【R18】ライフセーバー異世界へ

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051 祭りと裏町 その1

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 ファルの町の港は船着き場近くに倉庫が面している。
 先日の貝を捕りにダンさん達と来た時は、港付近で人が溢れている印象はなかったが、祭りのある今日は違った。

 人がごった返している。まるで大無海岸のシーズン中の浜辺の様だ。
 石畳の港には大型の船が何隻も停泊している。観光者を連れて来た船だろう。
 港では人だらけなのにギターを奏でる音と歌がそこかしこで聞こえる。
 その内の1つに男女1組になって踊りを披露している集団があった。赤や黄色の派手な衣装に身をつつんであまり見た事のないステップを踏んでいる。女性は長めのスカートを両手に持っていた。向かい合う男性も腰に手を当てて、背筋をまっすぐ伸ばしている。2人は地面を激しく蹴りながらクルクルと回る踊りは『ジルの宿屋』で見かけるタイプとは異なる感じで面白い。

 それを見つめる若い女性達は、色とりどりのドレスやワンピースと頭には花飾りやリボンをしていた。とても可愛い。もしかすると日本で言うところの浴衣みたいな物なのかもしれない。大抵2、3人連れ立っていている。そういった女性達に声をかける町の男性達。男性達も大抵は2、3人で連れ立っている。中には軍人風の男性もいる様だ。あくまで軍人風なので、もしかするとザックやノア達の様に休日なのかもしれない。

 真上に昇っていた太陽も傾きはじめていたがまだ外は明るい。
 笑い声と歌と踊りそして空には青い空と対照的な、ピンクや黄色の花びらが舞っている。

 倉庫の手前にはテラス席を設けているレストランがあるが満員だ。私はその前を通り過ぎる。

 人の波に飲み込まれそうになりながら、行き交う人々と肩がぶつかり何度も謝り進む。
 しかし、圧倒的な祭りの盛り上がりに足を止めてしまう。

 そんな中踊りを見ていたはずの赤い髪の女性達が私に気がついて振り向く。
 そして、何やらコソコソ話をしはじめる。
 何を言っているのかは聞こえないが、きっと私の短い黒髪と黒い瞳が目に留まったのだろう。
 顔の表情から考えるとあまり良い感じはしない。まぁ、仕方がない事だ。


「なぁ、あんた1人なの?」
 キョロキョロと辺りを見回す私の肩に手を置いていたのは、3人組の赤髪の男の子だった。皆モスグリーンのバンダナを巻いていた。
 年齢はシンに近そうだが、体つきが少し細い。
 この体つきからすると日本人よりも大人っぽいファルの住人ならば、意外と幼いのかもしれない。短く切った赤い髪はモスグリーンのバンダナで隠れているが、彫りの深い顔立ちと、鋭く光る赤い瞳が印象的だった。
 3人共腰に巻いた太めの帯に短剣を刺していた。
 長めの剣ではないので、軍人ではなさそうだ。
 私は無言のまま男性3人組の様子を窺っていた。声をかけた男性の1人が首を傾げる。
「もしかして、言葉が通じねぇのか?」
「そうかもしれないな。待てよ。よく見ろ子供じゃねぇか」
「本当だ、遠くから見たら凄く綺麗で可愛く見えたのに……子供かぁ」
 何やら3人組がコソコソ話をしはじめた。
 私が無言だったのは理由があった。何故なら、いつも宿屋に来るのはほとんど軍人さんだし、後は本格的な旅人だからつい観察してしまった。

 町の男性はこういった雰囲気なのか。
「大丈夫、言葉も通じてます。それに私は1人ではなくて」
 私は笑いながら、騒がしさの中で10センチ程背の高い男性3人に返事をする。
「「「うわっ! 喋ったっ」」」
 男性3人は同時に仰け反っていた。
 その驚き方が漫才やコントの様に3人共揃っていたので、私は思わず吹き出してしまった。
「あははっ。面白い~3人揃ってた」
 肩を揺らして笑うと最初に声をかけた男性が頬を少し赤くして、私の肩に手を伸ばした。ワンピースは肩を出しているので直接肌に触れられる。
「ヘェ……笑うと凄くイイ。可愛いな。髪が短い女もこうしてみるといいもんだ。子供かもしれないが……ファルの町へは観光できたのか? 何処の国から来たんだ?」
 そう言って私の肩を何度も撫でる。ファルの町の男性はスキンシップが多いのだろうか。
 私は思わず鳥肌が立ってしまい、体を硬直させてしまった。
 鳥肌が立ったのが男性に伝わったのかゴクンと生唾を飲み込んでいた。
「な、何だこの肌触り。吸いつくみたいだ」
 低い声で呟いて肩を力一杯握りしめられる。
「あ、ちょっと。触るのは」
 止めて、と抗議の声を上げようとした時だった。
 肩を握りしめる男の手を掴む大きな手があった。
 そして、反対の長い腕が私の腰に回ると後ろに引っぱられて倒れそうになる。
 私の後頭部がコテンと固い胸板に当たった。低い声が胸板から伝わり頭に響く。
「悪いな。その手を離してくれるか?」
 ザックだった。
 ザックは男性に食ってかかる様な事もなく、スマートに私を自分の方に引き寄せ男達から遠ざけてくれた。
「何をするんだ、って。え? ザックさん!?」
 先程まで私の肩を触っていた男が驚いて声を上げる。モスグリーンのバンダナの下で、赤い瞳が驚く程見開いていた。
「ナツミ、迷子になるから離れるなって言っただろ」
「だって、ザックが……」
 私はザックに後ろから抱えられたまま口を尖らせた。
 私だって分かっている。ファルの町で1人歩くのは危ないって事ぐらい。
 だけれど──


 ノアの別荘でザックに襲われ危ういところまで迫られていたが、アルマさんの竹箒攻撃のお陰で難(?)を逃れた。
 バシバシ後頭部を殴られたザックはようやく我に返って、ひたすら私に謝りながらこのファルの町まで連れて来てくれた。しかし──
 到着するなりザックは女性達に囲まれてしまう。

 きらびやかな服、そして可愛いと言うより色っぽい女性達に囲まれるザックの様子は、若干嬉しそうに見えてしまった。

「もう、ザック何処へ行っていたの。ずっと探していたのよ」
「折角のお祭りなのにもしかして1人? ねぇ一緒に祭りを楽しみましょうよ」
「そういえば、随分会ってないけど、一体何処の女に肩入れしているのよ」
「確かキャンディーを買っているの見たわ。ねぇ、誰に贈ったの」
「去年は一緒に回ってくれたじゃないの。それからあの路地で」
「え、あんた何言っているの 路地裏ってどういう事。私なんて──」
 
 雲行きの怪しい話になり、頭1つ飛び出ているザックの顔が酷く慌てていた。

 私はザックがどう答えるのか気になって身を乗り出すが、女性達に突き飛ばされて、あっという間にザックとはぐれてしまった。


 もう、何だか面白くないし。
 どれだけ女性に囲まれるの。
 そもそも、その女性達に声をかけ、関係を持っていたのはザックなのだろう。


「確かに女に囲まれていたけど、全て断ったさ、気がついたらナツミが消えているし……焦るだろ」
 ザックが私の頭の上で私の顎を掴んだまま上を向かせて、つり上がり気味の眉を更に上げて怒っていた。
「ごめんなさい。その、突き飛ばされて気がついたら人の波の中に。どんどんザックから離れちゃって……」
 危ない目に遭うかもしれないから、離れない様に言われていたのに。
 よく見るとザックのこめかみに汗が浮かんでいた。息は上がっていないがずっと追いかけてきてくれたのだろう。
 色っぽい女性に囲まれたザックを見て少し拗ねていたのも事実なので、私は申し訳なくなり素直に謝った。
「いいや、手を離した俺も悪かった。ほら、手を出せ」
「うん」
 そう言われてザックが私の左手の指を絡めて握りしめる。
「あの~ザックさん? ですよね……」
 すっかり置いてけぼりになっていたバンダナ男性が、掴まれた手を空中に浮かせたままザックに声をかけた。
「ああ、そうだけど。ん? お前もしかしてソルか?」
「そうです。ソルですよ。いやぁ、名前を覚えて貰っていて嬉しいなぁ。俺達、来年から軍学校に行く予定で──」
 ザックに名前を呼ばれたソルという男性を筆頭に、皆嬉しそうにしていた。
 もしかしてザックと同じ貧民街の人達なのかな?
 学校に通っていないって事は、実はもの凄く若いのかもしれない……
「そうか。頑張れよ」
 ザックはソルの肩を叩いて軽くウインクしていた。
「ありがとうございます。……ところで、その女の子は、迷子ですか? 何なら俺達が連れて行きますけど。だってザックさん他の女性を待たせているのでは?」
 ソルが嬉しそうにザックに挨拶をした。
 ザックは男性にも慕われているのか……
 それに、私の事を女の子って言った! お化粧をしているから女の子に見られた!

 私は1人舞い上がる。
 ミラからもらったオレンジ色のワンピースを着ている事が前提になっている事と、ザックが他の女性を待たせているという言葉も忘れて……

 だが、迷子とは……もしかしてもの凄く子供に思われている?
「迷子ではないですよ」
「ははぁ~? 心細くて迷子じゃないって言っているのか。そんな意地張るなよ。あれ? 近くで見ると凄く可愛い顔をしているなぁ。ほら、俺達がこの祭りの案内をしながら案内所の場所まで連れて行ってやるよ」
 そう言ってソルは私の手を取ろうとした。しかし、ザックがその伸びた手をもう一度掴んだ。ソルは驚いてザックの顔を見上げた。
 ザックがニヤッと笑って私と繋いだ手を解くと、腰を抱きよせて私のこめかみにキスを落とした。
「悪いな。こいつは迷子じゃないんだ。ナツミって言う俺の恋人だ」
「「「えっ?!」」」
 ソル達3人組はまたもや声を揃えて仰け反った。
 漫才かコントを再び披露してくれる。

 ソルがしどろもどろになってザックと私を見比べる。
「だって、女の子。どう見たって子供……えぇ~。ザックさん趣味、変わりました?」

 趣味、変わりました? って、そこまで言われる。
 私は口を開けたままソルを見つめた。

「プッ。ソル、酷い事を言うなよ。あんな顔させるなんて」
「え? あっ……」
 ソルの友達が私の顔を見てから笑った。笑っていたのでは君も同罪なのでは……
「まぁ、俺も初めて出会った時は子供かと思っていたけど、しかも、おと──ゴホン」
 いや、男の子だと思っていた事は言わないでおこう。ややこしくなる。
 ザックは言葉を飲み込むと、私の顎を掴んで瞳を細くした。掴むと言っても、優しくなのだが。
「……今日は化粧もしたから年相応の女性に見えると思ったのに」
 私は口を尖らせてザックの顎を掴んだ手首を両手で握りしめる。
「そりゃぁ、女には見えるだろ。ワンピースも着てるんだから」
「そ、そうだった! ワンピースだった」
「プッ。忘れていたのか」
 ザックが屈託なく笑ったのをソル達3人は唖然としながら、私を見つめ直す。
「こう言っては失礼かもしれませんけど、今までの、その~ザックさんの連れていた女性と違う雰囲気って言うか、可愛すぎるって言うか。しかも恋人って。えぇ~?」

 ソルは何と言って良いのか分からず頭を両手で抱えてしまった。
 どう見積もってもナツミと呼ばれる女の子……女性は、いつもザックが連れ立っていた色っぽいという女性とは真逆の雰囲気なのだ。
 もしかして、あらゆる女性を食い尽くしてきて感覚がおかしくなっているのか?
 更に恋人って、ザックさんは特定の恋人を作らない事で有名だったのでは?
 そんな事をあれこれ考えてしまう。


 確かに私は色っぽくないけれども、ザックが私を連れている事がそんなに事件なのだろうか。
 しかし、ザックはソルの困惑する顔を見て何を考えているのか分かった様だった。
「ソル。ナツミって可愛いけど、凄く色っぽいんだぜ?」
「は、はぁ」
 ソルは全く納得がいかない顔をしてしまい再び頭を抱えた。
「仕方ないな。じゃぁ、見てろよ?」
 ザックが軽く笑いながらソルに話しかけた。
「はい?」
 ソルは訳が分からず返答をする。

「え? んっ」
 私はソルの納得しない姿を見つめていたのだが、ザックが腰を抱き込んだまま、私の顎を強引に上に引きあげた。

 そして、ザックは長身を折り曲げ私の低い鼻を自分の頬で塞ぐ。そう、唇をピッタリと合わせてキスをしてきたのだ。

「「「えぇーっ」」」
 ソル達が再び漫才かコントの様に声を揃える。

 この人混みの中で何を! と、私は思ったのだが──
 つま先立ちになるぐらいザックが腰を抱き込んで上に引きあげるから、踏ん張る事すら出来ない。しかも私の低い鼻を頬でワザと塞いだせいで息が出来なかった。苦しくて口を開けると、今度はザックの舌がスルッと入り込んできて私の舌に絡まる。

「ザ、ックぅ、やぁ」
 声を上げようとするが妙な喘ぎ声になってしまう。
 ザックの瞳が嬉しそうに細くなった。合わせた唇を少し離して、ワザと声を上げさせているのが分かった。

 駄目だって、恥ずかしい。

 お互いの唇の隙間を埋め尽くす事はしないで、横からしっかりと舌が絡まる様子を見せつけてキスが続く事──十数秒。ザックはようやく私を解放してくれた。
 だが、文句を言う事は叶わなかった。
 何故なら、最後に唇を合わせて、息を吸い上げるバキュームキスをされたのだ。
 それは一瞬だったが、息が吸えると思っていただけに苦しくて仕方なかった。
 結果、私は足から力が抜けてしまって、ザックにもたれかかってしまう。

 私の顔は絶対真っ赤だ。ううん。顔だけではない。
 耳や露出している首から肩にかけても赤くなっているかもしれない。
 私は息を整えて力なくザックの胸に手を添えて、ソル達を見上げる。
「……」
 ソル達は日焼けした頬に赤みを浮かべているのか更に黒くなっている様に見えた。
 ゴクンと3人共がまたもや揃って唾を飲み込み、口を真一文字にしていた。
「な? ナツミって凄く色っぽいだろ」
 ザックが私の頬を撫でながら、ソル達にウインクをしていた。
 ソル達は無言で何度も頷いていた。

 ザック、それは誰でもそうなると思う……

 私は恥ずかしくて顔が上げられなくなった。

 その後、行き交う周りの人達に散々冷やかされてしまったのだから。
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