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164.僕の所為だと思う
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昨日の夜はすこし足りなかった気がして、まだ眠ってるセティの上に跨る。これで逃げられないんだよ。ボリスと組み合った時に覚えたの。それからセティの黒髪を優しく避けて、僕はセティにキスをする。たくさん、ほっぺもおでこも、もちろん唇だって。
「ん……っ、ふわぁ」
突然セティにぎゅっと抱き締められ、舌を吸われた。変な声が出ちゃう。気持ちよくて腰をもじもじ動かしながら、セティの上でくたっとするまでキスを続けた。もう終わりって背中をポンポンされて、セティの上から降りる。
「……ダメだった?」
いけないことだったのかな。セティが変な恰好で丸くなってるし、もしかしたら僕が乗ったお腹が痛いのかも。泣きそうになりながら謝った僕に、セティは平気って言ってくれた。それでも心配なので外に助けを呼びに行く。隣のテントはまだ寝てる。ゲリュオンとシェリアがいるけど、お母さんがいいのかな。
顔をもたげて僕を見るお母さんに向かって走り、飛びついた。
「お母さん、大変。セティのお腹の上に乗ったら、痛くなったみたい」
『落ち着いて最初から説明してごらん』
お母さんに言われて、順番通りに説明する。途中で起きたボリスの耳をお父さんが後ろから塞いでた。ボリスは聞いちゃいけないお話なの? 僕が上に乗ってキスした部分になると、お母さんが変な音で喉を鳴らした。後ろのお父さんは変な方を向いてる。
一生懸命説明したところへ追いついたセティが、僕の頭を撫でながらお父さん達に「オレの所為じゃないぞ」と言った。うん、お腹に座ったのは僕の所為だと思う。頷く僕に、お母さんが口を開いてから困った顔で口を閉じた。
『タイフォンは無事だし、着替えておいで』
何回か口をぱくぱくさせた後、お母さんはそう言った。僕は水色のスカートだけど、そっか。これは夜に着る服だから、お出かけ用に着替えなくちゃ。慌ててテントへ戻る。途中で起きてきたゲリュオンと擦れ違った。急いでいたから挨拶だけね。
テントに入って水色の服を脱ぐ僕に、セティが新しい服を出してくれた。空中から出したのは、オレンジ色のワンピース。上から下まですとんと着られて、また腰のところで結んだ。今日は青くて薄い布で柔らかい。同じ布をもう一枚出して、僕の頭に被せた。黒髪を絡めるみたいにして結んでもらう。
「これで良し。日差しが強いからな」
可愛いぞと褒められたのが嬉しくて、外に出てボリスやお父さん達にも見せた。くるくる回るとスカートがふわっと広がるんだよ。凄いでしょ。回りすぎて気持ち悪くなった僕は、ご飯を作ってる間座って待つことになった。
お手伝いできなくなるから、明日から回るのはやめるね。ガイアがくれた冷たいお水を飲んで、トムを膝に乗せる。甘えん坊の子猫は頬ずりしたり、長くなった僕の髪の毛で遊んだり忙しかった。ご飯を食べて、準備が終わったら洞窟のお片付け。テントをしまって、鍋や枕も持っていくの。
お母さんは金銀がある奥の洞窟の前に、岩を置いて塞いだ。お父さんの背に乗って僕とセティが飛び立ち、ガイアとトムは籠に入って一緒。ボリスがお父さんの足にしがみ付いた。疲れて落ちたら大変だけど、後ろからお母さんが見ててくれるんだって。
たくさん撫でたフェルが洞窟の外へ出たのを確かめて、お母さんがゲリュオンとシェリアを乗せて飛んだ。くるりと旋回したお父さんが洞窟の入り口を大きな岩で塞ぐ。これで誰も入れないよ。また帰ってくるお家に手を振って、僕達はお兄さん達を探す旅に出た。
「ん……っ、ふわぁ」
突然セティにぎゅっと抱き締められ、舌を吸われた。変な声が出ちゃう。気持ちよくて腰をもじもじ動かしながら、セティの上でくたっとするまでキスを続けた。もう終わりって背中をポンポンされて、セティの上から降りる。
「……ダメだった?」
いけないことだったのかな。セティが変な恰好で丸くなってるし、もしかしたら僕が乗ったお腹が痛いのかも。泣きそうになりながら謝った僕に、セティは平気って言ってくれた。それでも心配なので外に助けを呼びに行く。隣のテントはまだ寝てる。ゲリュオンとシェリアがいるけど、お母さんがいいのかな。
顔をもたげて僕を見るお母さんに向かって走り、飛びついた。
「お母さん、大変。セティのお腹の上に乗ったら、痛くなったみたい」
『落ち着いて最初から説明してごらん』
お母さんに言われて、順番通りに説明する。途中で起きたボリスの耳をお父さんが後ろから塞いでた。ボリスは聞いちゃいけないお話なの? 僕が上に乗ってキスした部分になると、お母さんが変な音で喉を鳴らした。後ろのお父さんは変な方を向いてる。
一生懸命説明したところへ追いついたセティが、僕の頭を撫でながらお父さん達に「オレの所為じゃないぞ」と言った。うん、お腹に座ったのは僕の所為だと思う。頷く僕に、お母さんが口を開いてから困った顔で口を閉じた。
『タイフォンは無事だし、着替えておいで』
何回か口をぱくぱくさせた後、お母さんはそう言った。僕は水色のスカートだけど、そっか。これは夜に着る服だから、お出かけ用に着替えなくちゃ。慌ててテントへ戻る。途中で起きてきたゲリュオンと擦れ違った。急いでいたから挨拶だけね。
テントに入って水色の服を脱ぐ僕に、セティが新しい服を出してくれた。空中から出したのは、オレンジ色のワンピース。上から下まですとんと着られて、また腰のところで結んだ。今日は青くて薄い布で柔らかい。同じ布をもう一枚出して、僕の頭に被せた。黒髪を絡めるみたいにして結んでもらう。
「これで良し。日差しが強いからな」
可愛いぞと褒められたのが嬉しくて、外に出てボリスやお父さん達にも見せた。くるくる回るとスカートがふわっと広がるんだよ。凄いでしょ。回りすぎて気持ち悪くなった僕は、ご飯を作ってる間座って待つことになった。
お手伝いできなくなるから、明日から回るのはやめるね。ガイアがくれた冷たいお水を飲んで、トムを膝に乗せる。甘えん坊の子猫は頬ずりしたり、長くなった僕の髪の毛で遊んだり忙しかった。ご飯を食べて、準備が終わったら洞窟のお片付け。テントをしまって、鍋や枕も持っていくの。
お母さんは金銀がある奥の洞窟の前に、岩を置いて塞いだ。お父さんの背に乗って僕とセティが飛び立ち、ガイアとトムは籠に入って一緒。ボリスがお父さんの足にしがみ付いた。疲れて落ちたら大変だけど、後ろからお母さんが見ててくれるんだって。
たくさん撫でたフェルが洞窟の外へ出たのを確かめて、お母さんがゲリュオンとシェリアを乗せて飛んだ。くるりと旋回したお父さんが洞窟の入り口を大きな岩で塞ぐ。これで誰も入れないよ。また帰ってくるお家に手を振って、僕達はお兄さん達を探す旅に出た。
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