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064 佐山邸で調査再開⑤
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「YAGI社のデータベース? うちと同じ······?」
田代主任が開いて確認するが、いくつが検索してみて首を振る。
「データベースは全く同じですが、中身は違います。このデータは全て佐山氏の所蔵品なのでしょう。そして登録者の名前は『牧田道佳』です」
「牧田君が? じゃあこれは······」
「牧田さんが積極的に動いたかどうかは分かりませんが、ここにYAGIシステムを導入するにあたっては牧田さんが関与した可能性はありますね」
信じられないように西村課長が、佐山氏のパソコンを確認する。
「······うちと共同で開発したデータベースを他社に売るなんて許されないことだけどな、普通。
ただこのデータベースでも、全ての品をどの場所に配架しているかをデータと紐づけていたんだな。これだと空き部分に違うもので埋めたらすぐにバレてしまう。盗難対策のためかきっちりした性格なのか分からないが、個人で立派なものだな」
パソコンを再び田代主任に返した後も、西村課長はしばし黙り込んでしまう。YAGI社のことや牧田さんのことを考え込んでいるのだろうか。
「ログを見ると、あの日にいくつかデータを消しているものがあるようです。メンテナンスやバックアップをYAGI社で対応してるなら、これも持ち帰ってYAGI社に聞いてみましょうか」
ついに事件に関係する証拠が出てしまった。思わず身震いしてしまう。
「それと所蔵目録の方はExcelなんですが、変更履歴にがっつり残ってますね。プロパティを見ると最終変更はあの日の18時ですよ。変更履歴はたしか30日間しか残らないので危ないところでした」
「田代はよく間違えて消すから、そういうとこ詳しいな」
尾崎係長が冗談を挟もうとするが、このことの重みに誰もが気がついていた。
「あの日にデータ改ざんの痕跡か。犯人がすでに何かを持ち出して、それがここにあったことを隠すためにデータを改ざんしようとしたのか?」
「課長、消したやつ分かりました」
「何だった?」
「······デスマスクです。冨樫甲児の」
全員で息を詰めた。そんな訳はない。ここにある訳はないのだ。
「いや、だって······」
「田代さん、それ本当? 本当に?」
「嘘なもんか、見てみろよ、これ!」
そうして見せられたExcelデータには、たしかに『冨樫甲児 デスマスク』の文字が残っていた。
田代主任が開いて確認するが、いくつが検索してみて首を振る。
「データベースは全く同じですが、中身は違います。このデータは全て佐山氏の所蔵品なのでしょう。そして登録者の名前は『牧田道佳』です」
「牧田君が? じゃあこれは······」
「牧田さんが積極的に動いたかどうかは分かりませんが、ここにYAGIシステムを導入するにあたっては牧田さんが関与した可能性はありますね」
信じられないように西村課長が、佐山氏のパソコンを確認する。
「······うちと共同で開発したデータベースを他社に売るなんて許されないことだけどな、普通。
ただこのデータベースでも、全ての品をどの場所に配架しているかをデータと紐づけていたんだな。これだと空き部分に違うもので埋めたらすぐにバレてしまう。盗難対策のためかきっちりした性格なのか分からないが、個人で立派なものだな」
パソコンを再び田代主任に返した後も、西村課長はしばし黙り込んでしまう。YAGI社のことや牧田さんのことを考え込んでいるのだろうか。
「ログを見ると、あの日にいくつかデータを消しているものがあるようです。メンテナンスやバックアップをYAGI社で対応してるなら、これも持ち帰ってYAGI社に聞いてみましょうか」
ついに事件に関係する証拠が出てしまった。思わず身震いしてしまう。
「それと所蔵目録の方はExcelなんですが、変更履歴にがっつり残ってますね。プロパティを見ると最終変更はあの日の18時ですよ。変更履歴はたしか30日間しか残らないので危ないところでした」
「田代はよく間違えて消すから、そういうとこ詳しいな」
尾崎係長が冗談を挟もうとするが、このことの重みに誰もが気がついていた。
「あの日にデータ改ざんの痕跡か。犯人がすでに何かを持ち出して、それがここにあったことを隠すためにデータを改ざんしようとしたのか?」
「課長、消したやつ分かりました」
「何だった?」
「······デスマスクです。冨樫甲児の」
全員で息を詰めた。そんな訳はない。ここにある訳はないのだ。
「いや、だって······」
「田代さん、それ本当? 本当に?」
「嘘なもんか、見てみろよ、これ!」
そうして見せられたExcelデータには、たしかに『冨樫甲児 デスマスク』の文字が残っていた。
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