異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒

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第6部

第115話

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「ミュオンが妊娠したって!?」

「うん。ジェミャさんが、そう言ってた」

「あの、全裸の精霊か。姿が見えねえな。どこ行ったんだ?」

「ちょっと出てくるって、南のほうに飛んでいったよ」

 ミュオンとハイロを寝室に残し、庭へもどってきた亮介は、なるべく慎重に状況を説明した。

「だからね、キール。ミュオンさんは、これからが大事なんだ。安心して赤ちゃんを産めるように、みんなで仲良く協力していこうよ」

「あん? なんでおいらだけ名指しなんだよ。むしろ、キツネのヤロウのほうが、あやしいもんだぜ」 

 仔熊とキツネの顔をにらみつけるキールを見て、亮介とノネコは小さくため息を吐いた。いきなりわだかまりを捨てるほうが無理な話につき、キールがへそを曲げるのは、しかたのないことである。とくに、キツネによって外的に傷を負わされたコリスも、割り切れない感情を苦心して抑えているようで、二匹とは距離を保っている。亮介が思い描く平和的な関係を築くには、まだまだ時間が必要だった。

「けっ、オレサマだってなあ、きさまらと仲良くなんて、反吐へどが出らあ。兄者の姿を変えたあの精霊、、、、さえどうにかできれば、こんな丸太小屋に用はねぇんだよ!」

「ちょ、ちょっと待って、キツネさん。ジェミャさんは、そんなに悪い精霊ひとじゃないと思う。だから、今後のことは、おちついて話し合おうよ」

人間おまえなんかに、オレサマの気持ちがわかってたまるか。いつまでそいつら、、、、と仲良しごっこするつもりか知らねぇが、人間にんげんが半獣属をこの森に閉じこめた以上、オレサマにとっては永遠に許せない敵なんだよ」 

「……それ、どういうこと?」

 予期せぬことばを耳にした亮介は、思わずノネコをふり向いた。森の記憶を語り継ぐ彼ならば、遠い過去になにがあったのか、真実を伝え聞いているはずだ。さきほどから、キールの表情も険しい。亮介には、知らないことが多すぎた。

「もしかして、僕になにか隠してる? ねえ、キール、ノネコさん、コリスくん。教えてほしい。みんなが知っていることを……」

 いつのまにか、半獣たちは亮介を取り囲むように立っている。ずっと胸に秘めていた過去を打ち明けるときがきたとばかり、ノネコは神妙な顔で少年を見つめた。

「ああ、そのとおりさ。いつかは話そうと思っていたけれど、今はまだ、役者がそろっていないのだよ、リョウスケくん」


★つづく
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