【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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258.人前はダメだけどガイアはいいの?

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 お腹がいっぱいになるまで桃を食べて、僕はべとべとの手を舐め始めた。机の上に飛び乗ったトムが、僕の手を舐める。お行儀悪いけど、いいよね。セティが浄化で手を綺麗にしてくれた。お礼のキスをしたら、そのまま唇にキスを貰う。

「人前でいいの?」

「ガイアとトムは別だ」

 ふーん? お父さんとお母さんの前はダメなのに? 首を傾げて考えたら、セティが説明してくれる。

「いいか? ガイアは神だから人じゃない」

「うん、トムは?」

「トムは……ガイアの伴侶だからいいんだ」

 まだ首を傾げて考えていると、にこにこしながらガイアが付け足した。

「この神殿内ならいいけど、外へ出たら誰かがいる時に唇へのキスはダメだよ」

「わかった」

 これならわかる。この神殿は特別で、この中はいいみたい。にっこり笑ってセティの唇にキスをした。ここは平気、セティも笑ってくれるし、白い服の神官もいない。いい神殿もあるんだね。

「外へ連れ出したくない」

 唸るように吐き出して、僕を抱き締めるセティにお願いしてみる。僕ね、お父さんやお母さんにリボンを届けたいの。シェリアやゲリュオンも探さないといけないし、出来たらフェルにもリボンを巻きたいな。

「……もう少ししたら行こうか」

 なんだろう、セティはお腹が痛いのかな。苦しそうにそう言って、また僕に抱き着いた。僕も手を伸ばしてセティを抱っこする。だって、お腹が痛いときに一人は辛いから。

「ふふっ、セティの方が子供だね」

 ガイアが笑いながらトムを抱き上げた。大人しく爪を立てないで頬ずりするトムは、前より大きくなった。それに毛皮もきらきら輝いてて、ガイアに懐いてる。きっと大切にしてもらってるんだ。良かった、僕がお母さんだから心配してたの。

「だとよ、食った報告はしなくていいのかよ」

 揶揄うようにセティがガイアに笑うと、ガイアは涼しい顔で言い返した。

「君が竜帝やその妻に報告したら、僕も報告する。どう? 出来る?」

 うっと詰まったセティは、もごもごと口の中で文句を言って黙った。よく分からないけど、セティが負けた気がするの。だから撫でて、セティがしてくれるみたいに黒髪に唇を寄せた。チュッと音を立てるキスが出来て、大成功。嬉しくてもう一回やったら、今度は音がしない。

 簡単そうだけど難しいね。何度もチャレンジしていたら、セティが笑いながら顔を見せてくれた。たくさんキスをして、仲良しのお呪いをするのか尋ねたら……ガイアが変なことを言った。

「そろそろ騙すのもやめなよ?」

 僕、騙されてないよ。だってセティのこと好きだし、セティも僕が好きだもん。仲良しのお呪いもいっぱいして、何度も仲直りもしたからこんなに仲良しなんだ。

「数日、この神殿に泊まるけどいいか」

 変なこと聞くセティ。僕はセティと一緒なら、どこで泊まってもいいよ。ガイアがいるから、明日もたくさん桃が食べられる。食べると体がぽかぽかして、元気になるけど。付け加えた僕にセティが貪るようなキスをした。噛むみたいにして吸って舐めて……唇、腫れちゃいそう。
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