を下回るとも書かれていた。
震える手でタカヤは現在の世界人口をタップする。恐らくは人口の異常現象への危機感をあおって人口増加に勤める為にこの様なカウンターを作ったのではないか、タカヤは半ば無意識に開発者の意図を当てていた。
そして表示された世界人口の人数は。
【0人】
「マジかよ」
知らずの内に地面にへたり込むタカヤ。
それも当然である。このにはすでに人間が絶滅していたのだから。
「この世界に人間は俺だけ、他にいるのは作られた人工生命だけかぁ…………うひっ」
タカヤの口から笑いがでる。
「つまりこの世界は俺の自由に出来るって事だよな」
何やらよからぬ事を考えついたタカヤは再び立ち上がり様々な事を調べ始めた。
「なになに? 人工生命はプラントで育成するものと人間のように生殖で増えるものの2種類を生産。これは労働用と人類の子孫繁栄用に分けられたものである。どちらも肉体能力は同じだが、人口増加の為に様々なパターンを模索してのことである、か。今も人工生命がいるのはそう言うことなんだな。……人工生命との間に子供を作るのに成功したが、人類の遺伝子が弱まっている為、生まれてきた子供は虚弱で薄命だった。より強い遺伝子が必要とされる。弱った未来人の遺伝子じゃ子孫を残せないってわけか。で、その対策として考えられたのが遺伝子強化プロジェクトと過去の人間の遺体から遺伝子データを採取する方法。それに時粒子の発見によって民間企業が……タイムマシンの開発に乗り出した!?」
突然なじみのあるSFワードが出てきて驚くタカヤ。
「開発者はファーコミン王国のプレイヤーフワ=ミンコ氏……不破民子かな? フワ氏は時粒子を使って過去の人間を転送するクロノスキャン理論を提唱。フワ氏は「自分が生きている間には完成しないかもしれなが、人類の発展の為に身命と賭して開発をしてみせる」と語った……これってアレの事だよな」
タカヤはアリシアが自分を召喚したという魔導機の事を思い出した。
「つまりファーコミンのプレイヤーはマジでタイムマシンを作ったって訳か」
思わぬ所で自分が召喚された理由をしるタカヤ。
「けどあれは未完成で、テストする前に死んじゃったんだろうな。で、その事を知らずに未来のアリシアが動かしちゃったと」
もし起動に失敗していたら自分はどうなっていたのかと思い身震いするタカヤ。
「まぁいい、疑問も晴れた事だし次だ次」
タカヤは人工生命に対する情報を調べ、次にゲームに関する情報を精査した。
その結果、CASTERの様々な攻略方法、そして自分の知らなかったシステムについても知る事が出来だ。
「ゲーム内の人工生命はゲーム会社が管理しているからいじれないけど、ゲーム外の空間なら人間は人工生命に自由に命令する事が出来るのか。良いね、ゲーム外で世界を管理している人工生命を服従させれば、この世界は俺のものじゃないか」
タカヤは未来を想像して笑いがこみ上げてくる。
作り物とはいえ、人工生命は感情もある命。タカヤは決して孤独の世界に召喚された訳ではないのだ。
学校も無く、縛られるルールも無い。そんな楽園にやってきたタカヤがする事は唯一つ。
「未来世界でハーレムだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
あくまでも自分の欲望が優先であった
CASTERの攻略サイトを閲覧したタカヤは、奇妙な項目を発見する。
「子供って事は、世代交代の概念があるゲームなのか?」
確かに世代交代を活用して、物語や育成に深みを持たせるゲームは多々ある。
だがそれは普通のデータの世界ならば、だ。
CASTERは現実世界で行われているゲームだ。そのゲームが意味する子供という単語に疑問を膨らませるタカヤ。
「プレイヤー以外の登場人物は人間じゃない、つまりNPCは全員人工生命だ。人口って言っても本物の命な訳だし、本物だからこそエロ解禁モードなんてものもある訳で、となると子供設定ってのは……」
嫌な予感に囚われつつタカヤは子供設定について調べてゆく。
「何々? この世界の人間の人口は約5000人、最盛期の人口のおよそ100万分の1まで減ってしまった。その為に、労働力等の不足を補う為に生み出された人工生命に生殖能力を与え、ゲーム中で本物の子供を作る事が出来るのが本作の最大の目玉です。…………ってマジか!」
想像を遥かに超える情報に仰天するタカヤ。
「エロ解禁モードを選択した状態でヒロインとエロい事をすると、子供を作るかどうかの選択肢が発生。はいを選択するとヒロンとの間に子供が産まれ、いいえを選択すると自動的に避妊モードとなる。この機能は人口の異常減少によって存続が危うくなった人類を救う事のできる画期的な発明と政府関係者も絶賛。さらにゲーム内での人工生命達の生きるか死ぬかの戦いは、人類が失った闘争本能などといった生存能力を活性化させる働きが期待できる……」
つまりCASTERというゲームは、ただの大げさな娯楽システムではなく、人類の存続をかけた一大プロジェクトでもあったのだ。
ゲームの攻略法を探していたら、とんでもない情報を目の当たりにしてしまったタカヤである。
眩暈がしそうな情報を立て続けに喰らってタカヤは大きく息を吐く。
「ここに書かれている情報が確かなら、この世界は未来の地球で俺は過去から召喚された。んで、アリシア達は全員ゲームの為に作られた人工生命体ってわけだ。……マジかよ」
周囲の景色を見る。先ほどまで争っていた周囲の騎士達は時間が止まったかのように動かない。
どうやら先ほどの光景はスタート画面のデモモードだったようだ。
「まてよ?」
ふとある事に思い至るタカヤ。
「この世界がゲームならプレイしている人間が他にもいる筈だ。他のプレイヤーとチャットする機能とか無いのか?」
コンフィグ画面に、説明書モードのオンオフを発見し、即座にオンを選択して説明書を読むタカヤ。
「あったあった、早速チャットモードだ」
タカヤの目の前に複数のポップアップが浮かび上がる。
「えーと、今ゲームに参加してる人数とチャットしてる人数は…………1人!?」
1人、それはつまりこのゲームをプレイしているのはタカヤ一人だという事だ。
「俺だけって、どんだけ過疎ってるんだよこのゲーム」
しかしタカヤは笑えなかった。
いくら人気が無いとはいえ、稼働中のゲームのプレイ人数が0人というのはおかしい。
そこまで不人気ゲームなら既に稼動停止していてもおかしくないからだ。
不安を感じたタカヤはホームページが表示された画像を呼び戻して、検索画面である単語を入力した。
【現在の世界人口】
検索が開始され、政府が運営していると思しきページが表示される。
躊躇いながらも指はそのページをタップした。
画面がホームページに切り替わる。
そして最初の視界に入ったのは新着のお知らせ。
そこには20252年3月と表記されている。
ゲームが稼動したのは20016年、既に200年以上が経過していた。
更にそこには世界人口が100人を下回るとも書かれていた。
震える手でタカヤは現在の世界人口をタップする。恐らくは人口の異常現象への危機感をあおって人口増加に勤める為にこの様なカウンターを作ったのではないか、タカヤは半ば無意識に開発者の意図を当てていた。
そして表示された世界人口の人数は。
【0人】
「マジかよ」
知らずの内に地面にへたり込むタカヤ。
それも当然である。このにはすでに人間が絶滅していたのだから。
「この世界に人間は俺だけ、他にいるのは作られた人工生命だけかぁ…………うひっ」
タカヤの口から笑いがでる。
「つまりこの世界は俺の自由に出来るって事だよな」
何やらよからぬ事を考えついたタカヤは再び立ち上がり様々な事を調べ始めた。
「なになに? 人工生命はプラントで育成するものと人間のように生殖で増えるものの2種類を生産。これは労働用と人類の子孫繁栄用に分けられたものである。どちらも肉体能力は同じだが、人口増加の為に様々なパターンを模索してのことである、か。今も人工生命がいるのはそう言うことなんだな。……人工生命との間に子供を作るのに成功したが、人類の遺伝子が弱まっている為、生まれてきた子供は虚弱で薄命だった。より強い遺伝子が必要とされる。弱った未来人の遺伝子じゃ子孫を残せないってわけか。で、その対策として考えられたのが遺伝子強化プロジェクトと過去の人間の遺体から遺伝子データを採取する方法。それに時粒子の発見によって民間企業が……タイムマシンの開発に乗り出した!?」
突然なじみのあるSFワードが出てきて驚くタカヤ。
「開発者はファーコミン王国のプレイヤーフワ=ミンコ氏……不破民子かな? フワ氏は時粒子を使って過去の人間を転送するクロノスキャン理論を提唱。フワ氏は「自分が生きている間には完成しないかもしれなが、人類の発展の為に身命と賭して開発をしてみせる」と語った……これってアレの事だよな」
タカヤはアリシアが自分を召喚したという魔導機の事を思い出した。
「つまりファーコミンのプレイヤーはマジでタイムマシンを作ったって訳か」
思わぬ所で自分が召喚された理由をしるタカヤ。
「けどあれは未完成で、テストする前に死んじゃったんだろうな。で、その事を知らずに未来のアリシアが動かしちゃったと」
もし起動に失敗していたら自分はどうなっていたのかと思い身震いするタカヤ。
「まぁいい、疑問も晴れた事だし次だ次」
タカヤは人工生命に対する情報を調べ、次にゲームに関する情報を精査した。
その結果、CASTERの様々な攻略方法、そして自分の知らなかったシステムについても知る事が出来だ。
「ゲーム内の人工生命はゲーム会社が管理しているからいじれないけど、ゲーム外の空間なら人間は人工生命に自由に命令する事が出来るのか。良いね、ゲーム外で世界を管理している人工生命を服従させれば、この世界は俺のものじゃないか」
タカヤは未来を想像して笑いがこみ上げてくる。
作り物とはいえ、人工生命は感情もある命。タカヤは決して孤独の世界に召喚された訳ではないのだ。
学校も無く、縛られるルールも無い。そんな楽園にやってきたタカヤがする事は唯一つ。
「未来世界でハーレムだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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