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掠れた低音を耳元で囁かれ私は体の力が抜けて彼の胸元に寄りかかってしまう
そんな私を彼は愛おしそうな目をして見つめ、私の後頭部と背中に置かれている手に力を込める
ど、どうしようこの状況…!!
心臓破裂する!!しかもこの甘い香り…ちっ力が入らない~…!!
私の心臓は彼に聞こえてしまうんじゃないかという程ドキドキし、彼の逞しい胸板に顔を強く押さえつけられている私は酸欠と甘い香りで頭がクラクラしてくる
やっやばい…息がぁ~…
「む、むうぅ~…」
大慌てで声を出し、彼の胸板をバシバシと叩くとずっと私の後頭部と背中に手を置き私の頭に顔を埋めてたっぽい彼がようやく力を緩めてくれた
「ぷはぁ!!」
あっ危なかった!!
あぁ、空気が美味しい…
新鮮な空気を吸い呼吸を落ち着けた私は今だに私を抱きしめ後頭部を撫でる彼を見上げる
バチっと彼と目が合った瞬間この世の物とは思えないほど美麗な顔が目を細め眩い笑顔で私を見つめ返す
その瞳はなんとも嬉しそうで私は顔が沸騰しぎゅっと目を瞑る
その瞳の奥にある執着心には気づかないまま…
「そんな可愛い顔してるとキスしたくなるな…」
顔を上げたまま目をぎゅっと瞑っていた私は不意にそんな呟きが聞こえてきたと同時に頬をゆるりと撫でられ大慌てで目を開ける
「と、突然何をおっしゃるんですか!?」
恥ずかしくて叫び声を上げる私に彼は一瞬残念そうな顔をしたが次いでとても美しい笑顔でいっぱいになった
「あぁ、僕の可愛い人は声まで可愛いんだね…僕の可愛い人…君は一体どこに隠れていたんだい…」
「隠れていた訳では無いんです…ただ…」
「…ただ?」
どことなく不穏な空気を漂わせ始める彼
ここで神様のミスを彼に伝えるべきかどうか…
しかし、そんな空気感に気づかない私は一瞬悩むが何故か脳内で「絶対半殺しされるから伝えないで!!」
と聞こえた気がしたので私は話を逸らすことにする
「いえ…そういえば自己紹介がまだでしたね。私は白猫のランといいます」
「あぁ、そうだった…俺は自己紹介もせず何をしているんだ…急に抱き締めてしまいすまない。俺はクロウド・ハーバルと言う。」
私の体を離し私の前で跪き右手に口付けながらクロウドは自己紹介をする
離れてしまったクロウドに一瞬寂しさを感じてしまうが、彼のまるで王子様のような口づけによってそんな物は吹き飛ぶ
が、そのかわり私は羞恥心で顔を真っ赤に染めてしまった
私は羞恥心を吹き飛ばすように声を出す
「クロウドさんと言うんですね!初めまして!」
番とはいえ初対面なのでそう言った私にクロウドは何故か不満気な顔をして私を見つめる
「あっあれ?どうしたんですか?」
さっきまでの甘々な感じから一転して不満そうな…不服そうな…まるで子供が拗ねているような顔に私は不安になり首を傾げて目線を上げてクロウドを見つめ返す
すると何故か顔を赤く染めて横を向くクロウド
私は一体どうしたんだとそのままクロウドを見つめていると
クロウドが深呼吸を繰り返した後私の方に顔を向けた
「…すまないラン。君には俺に対して敬語で話して欲しくないんだ。俺に対してありのままの君で接して欲しい」
私に敬語ではなくもっと親しく接して欲しいと告げるその子犬みたいな表情に思わずキュンとする
「わかりまし…わかった!!確かに番なのに敬語はおかしいもんね。クロウドこれからよろしくね!」
「あぁ、ラン!!俺の愛しい人!!…そろそろ俺の住む城に行こうか」
敬語を取り、私なりの最高の笑顔をクロウドに見せるとクロウドは激しく喜び私も嬉しくなる
…ってちょっと待って!!城って何?!
考える間もなく私を横抱き…いわゆるお姫様抱っこをするクロウド
「さっきからずっと思っていたんだが…君の上目遣いとか慌てた表情とか不安そうな表情とかそれ以外の色んな君の表情、俺以外には絶対見せちゃ駄目だよ…いや、見せる前に城に帰ったら俺の部屋に閉じ込めてしまおうかな…」
物騒なことを言い始めるクロウド
…いや、流石に表情を人に一切見せないなんて私には無理だよ!!
と、思うがそれを言ったら本当に閉じ込められそうな気がして口には出さない
ていうか、閉じ込めるって何?
流石に冗談だよね…?
そんなことを思っていると彼の背中から漆黒の翼がばさりと音を立てて出てきて私はさらにびっくりする
…そういえば頭に生えてるツノとか聞くの忘れてた!!
それに何この羽!!
人から羽が生えるなんて聞いたことないよ!!
質問したいことがありすぎるが私は驚愕しすぎて固まり、それに気づかない彼は愛おしそう私をしっかりと抱き締めて呟く
「しっかり俺に捕まるんだよ。あと口は絶対に閉じててね」
何がなんだか分からないし、言いたいことも沢山ある
だが、私は反射的に彼の言葉を聞き入れ口と何故か目も一緒に閉じ、彼の首に抱きつくとその瞬間体が唐突に重くなり次いで体がふわりと浮くような初めての感覚に私は何が起こったと目を開けキョロキョロする
そこで私は恐怖を感じる間も無く頭が理解することを拒絶した
何も考えられず固まる私に無慈悲にもクロウドは告げる
「じゃあ、行こうか。しっかり捕まるんだよ」
その瞬間胃が浮いてるような感覚と目の前の景色が急激に動き始め私は嫌でも理解してしまった
私…空に飛んでる…?
「ぎにゃやあぁぁぁ~~~!!!!」
私は恐怖から絶叫し、そしてくたりと気絶した
そんな私を彼は愛おしそうな目をして見つめ、私の後頭部と背中に置かれている手に力を込める
ど、どうしようこの状況…!!
心臓破裂する!!しかもこの甘い香り…ちっ力が入らない~…!!
私の心臓は彼に聞こえてしまうんじゃないかという程ドキドキし、彼の逞しい胸板に顔を強く押さえつけられている私は酸欠と甘い香りで頭がクラクラしてくる
やっやばい…息がぁ~…
「む、むうぅ~…」
大慌てで声を出し、彼の胸板をバシバシと叩くとずっと私の後頭部と背中に手を置き私の頭に顔を埋めてたっぽい彼がようやく力を緩めてくれた
「ぷはぁ!!」
あっ危なかった!!
あぁ、空気が美味しい…
新鮮な空気を吸い呼吸を落ち着けた私は今だに私を抱きしめ後頭部を撫でる彼を見上げる
バチっと彼と目が合った瞬間この世の物とは思えないほど美麗な顔が目を細め眩い笑顔で私を見つめ返す
その瞳はなんとも嬉しそうで私は顔が沸騰しぎゅっと目を瞑る
その瞳の奥にある執着心には気づかないまま…
「そんな可愛い顔してるとキスしたくなるな…」
顔を上げたまま目をぎゅっと瞑っていた私は不意にそんな呟きが聞こえてきたと同時に頬をゆるりと撫でられ大慌てで目を開ける
「と、突然何をおっしゃるんですか!?」
恥ずかしくて叫び声を上げる私に彼は一瞬残念そうな顔をしたが次いでとても美しい笑顔でいっぱいになった
「あぁ、僕の可愛い人は声まで可愛いんだね…僕の可愛い人…君は一体どこに隠れていたんだい…」
「隠れていた訳では無いんです…ただ…」
「…ただ?」
どことなく不穏な空気を漂わせ始める彼
ここで神様のミスを彼に伝えるべきかどうか…
しかし、そんな空気感に気づかない私は一瞬悩むが何故か脳内で「絶対半殺しされるから伝えないで!!」
と聞こえた気がしたので私は話を逸らすことにする
「いえ…そういえば自己紹介がまだでしたね。私は白猫のランといいます」
「あぁ、そうだった…俺は自己紹介もせず何をしているんだ…急に抱き締めてしまいすまない。俺はクロウド・ハーバルと言う。」
私の体を離し私の前で跪き右手に口付けながらクロウドは自己紹介をする
離れてしまったクロウドに一瞬寂しさを感じてしまうが、彼のまるで王子様のような口づけによってそんな物は吹き飛ぶ
が、そのかわり私は羞恥心で顔を真っ赤に染めてしまった
私は羞恥心を吹き飛ばすように声を出す
「クロウドさんと言うんですね!初めまして!」
番とはいえ初対面なのでそう言った私にクロウドは何故か不満気な顔をして私を見つめる
「あっあれ?どうしたんですか?」
さっきまでの甘々な感じから一転して不満そうな…不服そうな…まるで子供が拗ねているような顔に私は不安になり首を傾げて目線を上げてクロウドを見つめ返す
すると何故か顔を赤く染めて横を向くクロウド
私は一体どうしたんだとそのままクロウドを見つめていると
クロウドが深呼吸を繰り返した後私の方に顔を向けた
「…すまないラン。君には俺に対して敬語で話して欲しくないんだ。俺に対してありのままの君で接して欲しい」
私に敬語ではなくもっと親しく接して欲しいと告げるその子犬みたいな表情に思わずキュンとする
「わかりまし…わかった!!確かに番なのに敬語はおかしいもんね。クロウドこれからよろしくね!」
「あぁ、ラン!!俺の愛しい人!!…そろそろ俺の住む城に行こうか」
敬語を取り、私なりの最高の笑顔をクロウドに見せるとクロウドは激しく喜び私も嬉しくなる
…ってちょっと待って!!城って何?!
考える間もなく私を横抱き…いわゆるお姫様抱っこをするクロウド
「さっきからずっと思っていたんだが…君の上目遣いとか慌てた表情とか不安そうな表情とかそれ以外の色んな君の表情、俺以外には絶対見せちゃ駄目だよ…いや、見せる前に城に帰ったら俺の部屋に閉じ込めてしまおうかな…」
物騒なことを言い始めるクロウド
…いや、流石に表情を人に一切見せないなんて私には無理だよ!!
と、思うがそれを言ったら本当に閉じ込められそうな気がして口には出さない
ていうか、閉じ込めるって何?
流石に冗談だよね…?
そんなことを思っていると彼の背中から漆黒の翼がばさりと音を立てて出てきて私はさらにびっくりする
…そういえば頭に生えてるツノとか聞くの忘れてた!!
それに何この羽!!
人から羽が生えるなんて聞いたことないよ!!
質問したいことがありすぎるが私は驚愕しすぎて固まり、それに気づかない彼は愛おしそう私をしっかりと抱き締めて呟く
「しっかり俺に捕まるんだよ。あと口は絶対に閉じててね」
何がなんだか分からないし、言いたいことも沢山ある
だが、私は反射的に彼の言葉を聞き入れ口と何故か目も一緒に閉じ、彼の首に抱きつくとその瞬間体が唐突に重くなり次いで体がふわりと浮くような初めての感覚に私は何が起こったと目を開けキョロキョロする
そこで私は恐怖を感じる間も無く頭が理解することを拒絶した
何も考えられず固まる私に無慈悲にもクロウドは告げる
「じゃあ、行こうか。しっかり捕まるんだよ」
その瞬間胃が浮いてるような感覚と目の前の景色が急激に動き始め私は嫌でも理解してしまった
私…空に飛んでる…?
「ぎにゃやあぁぁぁ~~~!!!!」
私は恐怖から絶叫し、そしてくたりと気絶した
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