【R18】ライフセーバー異世界へ

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145 ノアの覚醒

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 海から引き上げられた私はザックに抱きかかえられ、町医者であるウツさんのお店に運ばれた。ウツさんのお店は店先には装飾品を売っているのに、奥に入ると全く雰囲気が異なっていた。

 薄暗い部屋の灯りをつけると清潔なベッドが二台並んでいた。棚には沢山の薬品そして魔法石が並んでいる。

 医療魔法がどんなものか、これから体験する事になるのだろうが消毒薬の香りがするのは日本のお医者さんと同じだった。
 
 店の奥では先にマリンが到着してウツさんとネロさんから手当を受けていた。海水で濡れている私を見るなりベッドに座っていたマリンは大きな声を上げた。

「ナツミの馬鹿っ飛び込むなんて無茶苦茶よ! いくらナツミが泳げるからって、あんなに傷だらけなのに。ホントに、心配したし……良かった……うっうう」
 マリンは怒って話はじめるのに、最後は顔をくしゃくしゃにして天を仰いで泣きはじめた。両手で顔を覆わずに泣く姿はまるで子供だ。

 隣に立っていたノアが私の顔を見てから一息つく。困り果ててマリンの頭を撫でて何とか泣き止む様にあやしていた。

「ごめんねマリン心配かけて」
 マリンを抱きしめたいけれども海水で濡れている。私は眉を情けなく下げて謝る。

「マリンの怒りも同感だ。だけどナツミの治療も早くしないとな。説教はそれからだ」
 ザックそう言いながらマリンと反対側のベッドに私を座らせる。壊れやすい宝物を扱う仕草で私からゆっくりと手を放した。

 まだ怒られるのか。

 私はそんな言葉を飲み込み、ベッドに無言で座るしかなかった。

 ザックは海に上がる最中からずっと私を抱きしめたままで放してはくれなかった。ダンクという奴隷商人一派を捕まえた安心からなのか、私がどれだけ危ない対応をしたのかについてずっと怒りっぱなしだった。

 赤い目をして怒り続けるザックの顔をみれば、もうこれ以上怒らないでと口を挟む事は出来なかった。私を海の中で抱きしめザックが泣いた事は内緒だ。



「マリンの手当は終わりだ。今度はナツミの番だね左肩と顔の治療をするから」
 目の前でウツさんがテキパキと色々な道具を用意しながら私の顔を覗き込んだ。

「ナツミさんが早く治る様に少しきつめの医療魔法の治療をするからね。でも心配はしないで」
 ウツさんの隣で片膝をついてネロさんが私の左肩に触れる。

「はいお願いします」
 私はネロさんの顔をジッと見つめて素直に答えた。

 ネロさんは私の肩の状況や、叩かれて晴れ上がった頬に盛大に切った口の中を確認し、銀縁眼鏡の向こうで眉を下げ悲しそうに笑った。

「本当にこんな目に合わせてごめん。そもそも兄のアルが奴隷商人とさえ連まなければこんな事にはならなかったのに」
 ネロさんが呟いた。その声が震えて顔が泣き笑いになっていた。

 ああ、ネロさんのこの顔は、心がとても傷ついている時の顔だ。

「ネロさんのせいでもアルさんのせいでもないですよ。色々な偶然が重なったからそう感じるだけです。悪いのは奴隷商人です。でも、皆で捕まえたからいいじゃないですか」
 私はそう言って少しの間ネロさんと見つめ合った。

「ナツミさん貴方って人は、グッ」
 途端にネロさんの頭にザックの軽いチョップが刺さった。鈍い音がしてネロさんが涙目になって喚いた。

「何をするんです。僕の頭を何だと思って」
「うるせぇ誰が見つめ合えって言ったんだよ早く治療しろよっ。一流の変態め」
 ザックが早く治療をする様に怒鳴った。

「分かってますってば。では、はじめましょう。ウツさん」
 ネロさんは頭をさすりながら、ウツさんを振り返る。

「そうだね。ナツミ、痛かったら言ってね」
 ウツさんも頷き治療がはじまった。

 ウツさんが何やら薬を塗った布に掌を当てる。すると金色の光を帯びた魔法陣が浮かび上がった。

 それは人間の業なのか。私は目を丸めた。その光は私が勝手に発動してしまう医療魔法の光と似ていた。



 ノアはそんな私達のやり取りを、マリンをあやしながら無言で見つめていた。





「凄い。痛くなくなった」
 私は初体験した医療魔法に目を丸めるしかなかった。脱臼しかけた肩は力で元の位置に戻されたので少しだけ痛かったけれども痛みはそれだけだった。

 ウツさんとネロさんが薬品を塗った布に魔法陣を描くと患部に当てる。描くと言っても勝手に浮かび上がるのだから不思議だ。後でザックから聞いたのだが、医療魔法が使える人達は筆で描くのが一般的なのだそうだ。ウツさんとネロさんは別格なので、念じるだけで描く事が出来るのだとか。医療魔法での治療中は、ネロさんもウツさんも神経を集中させて無言だった。たまに聞いた事のない言葉や呪文を唱えていた。その度に描かれていた魔法陣が金色に光を放った。

 布を剥がすと、薬草の香りと共にタトゥーの様に魔法陣が、叩かれた頬と亜脱臼をした左肩の肌に薄墨で描かれていた。

 たちまち口の中の切り傷は塞がり、頬の腫れも消えた。亜脱臼の左肩も元に戻り痛みが消えていた。

「治療は成功だ。直ぐに治療出来たから比較的早く治ると思うよ。顔の腫れも落ち着いてきただろう?」
 ウツさんはそう言うと私の頬の状態を再確認し満足そうに頷いていた。

「はい。頬も痛くないし左肩も動かせます」
 私は軽く左肩を動かして見せた。首から腕を吊される羽目になると思ったのにその必要はなさそうだ。動かしても不思議と痛みは感じないが直ぐに左腕を掴まれてネロさんに動かない様に注意された。

「あまり派手に動かさないで。簡単に説明すると今は『治ったフリをしている』状態なんだ。だから必要以上に動かさないでね。生活をするだけならば問題ないと思うよ。当面ウエイトレスや仕事はお休みした方がいいだろう」
「はい」
「ナツミは医療魔法が使える身だから治りが相当早いと思う。この肌に描かれた魔法陣が肌の色と同じ色になって自然に消えれば治癒した事になるからね」
 ネロさんが左肩をもう一度ひと撫でして微笑んだ。

「そうなんですね。分かりました」
 私が素直に頷くとネロさんがザックに振り向いて人指し指を立てた。

「──と言う事でザック、今晩は絶対ナツミさんを抱いちゃ駄目だよ。一暴れして感情が高ぶっているかもだけど無理は禁物だ。それにナツミさんの体調には気をつけてね」
「えっ。わっ、分かってるよ」
 ネロさんの言葉にザックは海水に浸かり返り血を浴びて薄汚れた色になったシャツの状態を確かめていたが、驚いてしどろもどろになり肩を上げる。

 ネロさんが顎を少し上げてザックの様子を見つめ、銀縁眼鏡を光らせる。油膜はついていなかった。

「左肩を動かさなかったら大丈夫とか言う問題じゃないからね」
 珍しくネロさんが低い声でザックを睨みつけていた。ザックが口をへの字にしたら、ノアが肩をポンと叩いた。

「ザックもそこまで馬鹿じゃない。それにマリンもナツミも怖い思いをしたんだ。これから精神面でも支えていかないといけないしな、ザック?」
 そう言ってノアが笑っていた。

「お、おう。もちろんさ」
 ザックは少しだけ頬をひきつらせながら笑っていた。その様子にノアは笑みを貼りつかせたままザックの肩に乗せた手に力を込めた。

「まさか本当に左肩さえ動かさなければいいとか思ってないよな?」
 念押しでザックに尋ねていた。

「分かっている。分かっているさ。俺だってそんなに馬鹿じゃないぜ。そう何度も言うなよ…………少しだけ思わなかった事もないけれども」
 ザックはとても聞き取れないほどの小さな声で最後に何か呟いていた様だが、ノアの有無を言わせない笑顔に口を尖らせ小さくなっていた。

 精神面か。私は自分の両手を見つめた。

 言われてみれば目の前で切り落とされた腕とか、とても血なまぐさい場面を見てしまった。とっさにあの場面を思い出して眠れないとか。そんな事があったりするのだろうか。しかしザックとノアをはじめ、ウツさんやネロさんという心強い人達がいてくれるのだから何かあったら相談する事にしよう。

 そんな安心感があったので私とマリンは顔を見合わせ頷き、ザック達のやり取りを見つめていた。

 ザックが口を尖らせた後、ウツさんが一つ手を叩いた。

「さて。俺とネロは城に向かわなければ。奴隷商人の手当てや薬の事について調べるてくれと、カイ大隊長から正式に依頼があったしね。ザックとノアもナツミ達の治療が終わったら直ぐに来るよう言われているだろ? これだけの事件があったんだ。軍全体の会議があるはずだ」
 ウツさんは腰まである金髪を揺らしながら革の鞄に、テーブルに広げていたピンセットやガーゼ、棚からいくつかの薬品を取り出し手際よく詰め込んでいく。

「それなら私とマリンも一緒に行った方がいいのかな。だって連れ去られた当事者だし」
 私はザックを見上げる。

 ザックはゆっくりと近づいて私の頭に大きな手を乗せた。乾きかけの髪の毛を優しく撫でて、おでこに優しくキスを落とした。

「もちろんナツミとマリンからも話を聞く事になると思うが、今日のところはいいさ。これだけの傷を負ったんだ休む事が先決さ。俺もナツミについていたいが後処理について色々話し合う必要があるだろうし。先に『ジルの店』に戻っていてくれ。何かあればダンやニコに相談するんだぞ」
 ザックの濃いグリーンの瞳が揺れ、名残惜しそうに私の頭から手を放した。

「うん分かった」
 ザックと離れてしまうのは寂しくなるがザックとノアは仕事なのだ仕方がない。

「ザック安心してください。僕がナツミさんとマリンさんと一緒に『ジルの店』について行きますから」
 ネロさんが私の傍らに立ち、向かい側のザックにヒラヒラと手を振った。

 そんなネロさんを見たザックは、こめかみ部分の血管をサッと浮かび上がらせ片目を細めた。そして無言でネロさんの頭を拳で殴った。

「痛っ何で殴るんですか酷いですよ」
 ネロさん頭を抱えながら銀縁眼鏡の向こうの瞳に涙をにじませる。

「どうしてお前がナツミについて行くんだよ。お前は俺と一緒で軍に所属しているんだぞ。一緒に城へ戻ってやる事が満載なのに。ナツミ達を助ける前に軍のヤツらに頼んでエックハルトの屋敷の少女達も保護したからな。ネロが治療しないでどうする」
 ザックが文句を言いながらネロさんの襟首を掴んで引きずって行こうとした。しかし意外な事にノアがその手を掴んで引きずろうとした事を止めた。

「待ってくれザック。ネロに聞きたい事があるんだ」
 ノアの声は静かで落ち着いていた。ザックはノアの行動に首を傾げたが、真っすぐと見つめる視線に何かを感じとったのか、ネロさんの襟首を掴んだ手を放した。

 ノアはザックに手を上げて合図をした。それは何も口を出すなと言っている様子だった。

 ノアはネロさんの前に立ちジッと顔を見つめていた。ノアは黒い外套を羽織ってコルトと戦った際の返り血を隠していた。

 ノアの真剣な顔に何かを感じとったネロさんは薄く開いていた口を閉じてゆっくりと尋ね返した。
「僕に聞きたい事って?」
 ネロは銀縁眼鏡のブリッジを押し上げ少し俯いた。ノアの真っすぐ見つめる視線から目を逸らした様だ。ノアはその様子に溜め息をついてから強い声で尋ねた。

「アルの居場所さ」
 その質問に、私、マリン、ザックが驚いて顔を上げた。

 三人が顔を見合わせて「え?」という口の形のまま固まってしまった。唯一鞄の中に荷物を詰めていたウツさんだけが、驚いた顔をしなかった。

 尋ねられたネロさんは俯いたままで肩をピクリと動かしゆっくりと顔を上げた。ノアを真っすぐ見つめて掠れた声で小さく尋ねた。
「どうしてアルの居場所を僕が知っていると思うんだい?」

 ノアはネロさんの目の前で両腕を組んで小さく溜め息をついた。乾いた唇を舐めてから斜め下の床を見つめて話はじめた。
「俺はな──アルが今までどんな思いで俺に辛く当たってきたのかを考えた事がなかった。俺もアルが嫌いだったから。アルは今回の騒ぎも隣町に身を隠して様子をうかがっているのだと勝手に思おうとした」
 そこで一旦ノアは言葉を切って床を見つめていた視線をネロさんに戻した。ゆっくりと一歩一歩進みネロさんの真正面に立つ。

「でもこの間『ゴッツの店』で俺が妾の子供ではないという話を知って、俺自身も冷静にならなくてはいけないと思った。色んな不幸が重なった過去を引きずって、俺が持つ怒りを通してアルの事を考えていては、アルの行動を理解できないと思ったからだ」

 私とザックそしてマリンがジッと見つめる中ウツさんだけがポツリと呟いた。
「坊ちゃんがまさかの覚醒か」
 その余計なウツさんの一言に私達三人が睨みつけると、ウツさんは舌を出しておどけて見せた。

 本当に緊張感のないウツさんだ。

 そのウツさんの言葉にノアは軽く笑っていたが、直ぐにネロさんをジッと見つめて静かに話はじめた。
「俺なりに今までの状況を考えて思ったんだ。ネロが死病の薬を研究したいと思っていたと以前から聞いてはいたが。最近になってそれらを急ごうとしているのは何故なんだ?」
「!」
 尋ねられた事にネロさんが目を丸めて肩を上げた。何かまずい事でも言い当てられた態度だ。

「それに思い返せばアルも性急に事を運ぼうとしていた。マリンを毒殺しようとしたのも唐突な計画だし、ナツミに揺さぶりをかけて俺とザックに仲違いをさせようとした事も雑だ。極めつけに奴隷商人を俺達と直接対決させる事も一発逆転のようなものだろう? とにかく計画がどんどん雑になっている。どの計画も俺達が傷つき命を落とすかも知れないがそれは上手くいけばの話だ。アルはそこまで馬鹿じゃない。つまり行き当たりばったりの計画しか立てる事が出来なくなったんだ。アルはそれぐらい疲弊していて急ぐ必要があったんだよな」
 ノアがそこで言葉を一旦切った。

 確かに言う通りだ。

 そこで私はふと初めて裏町に連れて行ってもらった時にザームと交わした会話を思い出した。

 ──む。もう数か月も前の話だが、裏町の路地でアルを見かけてな。朝方だったから酒を飲んで朝帰りでもしていたのだろう。その時、何度も大きく咳いていて苦しそうだったのでな。声をかける前にアルは立ち去ったが、彼が咳いていた裏路地に大きく吐血した痕があったからな、何処か体が悪いのかと──

 その言葉を思い出し私はザックとマリンの顔を見つめる。二人もザームさんの言葉を思い出し息を飲んでいた。

「まさか、ザームの見た事は本当だった?」
 ザックがゆっくりと口を開いて呟いた。ノアはザックの言葉に強く頷いた。

「そう。アルは病気にかかっている。しかも治らない病。──死病にかかっている。そうなのだろうネロ?」
 ノアのアイスブルーの瞳が強く光る。真正面のネロさんを射貫いた。ネロさんはノアの言葉を聞いてだらりと両手を下げて俯いた。

 数十秒の沈黙の後ポツリとネロさんが呟いた。

「冷静になったノアは凄いね。そこまで考えてたどり着くなんて。その通りさアルは死病にかかっている」
「──それならどうして」
 ネロさんの言葉の後、少し間を開けてノアがネロさんの胸元の服を掴んで上に引き上げ地を這うような低い声を上げた。

「どうしてネロがアルの居場所を隠すんだ!」
「隠しているわけじゃない。病人を安静にさせる為だ!」
 ネロさんはノアの手をはねのけて同じぐらい大きな声を上げた。

「ネロ」
 ノアは撥ねのけられた手を上に上げたまま驚いていた。力でネロさんが上まわると思っていなかったからだ。
「いいか! 今、アルの居場所が分かったらきっと軍はアルを引き戻して監禁するだろう。それも劣悪な環境で。そんな事になったらアルの命は直ぐに消える。明日にでもだ。死んだら終わりなんだぞ! 死んでしまったら罪を償わせる事も出来ない。エックハルトの屋敷で薬漬けになった少女達を見ただろ?! アルのせいで少女達と同じ様な目に遭った人間が他にも沢山いたんだぞ! それなのに、アルが死んでしまったら数々の悪事を全て晒す事が出来なくなるんだ」
 ネロさんは逆にノアの外套を両手で掴んで上下に揺さぶる。

 精一杯の力を込めて目の前のノアに必死に訴える。そして、珍しく腹の底から怒鳴る声はひっくり返っている。

 その必死な声が私には別の叫びに聞こえた。

 家族を失いたくない。それでも傷ついた人達を癒やす軍人、魔法医療の一人として果たさなくてはいけない。そんな二つの気持ちがせめぎ合う。

「ネロ」
 ノアがネロさんが掴んだ外套の手を上から握りしめる。
「だから、だから僕は……」
 ネロさんは言葉を続ける事が出来なくなり俯く。ノアの外套を握りしめたまま肩をふるわせた。



 だから僕は死病の薬を早く開発したかった。



 そうネロさんが呟いたのが聞こえた。力のない小さな小さな声だった。



 そんなネロさんの手を握りしめたままノアがポツリと呟く。

「俺もネロと同じ考えだ」
「え?」
 ノアの言葉にネロさんがふと顔を上げた。目の端が赤くなっているネロさんの顔を見てノアが優しく笑った。
「罪を償わせるんだ、アルにはまだやる事がある」
 真っすぐにネロさんの顔を見つめて力強く答えた。
「ノア」
 ネロさんがノアの名を呼んで唇を噛むと何度も無言で頷いていた。

 その様子を無言で見ていた私達にノアが視線をよこした。私達も無言で大きく頷いた。

 それから改めてノアはネロさんに向かって尋ねた。
「ネロ。アルは何処にいるんだ? 知っている情報を話してくれ」
 ネロさんが頷いて小さく息を吸ってはっきりと答えた。

「アルの居場所は──」
 アルさんの居場所は意外で身近な場所だったので、私達は目を丸めてしまった。
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