映画をむさぼり、しゃぶる獣達――カルト映画と幻のコレクション

来住野つかさ

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091 雑草の中で眠る③

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「そこはまだ分かりませんよね。でも少なくとも川真田さんは日比野さんに用事があったにせよ、手荒な事をしようとした。で、その用事の部分ですが、日比野さんはどう思います? やはりあの日の八頭家のことか佐山氏の寄贈品、ですかね?」

 川真田氏のことは本当に知らない人なので、もし先方が私に何かあると言うのならそれしかないだろう。私は頷いておく。

「じゃあまず、それとなく八頭家と西村課長に連絡してみますから、もう少しここに居て下さい。
 家に帰るのが怖いようならどこか他の場所に泊まりますか? とにかく今、日比野さんちの周辺は巡回もしてますし、何なら後で川真田氏に話を聞いてみてもいい。いいようにしてあげますからね」
「すみません」

 辻堂刑事が離席すると、調書を書き終えた女性警官さんが今日のことを読み上げて齟齬がないか確認してくれる。

「本当にポケットやバッグにお菓子持って行ったらいいですよ。あと玩具って好きですか? 辻堂は本当にお菓子が好きなんですけど、お菓子ってけっこうオマケとか付いてくるじゃないですか? 無駄にくじ運もいいらしくて、コンビニでお菓子買ってはクッションもらったりもしてますよ。もし欲しいのがあったら玩具もどうぞ」

 そう言って持って来られた別の籠には、本当に多種多様なオマケ玩具みたいなものが押し込められている。彼に似合いそうもない女児好みの可愛いものや見たことのないキャラグッズやらに、ちょっと心が綻ぶ。

「えっと、じゃあこの知らないキャラの巾着もらっていいですか?」
「いいですよ! これにお菓子詰めましょう!!」





 クリスマスの靴下状態になった謎のキャラクターの巾着袋を手にしながら待っていると、先程とは打って変わって難しい顔をした辻堂刑事が戻って来られた。

「日比野さん、申し訳ない」

 いきなり頭を下げられて仰天してしまう。

「······え? 何がですか?」
「あなたの家に空き巣が入ったらしい。
 先程のこともあるから、安全のためにも今夜はホテルに泊まって下さい。
 すみませんが、すでに日比野さんちの最寄りの交番に通報が入っていて、今ご自宅には警察が行っています。
 西村課長にはこちらから伝えておきますが、これまでのことと関連性があるかもしれないので、川真田さんに所在のバレている資料館に行くのは危険かもしれません。
 空き巣のことと誘拐未遂のことが解決するまで、しばらく仕事もお休みした方がいいかもしれませんね」



 
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