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060 佐山邸で調査再開①
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「二人ともちょっといい? 課長が呼んでるんだ」
事務室に戻ってすぐ。田代主任に言われて会議室に入ると、資料課のメンバーの他に館長も同席していた。
「佐山氏の顧問弁護士から連絡が入って、明日には邸に自由に入れるようになるんだそうだ。それで出来る限り早目に調査を再会してほしいとのことでね。皆には悪いけどこれを最優先にしてもらえる?」
「時間帯はどうしますか? やはり夜ですか?」
館長の言葉に尾崎係長がすぐに反応する。
「あんまり大掛かりに動いているところを見せたくないのは本音らしい。なのでまた日が落ちてからでいいかな」
「構いません。では以前と同じメンバーで······。いや、日比野さんはやめておく?」
西村課長がお父さんのような顔で心配そうに眉を下げた。
「私は大丈夫です。それに気になることもありますから」
「本当に? 無理してるんじゃなければ人手があるのは助かるけどさ」
「日比野ちゃんはお休みしなよ。思ってる以上にダメージ受けてるんじゃないの?」
「行きます! 行かせて下さい! 一度始めたことですし女性目線もあった方がいい事もあるかもしれません」
「······分かった。無理なようならすぐに帰りなさい。それでいいね?」
「はい」
◇ ◇ ◇
ほんの数日前のことだというのに、前に佐山邸に行った時とはもう色々なことが変わってきてしまった。
再び田代主任がミニバンを借りて、日が落ちてから郊外を走るのも変わらないのに、街道からの景色にもどこか秋の気配が見えてきた気がする。
今年の夏は暑かった。貧乏草なとど揶揄されるハルジオンの花も真夏の熱射に負けたか目にすることはなかったのに、またそこここに花をつけ出している。
「あの、先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。あの日のことを皆さんに詳しくお話していなかったので、今お伝えしていいですか?」
事務室に戻ってすぐ。田代主任に言われて会議室に入ると、資料課のメンバーの他に館長も同席していた。
「佐山氏の顧問弁護士から連絡が入って、明日には邸に自由に入れるようになるんだそうだ。それで出来る限り早目に調査を再会してほしいとのことでね。皆には悪いけどこれを最優先にしてもらえる?」
「時間帯はどうしますか? やはり夜ですか?」
館長の言葉に尾崎係長がすぐに反応する。
「あんまり大掛かりに動いているところを見せたくないのは本音らしい。なのでまた日が落ちてからでいいかな」
「構いません。では以前と同じメンバーで······。いや、日比野さんはやめておく?」
西村課長がお父さんのような顔で心配そうに眉を下げた。
「私は大丈夫です。それに気になることもありますから」
「本当に? 無理してるんじゃなければ人手があるのは助かるけどさ」
「日比野ちゃんはお休みしなよ。思ってる以上にダメージ受けてるんじゃないの?」
「行きます! 行かせて下さい! 一度始めたことですし女性目線もあった方がいい事もあるかもしれません」
「······分かった。無理なようならすぐに帰りなさい。それでいいね?」
「はい」
◇ ◇ ◇
ほんの数日前のことだというのに、前に佐山邸に行った時とはもう色々なことが変わってきてしまった。
再び田代主任がミニバンを借りて、日が落ちてから郊外を走るのも変わらないのに、街道からの景色にもどこか秋の気配が見えてきた気がする。
今年の夏は暑かった。貧乏草なとど揶揄されるハルジオンの花も真夏の熱射に負けたか目にすることはなかったのに、またそこここに花をつけ出している。
「あの、先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。あの日のことを皆さんに詳しくお話していなかったので、今お伝えしていいですか?」
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