245 / 321
243.もう少し食べさせて(SIDEセティ) ※微
しおりを挟む
*****SIDE セティ
物を知らない子どもを騙して宝物を奪う居心地の悪さがあった。なのに、この子はもう準備が整っている。熟し切った果実はもがれる日を、伸ばされる手を待っていた。誰かに食われるのを許す気はない。イシスはオレのものだ。
勃起した性器に混乱し、射精の意味を知らずに怯える。見せつけるように飲み干したら、鼻を啜って泣き出した。この無垢さは今だけのもので、いずれ失われてしまうだろう。だからこそ愛おしい。この子の物慣れない所作も、その後で奔放に性を受け入れたイシスも愛せる。
四聖獣やドラゴン達が惹きつけられるのは当然だった。イシスは純粋で、曇っていない。まっすぐに物事を受け入れ、歪ませずに投影する鏡の如き存在なのだ。神々以上に稀有な資質を持つ子は、オレを好きだと全身で訴えていた。
萎えてしまったペニスはまだ淡い色で、下生えも満足に揃わない幼さだ。にもかかわらず、はふりと熱い息を漏らすイシスの色気は凄まじかった。このまま手に入れたい醜い欲が暴れる。
原始の神殿で結ばれることに深い意味があった。イシスの神格を上位まで引き上げるために、ここはオレの我慢が必要だ。堪えて熱い息を吐き出し、もう少し準備を進める。後ろに滑った指先に、イシスがびくりと体を揺らした。
「ばっちい、よ?」
まだ幼い言葉が多いイシスの表現が愛らしくて、くすくすと笑ってしまう。後ろの蕾は固く閉ざされ、綻びる兆候はなかった。何度も触れ、撫で、舌で舐めて解す。嫌がって逃げようとするイシスを押さえ、言葉で宥めて我慢させた。
「やっ、そこはやぁ」
「怖くない、イシスを食べさせてくれるんだろ」
「でも……」
徐々に解れる蕾と同様に、イシスの頑なな態度も和らいでいく。涙目でこっちを見つめるイシスの紫の瞳から、ぽろりと雫が落ちた。罪悪感より征服欲が掻き立てられる。ああ、こんな凶暴な男に惚れられるなんて、イシスも可哀想に。他人事のように思う。
「愛してる、イシス。もう少し食べさせて」
贄は食べられる物――その認識を正さずに来たのは、イシスが受け入れやすいから。この子はオレが頭からバリバリ食べると思っていたのだろう。今時、人肉を食らう神族はいない。ただ、オレはしっかりイシスを食べる気でいた。意味はまったく違うが……。
理性の限界があるから、指は1本だけ。それ以上は神殿までお預けにしよう。こんな場所でイシスの初めてを奪う気はない。もっと幻想的な雰囲気の中で、神格を高める場所で、誰にも邪魔されない聖域で散らせたかった。
人としての生が完全に終わり、神としての新たなイシスが生まれる。そのために舞台を整えてイシスを導くのは、伴侶のオレの役目だった。
「セ、ティ……そこ、変」
また涙を零しながら訴えるイシスの声に答えながら、濡らした指を押し挿れる。ぐっと抵抗する襞を開いて丹念に辿った。残念ながら時間切れか。
本気で泣き出したイシスをキスで宥め、名残惜しいが指を引き抜いた。ぐずぐずと泣きじゃくるイシスを抱きしめながら、こっそり自分の欲を吐き出す。腹の上にぶちまけられた白濁をぺたぺた触ったイシスは、その手を無造作に舐めた。
「……っ、イシス!?」
「甘く、ない」
ややがっかりした口調で告げられ、慌てて浄化した。くそっ、また暴発するところだったぞ。独特な臭いも消し去り、まだ鼻を啜るイシスを抱き寄せた。大人しく身を任せる子どもは、うとうとと舟を漕ぐ。眠気に逆らえず、がくりと首を揺らして寄りかかってきた。
「……今は眠れ、もう容赦しないからな」
泣いても嫌がっても、きっと最後まで奪ってしまう。覚悟しておけよ。
物を知らない子どもを騙して宝物を奪う居心地の悪さがあった。なのに、この子はもう準備が整っている。熟し切った果実はもがれる日を、伸ばされる手を待っていた。誰かに食われるのを許す気はない。イシスはオレのものだ。
勃起した性器に混乱し、射精の意味を知らずに怯える。見せつけるように飲み干したら、鼻を啜って泣き出した。この無垢さは今だけのもので、いずれ失われてしまうだろう。だからこそ愛おしい。この子の物慣れない所作も、その後で奔放に性を受け入れたイシスも愛せる。
四聖獣やドラゴン達が惹きつけられるのは当然だった。イシスは純粋で、曇っていない。まっすぐに物事を受け入れ、歪ませずに投影する鏡の如き存在なのだ。神々以上に稀有な資質を持つ子は、オレを好きだと全身で訴えていた。
萎えてしまったペニスはまだ淡い色で、下生えも満足に揃わない幼さだ。にもかかわらず、はふりと熱い息を漏らすイシスの色気は凄まじかった。このまま手に入れたい醜い欲が暴れる。
原始の神殿で結ばれることに深い意味があった。イシスの神格を上位まで引き上げるために、ここはオレの我慢が必要だ。堪えて熱い息を吐き出し、もう少し準備を進める。後ろに滑った指先に、イシスがびくりと体を揺らした。
「ばっちい、よ?」
まだ幼い言葉が多いイシスの表現が愛らしくて、くすくすと笑ってしまう。後ろの蕾は固く閉ざされ、綻びる兆候はなかった。何度も触れ、撫で、舌で舐めて解す。嫌がって逃げようとするイシスを押さえ、言葉で宥めて我慢させた。
「やっ、そこはやぁ」
「怖くない、イシスを食べさせてくれるんだろ」
「でも……」
徐々に解れる蕾と同様に、イシスの頑なな態度も和らいでいく。涙目でこっちを見つめるイシスの紫の瞳から、ぽろりと雫が落ちた。罪悪感より征服欲が掻き立てられる。ああ、こんな凶暴な男に惚れられるなんて、イシスも可哀想に。他人事のように思う。
「愛してる、イシス。もう少し食べさせて」
贄は食べられる物――その認識を正さずに来たのは、イシスが受け入れやすいから。この子はオレが頭からバリバリ食べると思っていたのだろう。今時、人肉を食らう神族はいない。ただ、オレはしっかりイシスを食べる気でいた。意味はまったく違うが……。
理性の限界があるから、指は1本だけ。それ以上は神殿までお預けにしよう。こんな場所でイシスの初めてを奪う気はない。もっと幻想的な雰囲気の中で、神格を高める場所で、誰にも邪魔されない聖域で散らせたかった。
人としての生が完全に終わり、神としての新たなイシスが生まれる。そのために舞台を整えてイシスを導くのは、伴侶のオレの役目だった。
「セ、ティ……そこ、変」
また涙を零しながら訴えるイシスの声に答えながら、濡らした指を押し挿れる。ぐっと抵抗する襞を開いて丹念に辿った。残念ながら時間切れか。
本気で泣き出したイシスをキスで宥め、名残惜しいが指を引き抜いた。ぐずぐずと泣きじゃくるイシスを抱きしめながら、こっそり自分の欲を吐き出す。腹の上にぶちまけられた白濁をぺたぺた触ったイシスは、その手を無造作に舐めた。
「……っ、イシス!?」
「甘く、ない」
ややがっかりした口調で告げられ、慌てて浄化した。くそっ、また暴発するところだったぞ。独特な臭いも消し去り、まだ鼻を啜るイシスを抱き寄せた。大人しく身を任せる子どもは、うとうとと舟を漕ぐ。眠気に逆らえず、がくりと首を揺らして寄りかかってきた。
「……今は眠れ、もう容赦しないからな」
泣いても嫌がっても、きっと最後まで奪ってしまう。覚悟しておけよ。
42
お気に入りに追加
1,303
あなたにおすすめの小説
【完結】帝王様は、表でも裏でも有名な飼い猫を溺愛する
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
離地暦201年――人類は地球を離れ、宇宙で新たな生活を始め200年近くが経過した。貧困の差が広がる地球を捨て、裕福な人々は宇宙へ進出していく。
狙撃手として裏で名を馳せたルーイは、地球での狙撃の帰りに公安に拘束された。逃走経路を疎かにした結果だ。表では一流モデルとして有名な青年が裏路地で保護される、滅多にない事態に公安は彼を疑うが……。
表も裏もひっくるめてルーイの『飼い主』である権力者リューアは公安からの問い合わせに対し、彼の保護と称した強制連行を指示する。
権力者一族の争いに巻き込まれるルーイと、ひたすらに彼に甘いリューアの愛の行方は?
【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう
【注意】※印は性的表現有ります
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる