僕の番が怖すぎる。

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二章 あいつの存在が災厄

このエロ姫に惚れたら色々とヤバいからやめとけよ。特に旦那サマがとても酷い!

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 *【酒呑童子】対策のメンバーです。
 綱以外はいまのところ重要なキャラクターでもないので興味のない方は飛ばして頂いても結構です。
 ───────────

 姉の手引きで、ツナと一緒に力になってくれる協力者と会っている。
 鬼の皇宮に耳長エルフ族の亜神の【域】を作るとかしているけれど、怒られないのが本当に不思議だ。

 彼らには既に【お手つき】をして、【華】を与えているので、そこからこちらの意思を伝えたり、伝えてもらう事も出来る。

「さて、金時キントキ貞光サダミツ季武スエタケ…そして綱。頼光ヨリミツの動向はどうだ?」

 彼らは【頼光四天王】と言う【名】を貰った、人族の実力者たちだ。
 僕ら鬼の持つ権能みたいなものを持ってもいる。

 綱の鬼も切れるちょっと怖い力の【髭切ひげきり】なんかもそうだ。
 因みに彼らは頼光も含めて全員が【青】の魂を持っている。

『俺ら【四天王】は高校の剣道部の仲間で 、遠征帰りのバスの事故で死んだ。
部長頼光はマジにクソでクズだから部下になるとか最悪だった。』

 そんな事を言っていた。
 ところどころ良くわからないけれど
 頼光だけは変なやつで、クソでクズみたいだ。

 そもそも彼らを味方に引き入れた姉様の狙いは、
百合ユリに【鬼キラー】の従者が必要だと思うんだよね。
私の【戦乙女ヴァルキュリヤ】たちもそうだけれど、
亜神のケツを叩いて、躾けるものがないと伴侶なんてやれないからね。
眷属すら持たせないとかありえないから、お姉ちゃんがなんとかするよ。』
 と言ったことに端を発する。

 姉の【戦乙女】は本当に色々と厄介なうえに怖いひとたちだから、
 どんな従者が来るか戦慄していたが、やって来たのは綱とその同僚だった。

【四天王】の中でも綱と金時はちょっと飛び抜けている。
 綱は魂がとても美しい清廉な【青】。
 これは本当に珍しい。
 鬼の【名】持ちの位を持ってもおかしくないので、茨木イバラキと夫婦になるのにも不足はない。
【髭切】が危険すぎるからか本能で嫌がられているけれど… 

 金時は親に鬼の血を持つものがいたのか、人族でも珍しいα性だ。
 初めて会ったときに、真っ赤な顔をされて少し…不安を覚えたが

『このエロ姫に惚れたら色々とヤバいからやめとけよ。特に旦那サマがとても酷い!』

 綱が失礼な事を言って止めてくれた。

 僕がなんでそんなふうにお前に呼ばれなければならない!
 前に僕の部屋に呼び出して閨での話をしたからか?
 あと、うちの旦那が酷いのは同意するが、人から言われると腹が立つな。

 そして彼らからの僕の呼び名は『姫』になった。


「噂もかなり拡がりをみせているし『神』との接触があったと聞いている。
頼光がどんなふうに来るかはわからないが、僕を助けに来るとかほざいているんだよな?」

 彼ら【四天王】の前でも僕は素でいる。
 綱に盛大にバラされたこともあるが、
『同年代の友人がおれだけとか駄目だろう?』
 そう言ってくれたおかげで、彼らとは気安く付き合えている。
 本当に綱は良いやつだ。
 僕の監禁生活とか心配してくれているし、【昇神】の事も本当は気に入らないらしい。
 手籠にされたうえに勝手に【至】らせた事とかにも腹を立ててくれた。
 

「あいつは百合に邪な想いも抱いているからヤバいな。
朱点サマは色々とヤバい!本当にヤバ過ぎるのに!!
おかげでおれは酷い目に何度もあった。
彼女もできていないのに彼氏ができそうになったし…
男は絶対に!無理無理無理無理!!って言ってんのに…」

 綱が言う。
 あの一件で童貞を貫いていることと『綱殿はおのこが大好き』疑惑もあり、
 あとを引いていたみたいで、本当に申し訳ない。

「あいつもαだしな。姫に懸想とか馬鹿じゃないのか?
色々と身の危険を感じたことを綱から聞いた。
朱点様の話は怖ろしすぎるぞ…」

 金時が言う。
 彼は大柄な体格で、鬼族にも負けない肉体を持つ。  
 彼には姉とお義姉様が無理難題を押し付けている。
 うちの旦那の評判が人族の中でも酷くなり、変態認定されていると彼から聞いた。
 それに衝撃を受けて、ちょっと泣いてしまったのは仕方がないと思う。

「ところがどうやら『アレ』が接触して、例のあれを貰っちゃったみたいなんだよね…姫様、これはまずいよ。」

 貞光も言う。
 彼は【石切丸いしきりまる】 という力を持つ。
 綱と同じ様にあやかしや鬼に傷をつけれる。

「【童子切ドウジキリ】と【神鞭鬼毒酒シンベンキドクシュ】。この対策を皆で話し合わないと。
あの方がに死ぬことはないと思うけれど、姫様の旦那様に危険が迫っているのは確か。」

 季武が最後に話した。  
 彼にも【痣丸あざまる】という力がある。

 彼ら【四天王】がついてくれたのはひとえに、
 頼光に従わなくてはいけない状況から脱したいということだった。
 なかでも綱は頼光が大嫌いらしく、腹心の部下の筈なのに扱いが酷い。

「あいつも綺麗な顔をしてるから、
真っ裸まっぱに引ん剥いて簀巻きにしてから、
発情中の朱点様の閨にでも放り込んで、
あの方に抱かれたら大人しくなるんじゃね?
百合によると、あり得ない巨根と絶倫ですげぇ事をして、
相手を壊すらしいから、
あいつはそれで再起不能になれば良いのに。」

 綱よ!うちの旦那をなんだと思ってんだお前は!!

 確かに昔は良くしていたよ…間違いなく鬼族の中で、いやこの世界でかもしれない一番の淫奔だよ… 

α壊れないからと楽しめる。』

 とか滅茶苦茶なことも言ったことがあり、
 側にいた四童子たちの顔色が凄く悪かったから想像に難くない!
 僕にしているような甘い事は絶対しないだろうけれど、ちょっともやもやする。
 あいつは本当に卑猥な連想させる事を平然と話す。
 四童子が側にいなかったら殴っていたぞ!
 それからあいつは僕と番になってからは清いんだ!
 僕は鼻が利くから変な匂いとかあったら同衾を拒むからな!!

「綱、殴るよ。」

「お前って結構凶暴ですぐ手が出るし、口は悪いし、猫かぶりで、
性格もかなりあざというえに、生意気で偉そうなのに、
なんであの方はこいつを滅茶苦茶溺愛しているんだろうな?
顔か?それともあれか?例の一件で露呈した幼い、若いやつが好きとかか?」

 本当に分からないって顔をして失礼なことばかりを吐くな!
 若いとか幼いのとかは、成長してきた今の凄く気になっているところなんだからな!!

 あいつは僕のを好ましいと、それで一目惚れしたんだ。
 鬼にしかわからないうえに、これは鬼の最上級の求愛の言葉だから秘密だ。

「まぁ、でもわかったことがいくつかあるよな?
百合から【華】を貰ってから、あいつの言う事を強制的に効かせられるようなこともなくなってきた。
ロールプレイというか、その役割を演じればなんとかいけそうみたいだし。
………茨木さんを切るのが本当に嫌だな。」

 綱は初恋を拗らせて、【髭切】を本能的に嫌がる茨木を追いかけている。
 姉が言うにはストーカーというのになるから、少し控えないと後押しとか出来ないからな!

「まずは【兜】の回収を成功した事を報告するよ。
それと【童子切り】【神鞭鬼毒酒】はなぞらないと無理っぽいね。」

「金時が【膝丸ひざまる】を奪う計画もフレイヤ様の指示だけれど、あの人も大概無茶を言うよな?」

頼光あいつから奪う手段は【神子】様から頂いたが、耳長族の技術は恐ろしすぎるわ!」


 僕らはきたる『その日』になんとかするべく話し合いを続けた。


 ───────────
 次は朱点と百合に視点が戻ります。
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