異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒

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最終章

第168話

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「おまえこそ、近づくな。そこで黙って見ていろ。……精霊こいつらは快楽に弱い種族ってだけで、相手が誰の逸物いちもつだろうと、がるにきまってる」

 大熊は野卑な口ぶりでミュオンを困惑させると、グイッと股を左右にひろげ、奥まった開口部をハイロのほうに向けた。

「おまえの逸物も、ここに挿入したのだろう。どうだ? 気持ちよかったか」

「大熊、乱暴はよせ」

「なら、さっさと質問に答えろ。おまえが精霊と交尾したことは事実だろう。……開口部ここから、赤ん坊が産まれる瞬間を、しっかり見せてもらった」

「なんだと? それは、どういう意味だ」

 途惑うハイロをよそに、大熊はミュオンの性器に舌を這わせた。見れば、大熊の陰茎は勃ちあがっている。本気でミュオンを抱くつもりなのか、判断に迷う場面だが、風下かざしもにいた亮介とキールは、水の精霊が放つあまい、、、においに臭覚が刺激され、パチッと目をあけた。

「あれ? これって、もしかして……」

「リョースケも気づいたか。このフェロモンのにおい、ハイロのおっさんがミュオンと抱き合うたび、丸太小屋でいだやつだ。……まさか、ふたりは今でも交尾してるのか?」

「そ、そんなはずないよ。だって、ミュオンさんはハイロさんを避けているから……」

「だとしたら、ミュオンが襲われてるぞ!!」

 まだ未遂だが、興奮状態の大熊は、ハイロの存在にかまわず、ミュオンの開口部へ陰茎を挿入しようとした。精霊を強引に犯すとは、前代未聞の事態である。ハイロは半獣の姿にもどり、力づくで止めにはいる。そのとき、地中で静止していた巨大な黒蛇が、地鳴じなりを響かせて動きだし、ゴバァッと地面を突き破って姿をあらわした。

大蛇だいじゃだと!?」

 2匹の灰色大熊は同時に声をあげ、素早く後退して距離を保つ。ミュオンを抱きかかえるため、ふたたび人型に姿を変えたハイロは、乱れた衣服をととのえた。

「だいじょうぶか」
『……ええ』
「よし、話はあとだ。あの黒蛇に見覚えはあるか」
『さあ、知るわけありません。……見たところ、半獣属ではなさそうですね』
「……ああ。やつは、なりそこない、、、、、、だ。ことばを理解しても、会話はできん」
『大蛇は、肉食のはず……。あなたたちも、危ないのでは?』
「避難というより、撤退だな。勝負したところで、ムダに血が流れるだけだろう。……立てるか」
『ひとりで歩けます。おおげさですね』
「抱きつぶされそうになったわりに、平気な顔をしているんだな」
『不埒なムッツリ大熊め。口を慎みなさい』

 注意を受けたハイロは釈然としなかったが、黒蛇が出現しなければ大熊と殴りあっていた展開につき、ひとまずどこかへ隠れることにした。ミュオンの腰に手を添えて支えようとしたが、4枚の羽が背面にひろがるめ、のばした腕を引っ込めたハイロは、ほんの少し眉を寄せた。

「お~い! 無事か!?」

 亮介とキールが走ってくると、人型のハイロは首を横にふり、「撤退するぞ」という。

「黒蛇!」と、キール。

 とぐろを巻いてシューシューと息を吐く大蛇は、遠ざかる大熊やキツネではなく、人間の亮介を獲物に定めた。ハイロとキールは顔を合わせ、互いの無事を確認してうなずき、宙に浮くミュオンは、『なにをしているのです。早くお逃げなさい』という。

「ミュオンさん?」と、亮介。

『ここは、わたしに任せていきなさい。あなたたちでは、あの大蛇をしずめることはできません』

 水の精霊は、いつか亮介を助けたときのように、相手の戦意を喪失させる霊力を放つ。天に向かって細い閃光が疾走はしり、一瞬、辺りは銀色に輝いた。


★つづく
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